家電製品ミニレビュー

新感覚! 髪を自動で巻けちゃうヘアアイロン「ミラカール」【訂正版】

BaByliss PRO「ミラカール BAB-2665」

 今回ご紹介するヘアーアイロンは、髪を挟むだけで自動で巻いてカールを作れるという斬新なアイテムだ。「ミラカール BAB-2665」は、パリのヘアケアブランド「BaByliss PRO(べビリス プロ)」の製品。家電量販店の美容機器売り場で見かけた方もいるのではないだろうか。

【2月6日12時30分追記】レビュー品として購入した製品は、正規の代理店を経由していない並行輸入品であることが確認されました。購入先および購入価格については、正規国内向け製品の販売店例および販売価格例に訂正いたしました。ご迷惑をおかけしました方々にお詫び申し上げます。並行輸入品および模倣品に関しましては、コンエアージャパンによる、こちらの情報も併せてご参照ください。

メーカーBaByliss PRO
製品名ミラカール
販売店例ヨドバシ.com
販売価格例24,800円

 ミラカールは、その見た目からして、一般的なスティック型のヘアアイロンと異なる。最初に箱から取り出すと、肩たたきマッサージ器のような、黒い物体が現れた。先端には握りこぶし大の丸いヘッドが付いていて、第一印象は「ダンベルっぽい」。これがヘアアイロンとは、にわかに信じがたい。

 本体サイズは274×85×104mm(幅×奥行き×高さ)で、女性の腕ほどはあるだろう。本体重量は623gで、一般的なヘアアイロンの約1.5倍ほどずっしりと重い。ヘッドは、グリップ部をつかむ強さによって開閉する。

本体はテーブルなどの上に置ける
上から見た様子
先端の丸いヘッドにヒータープレートを内蔵し、ここに髪を挟む
グリップを握ると、ヘッドが閉じる
本体背面

 外見だけでは、使い方がさっぱりわからないが、ミラカールの使い方はインターネット上で公開されている(Babyliss JapanのYouTubeはこちら→http://www.youtube.com/channel/UCNOyex_mfWDi3inaAhqGQKw?feature=watch)。動画を見ながら使い方を確認するのが一番手っ取り早い。

 さっそく使ってみよう。操作ボタンは、グリップ部の脇に3つ搭載する。端から、カールの向きを「内巻き/外巻き/交互切り換え」を選べるボタン、巻き時間を「8秒/10秒/12秒」から選べるボタン、プレート温度を「190℃/210℃/230℃」から調節するボタンだ。この3つのボタンを組み合わせて、カールの向きや強さをあらかじめ調節しておく。

スライド式の操作ボタンは、左からカールの向き、巻き時間、プレート温度を設定できる
電源を入れると、プレート温度に達するまで赤いランプが点滅。温度に達すると、ランプは点灯に切り替わる

 ミラカールのヘッド内側には、V字型の窪みがあり、ここに髪を挟む。髪は毛先から15cm~25cm程度の辺りから、指1本分をとる。

 ヘッドで髪を挟むと、勢いよく髪が巻き込まれる。その時間、わずかに1秒足らず。挟むだけであっという間に自動で髪が吸い込まれていくという感覚は初めてだ。なんだこれ、面白い。

 ヘッドの内側には筒状のヒータープレートを内蔵している。ここに髪が巻き付けられ、プレートの熱によってカールが仕上がるというわけだ。

V字谷部分に毛束を挟むと、下のプレートの周りに髪が巻き込まれる。プレートはセラミックコーティングが施されている
髪をひとつまみとる
丸いヘッド部の窪みに挟む

 髪を挟んでいる間は、ピッ…ピッ…と巻き時間のカウントに合わせて音が鳴る。音が止んだら、グリップを握る力を弱め、ヘッド部を開く。すると、髪にカールが付いている。

自動で髪を巻く様子は、是非動画でご覧いただきたい。一瞬で髪がヘッド内へ巻きこまれ、きれいなカールに仕上がる。運転音はほとんどしない

 はじめは、最も強いカールを確認するため、プレート温度は最高の230℃、巻き時間は最長の12秒で設定した。すると、少女マンガチックな“縦ロール”に仕上がった。内巻き、外巻きともにクルクルとした弾力のあるカールだ。クシを入れてとかすと、自然な印象になる。普通のヘアアイロンでは巻きにくいほどガンコな直毛だったが、ふんわりとボリュームが出た。

最もカールの強い外巻き。プレート温度230℃、巻き時間12秒
最もカールの強い内巻き。プレート温度230℃、巻き時間12秒
クシでとかすと自然になる。内巻きと外巻きを組み合わせると、髪にボリュームが出る

 個人的には、ゆるめのカールが好きで、髪へのダメージも最小限に抑えたい。というわけで、プレート温度は一番低い190℃、巻き時間は8秒に設定した。さっそく髪を挟んで巻いてみると、先ほどよりもゆるいカールを作ることができた。慣れてくると、設定時間よりも早めに髪を解放し、よりナチュラルなカールを作ることも可能だ。

ゆるい内巻きも作れる。プレート温度190℃、巻き時間8秒
ゆるいカールを組み合わせれば、ナチュラルな巻き髪に仕上がる

 なんといってもこの製品を扱うコツは、慣れだ。ヘアアイロン全般にも言えることだが、まずは何度か練習してみて、巻き加減やカールの感じをつかむことが大切だ。特に、ミラカールのような新しい使い方の製品は、最初は扱いに慣れない。毛束を挟みすぎてつまってしまったり、毛を挟む角度が悪くて毛が折れてしまったり、長く挟みすぎて毛先がチリチリになってしまったり……正直最初は失敗した。イメージ通りのカールを作れるようになったのは、数回使ってからのことだ。だから、ここぞという日に一発本番勝負で使うより、お風呂に入る前などに数回試したほうが良いと思う。

 もう1つ、コツといえば、あらかじめ丁寧に髪をとかしておくこと。しっかり髪をとかせていないと、髪を巻き込む際に器具と絡まり、うまく巻けないし、髪を傷める原因にもなる。なお髪がひっかかった場合は緊急停止するので、そのまま髪が巻きこまれて髪が抜ける……なんてことはまず起こらないが、きれいなカールを作る上では事前準備も大切なのだ。

ミラカールのメリットとデメリット

 ミラカールのメリットは、しっかりとしたカールが付き、カールが取れにくいこと、毛先まで均一なカールになること、毛束感が出て髪形に動きとボリュームを出せることなどが挙げられる。

 普通のスティック型のヘアアイロンだと、毛先から髪を巻いた際に、毛先だけカールが強くなってしまったり、カール具合にムラができることがあったのだが、ミラカールなら毛先までほぼ均一の強さで巻ける。

電源ON時、ヘッドはそれなりに熱くなるが、少し触る程度ならヤケドしない。プレートが露出しているスティック型のヘアアイロンよりも安全だ

 安全面では、プレートが露出していないので、顔周りの肌に触れてヤケドする心配がない。プレートを内蔵するヘッド部は、それなりに熱くなるが、少し触れる程度なら問題ないだろう。

 本体重量は600g以上あって重いが、普通のヘアアイロンと違って腕を回して髪を巻き付ける必要が無いので、思ったほど腕は疲れなかった。

 一方でデメリットは、前髪のような短い毛は挟めない。挟んでも巻きが強く出て違和感が出る。ミラカールは、ある程度髪の長い人に向いている。

 また、巻いた後になんとなく髪がパサつくのが気になる。ヒータープレートにはセラミックコーティングが施されているというが、高熱でしっかり巻くので髪の水分はどうしても抜けてしまう。パサつきを最小限に抑えるため、事前にカール用スタイリング剤を湿布し、巻いた後にはヘアオイルをつけてカバーしている。

 もう1つ気になるのは、一度に巻ける毛束が少ないということ。毛の量が多いため、全頭を巻くのに通常のヘアアイロンの2倍ほど時間がかかる。毛の量が多い方は、注意してほしい。

使いこなすには、慣れが肝心

 とはいえ、挟むだけで自動的に一瞬で髪を巻ける、というのは面白いし、慣れると便利。朝に髪を巻いて、夕方までカールが残るので、カールのもちは良い。毛先までムラなく巻けるのも嬉しい。髪の量が少なめ~普通で髪の長い方や、強いカールを作りたい方はオススメしたい。

小林 樹