家電製品ミニレビュー

唐揚げやフライドポテトをカラッと仕上げるノンオイルフライヤー

シービージャパン「ノンオイルフライヤー TOM-01」

 今回は、シービージャパンから発売された「ノンオイルフライヤー TOM-01」(以下、TOM-01)を紹介する。食材の油だけで唐揚げやフライドポテトなどの揚げ物が作れる調理器具だ。

メーカー名シービージャパン
製品名ノンオイルフライヤー TOM-01
希望小売価格23,800円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格12,982円

 ノンオイルフライヤーと言えば、真っ先にフィリップスの「ノンフライヤー」が思い浮かぶ。そのほか、他メーカーからも似たような製品が次々に発売されたが、仕組みはどれもほぼ同じ。高熱の温風を庫内で高速循環させることにより、食材の油だけで揚げ物を調理できるというものだ。TOM-01も同様に、最高210℃の熱風をグリルバスケット内で高速循環させて調理する。

本体正面。上部に温度設定ダイヤルとタイマー設定ダイヤルを備える
本体側面。吸気口が上部の左右に1つずつある
本体背面。排気口が中央に1つ、下部に2つある
本体内部の上側に電熱線を備える
グリルバスケット。フッ素コーティングされたグリルネットが付いている
内側をセラミックコーティングした鍋。底には熱風を渦状にする凹凸がついている

 調理の仕方はとても簡単だ。食材を適度な大きさにカットしたり、味付けするなど下ごしらえしてグリルバスケットに投入する。あとは、唐揚げなら200℃で13分というように、レシピに合わせて温度や時間を設定するだけだ。温度や時間はダイヤルを回して設定する。タイマー設定ダイヤルを回すと調理が始まる。なお、設置する際は、後方に30cm以上のスペースを開けなければならない。

唐揚げもフライドポテトもカロリーOFF! なのに美味しい!!

 では、早速使ってみよう。今回は、レシピブックに記載されている唐揚げ、フライドポテト、海老フライの3つのほか、レシピブックにはない小鯛の塩焼きを作ってみた。各メニューともレシピブックの記述通り、食材を加熱する前に各メニューの設定温度(200℃など)で予熱している。設定温度になった時点で予熱を止めて知らせてくれる機能はないので、何度か試した上で約5分予熱することにした。

 個人的には、加熱時間は、予熱してもレシピブックに記載されている時間よりも2、3分長めに設定したほうがいいと思う。そのほうが、焼き色が良くなり、食材にしっかり熱が通っていた。また、より美味しく仕上げるためにも、加熱時間が半分を過ぎたあたりでグリルバスケットを引き出して、食材を裏返したり、混ぜたりすると良い。

 ただし、加熱時間の設定や、加熱中の食材調整については好みにもよるので、気になった時に食材の様子を見るようにするといいだろう。

 なお、下記で紹介している唐揚げ、フライドポテト、海老フライの3つの加熱時間は、すべてレシピブック通りに記しているが、実際は食材に合わせて2、3分長く加熱している。

グリルバスケットを引き出すと一時停止する機能が搭載されている
合計で10種類のメニューを紹介しているレシピブック

唐揚げ

 みりん、醤油、生姜、塩で下味をつけた9個の鶏のもも肉をボウルに入れ、小麦粉と片栗粉を加えて混ぜる。よく混ぜた鶏のもも肉を3個ずつに分け、それぞれにカレー粉、青のり、ブラックペッパーをまぶしてグリルバスケットに投入した。180℃で約13分間加熱する。

 加熱開始から3、4分が過ぎたあたりから、カレー粉の香りがたち始め食欲を刺激する。早く食べたい気持ちを抑えながら待つこと8分。一旦、グリルバスケットを引き出し、唐揚げをひっくり返してさらに加熱する。

 チン! という音がして加熱終了。ワクワクしながらグリルバスケットを出してみると、黄金色に焼けた唐揚げが、美味しそうに並んでいた。

 早速食べてみると、サクッとした歯ごたえとともに、口の中に肉汁が広がった。脂っこくなくジューシーで、あっと言う間に9個の唐揚げをたいらげてしまった。

カレー粉、青のり、ブラックペッパーをまぶした唐揚げをグリルバスケットにセット
サラダとクラッカーを沿えた唐揚げプレートが完成

 加熱後に気づいたことだが、青のりをまぶしてすぐに加熱を始めたため、排気口から青のりの一部が吹き出していた。庫内を熱風が循環していることの証明にはなったが、キッチンに飛散した青のりを掃除するのが大変だった。あらかじめ、小麦粉と片栗粉を混ぜた状態のものに、青のりをよくなじませておくといいだろう。

フライドポテト

 冷凍されているフライドポテト300gを、200℃で約11分間加熱する。

 唐揚げと同じく、加熱開始から2、3分過ぎたところで、ポテトが焼ける美味しそうな匂いがキッチンに漂ってくる。良い匂いに包まれながら過ごすこと6分後、グリルバスケットを引き出してフライドポテトを混ぜてからさらに加熱する。

 加熱終了後、グリルバスケットを取り出し、熱々のフライドポテトをつまみ食いした。美味い! ホクホクしたフライドポテトを、はふはふしながら食べるのは最高だ。

加熱終了直後のフライドポテト
タバスコ入りケチャップとサワークリームオニオンソースをつけて食べた

海老フライ

 殻むきや背わた取りが面倒だったので、冷凍の海老フライを使った。200℃で約8分間加熱する。

 20gの冷凍海老フライを6尾加熱した。焦げ目のつき具合が変わるのかを試すため、半分の3尾にオリーブオイルを塗ってみた。

 海老フライもこれまでと同様に、加熱開始後、5、6分が経過したタイミングでグリルバスケットを本体から外してひっくり返した。

 加熱終了後にグリルバスケットを取り出すと、オリーブオイルを塗った海老フライには焼き色がきれいについていた。パン粉もサクッとしていて香ばしく、海老がプリッとしていて美味しかった。オリーブオイルを塗っていないほうは、パン粉はサクッとしていたのに香ばしさをあまり感じなかった。でも身はプリッとしていた。

6尾の海老フライの内、右側の3尾にオリーブオイルを塗った
オリーブオイルを塗った方はきれいに焼き目がついた

小鯛の塩焼き

 下処理された(うろこ、わた、えらをとった)小鯛の両面に、片栗粉、酒、塩、油を混ぜたものをハケで塗り、200℃で約12分間加熱する。

 今回は、魚が焼ける香ばしい匂いを楽しみながら、途中で裏返さずに加熱し続けた。

 途中で焼き加減を確認しながら加熱すること十数分、皮がパリッと焼き上がり、身はふっくらとした小鯛の塩焼きが出来上がった。

 身をほぐしながら食べたが、脂の甘みが感じられるとても美味しい塩焼きに仕上がった。

身に切れ目を入れて加熱する
皮がこんがりと焼け、身がふっくらとした小鯛の塩焼き

 4種類のメニューでTOM-01を使ってみたが、加熱中に温度を調整する必要はないし、油がはねる心配もない。また、熱が均一にいきわたるため、焼き目もきれいにつくし、食材にしっかり熱が入る。

 また、油で揚げた揚げ物は脂っこいので、いつも炭酸飲料を飲んで口の中をさっぱりさせながら食べていたが、TOM-01で加熱した揚げ物は油を使わない分あっさりしているので、口の中をリセットしなくても食べ続けることができた。

レシピにドーナツもあったので作ってみたが、油で揚げていない分食感はイマイチだった
オリジナルでスコーンを作った。こちらは食感、味ともに大満足

カロリーを抑え、廃食油も出ない。揚げ物好きにオススメ!!

 最後に、皮付きの鶏肉を加熱し、脂がどの程度落ちるのかを試してみた。

皮付きの鶏肉を加熱したあとの鍋底。大量の脂が落ちている(右側に寄せている)
皮にこんがりとした焼き色がついた

 主なメリットはほかのノンオイルフライヤーと同じく、油で揚げない分カロリーを抑えられることと、揚げ油を処理する必要がないことだ。また、価格面でもフィリップス製のものは約20,000円なのに対し、TOM-01は15,000円前後で買える。

 廃食油は、ペットボトルなど中身の見えるフタ付きの容器に入れて回収場所へ出す必要があるため、揚げ物が好きな人ならその手間が省けるだけでも購入の動機にはなるだろう。

 デメリットは、2人分程度と1度に調理できる量が少ないことと、本体のサイズが295×360×320mm(幅×奥行き×高さ)と大きいことだ。グリルバスケットの取っ手が大きいので、余計に邪魔な感じがするのかもしれない。

 特に大きさについては、マンションの標準的なキッチンだと、調理スペースで後方に30cm以上の空間を確保して設置し、かつ引き出したグリルバスケットを置くのは、床に落ちる可能性があるので危ない。我が家では、加熱中に取り出したグリルバスケットは、コンロに置いて食材を混ぜている。

 揚げ物は大好きだけど摂取カロリーを抑えたい人や、揚げ物を作った後の油の処理に困っていた人にオススメしたい調理器具だ。

中野 信二