家電製品ミニレビュー

“ノンフライ”系調理器具の本命はアイリスオーヤマかも!

普通のオーブントースターと同じように使えるのがマル!

アイリスオーヤマ「ノンフライ熱風オーブン FVH-D3A」

 2013年の4月にフィリップスが油を使わずに揚げ物を作る調理家電「ノンフライヤー」を出してから、同様の機能を搭載した調理器具が次々に発売された。

 熱風を循環させることで、食材表面の水分を低下させ、油を使わなくても揚げ物のようなサクッとした食感に仕上げるという調理家電で、実は同様の加熱方法は高価格帯のオーブンレンジなどにもすでに搭載されていたものだったが、「フライ」に特化した製品というのはこれまでなく、一気に人気を集めたのだ。

 弊誌でもノンフライヤーはもちろん、同様の機能を持った製品をいくつか紹介しているが、今回紹介するアイリスオーヤマの「ノンフライ熱風オーブン FVH-D3A」はその中でもかなりオススメの製品だ。

メーカー名アイリスオーヤマ
製品名ノンフライ熱風オーブン FVH-D3A
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格21,794円

 オーブントースターを少し細長くしたような独特の形のこの製品。細長い上部部分には、フライヤー機能用の渦巻きヒーターとファンを搭載している。

 ノンフライ熱風オーブンの一番のオススメポイントは、トースターとしての使い勝手をそのままにフライヤー機能を備えている点。一般的なオーブントースターと同じように手前に引く扉が付いていて、トースターやピザもこんがり焼ける。

 もちろん、フライヤー機能もバッチリだ。ノンフライ熱風オーブンでは、「オーブン/トースター」と、お総菜などを温めなおす「リクック」、フライなどを作る「フライヤー」の3つのモードが搭載されており、それぞれ使用するヒーターが異なるのだが、その違いは加熱中の様子を見ていてもすぐに分かる。フライヤー設定時は中で熱風がまわりまくっていて、例えば食材に付けていたパン粉が舞っているし、クッキングペーパーなどもひらひらしている。

 操作は全てダイヤル式で、迷うことはない。あえて言うと、ちょっと特徴的なデザインと、本体背面、左右の10cmずつ、上部に20cmのスペースを設ける必要があるので、置き場所は考えた方が良い。

本体にはフライ用受け皿、網、レシピブック、オイルスプレーが付属する
本体背面。熱風循環式のオーブントースターは背面が少し外側に出ている
設置時は、本体背面、左右の10cmづつ、上部に20cmのスペースを設ける必要がある
リクックとフライヤー、オーブントースターの切替もダイヤルで行なう
温度は最高200℃まで

ちょっとのオイルで仕上がりが格段にアップ

 さっそく、“ノンフライ”調理をしてみた。

 ノンフライ熱風オーブンには、ブロガー/料理研究家として活躍するヤミーさん監修のレシピブックが付属する。31レシピが掲載されたレシピブックはオールカラーで、おいしそうな料理の写真が並ぶ。色々な調理家電を使ってきたが、やっぱりレシピブックや取り扱い説明書に力を入れているものの方が、料理へのモチベーションもアップする。

 その中から最初に作ったのは、「フランス風チキンカツ」だ。鶏の胸肉を使った料理で、中にハムとスライスチーズを挟んで、丸める。後は、普通のフライと同じように、小麦粉、卵、パン粉の順でまぶす。最後に大事なポイントがある。それは、本体付属のオイルスプレーに入れた油を全体にまんべんなく吹きかけることだ。

ヘルシーな鶏の胸肉を大きく2つにスライスして、塩こしょうを振る
中にチーズとハムを入れて巻いたら、小麦粉、卵、パン粉の順でまぶす
最後の仕上げてに付属のオイルスプレーに入れた油を全体にまんべんなく吹きかける

 あれ、油は使わないんじゃないの? と思うかもしれないが、普通のフライをするときの油の量に比べれば、それこそ100分の1以下のわずかな量だし、スプレー容器なので油が垂れてぎとぎとになることもない。なにより、これで仕上がりが全然変わってくるのだ。

 最後に、フライ用受け皿に網をセットして、その上に食材を乗せて、12分加熱、その後、付け合わせ用のインゲンを加えて2分加熱すれば完成だ。

 結果は、大成功! 鶏の胸肉は、もも肉などに比べて淡泊だが、チーズとハムが加わったことで、ジューシーで食べ応えのある一品に。ごく少量の油を加えたことで、表面はサクッと仕上がった。油で揚げて作るよりも、ノンフライ調理の方がずっとおいしいんじゃないかと思えるほど満足度が高い。夫は、この料理を油で揚げて作ったと疑わなかったほどだ。

完成したところ
淡泊な鶏肉がハムとチーズでジューシーな仕上がりに

 続いて作ったのは、フライの定番、エビフライだ。火が入りやすいように、背わたを除いた後に、斜めに4本の切れ目を入れたら、普通のエビフライを作る時と同じ要領で、小麦粉、卵、パン粉を付ける。あとは同じようにオイルスプレーをして、8分加熱すれば完成だ。

 見た目こそ、普通のエビフライに比べて少し白っぽくなってしまったが、味は充分。付け合わせのタルタルソースとの相性もバッチリだった。

背わたを取ったら、腹に4本の切れ目を入れる
パン粉をまぶしたら、オイルスプレーする
色は少し白っぽくなってしまったが、味はまぎれもまく「エビフライ」だった

温め直しで余分な油をカット、おいしさも向上!

 お総菜や冷凍食品など、揚げ物の温め直しに便利な「リクック」機能も気に入っている。買ってきたお総菜を温めるだけで、余分な油がトレイにギトっとたまり、まるで揚げたてのようなサクっとしたフライが味わえる。

 電子レンジで温めた時のベチャっとした仕上がりとは全く別物で、フライの温め直しはもうこれ以外使えない! というくらい満足度は高い。

スーパーで買ってきたお総菜を温めなおす
加熱後はトレイに油が溜まっていた
家で温めなおしたとは思えないほど、サクッとした仕上がりに

火力高めでピザやトーストもお任せ

 もちろん、普通のオーブントースターとしても使える。火力は結構強めで、5分トーストしたら、しっかり焦げ目が付く。使い方も、形もオーブントースターそのものなので、ノンフライ専用の製品よりずっと汎用性が高い。

トースターは2枚まで同時に焼ける
5分でしっかりとした焦げ目が付く
裏側はややムラがある
ピザも入る大きさ
200℃で15分加熱したら少し焦げてしまった

これから買うなら汎用性の高さで選びたい

 ノンフライ調理ができる家電は、今も人気だが、考えてみるとそもそも家でフライを作る回数ってそれほど多くなかったりする。専用の機器を買ったからといって、その頻度が劇的に上がるとは思えない(購入当初は別として)。だったら、ほかにも使い道がある、ノンフライ熱風オーブンがおすすめだ。

阿部 夏子