家電製品ミニレビュー

部屋の中でそよ風が吹く~三菱の高級扇風機シーズンズが気持ちいい!

 ここ数年、扇風機の平均単価がぐんと上がっている。今まで数千円で買えたものが、いまや1万、2万は当たり前、最近では10万円を超える超高級扇風機が世間で話題になっているほどだ。今回ご紹介する扇風機も、そんな高級扇風機の1つ。実売価格約3万円、三菱電機のDCモーター扇風機「SEASONS(シーズンズ) R30J-DU-C」だ。

リビングにもなじみやすいデザイン扇風機「SEASONS(シーズンズ) R30J-DU-C」
メーカー名三菱電機
製品名DCモーター扇風機「SEASONS(シーズンズ) R30J-DU-C」
実勢価格29,800円

インテリアになじむ、家具のような高級扇風機

 シーズンズという名前には、「四季を通して心地いい風へ」という思いが込められている。扇風機といえば、夏に活躍するイメージだが、このシーズンズはサーキュレーターとしても使えるため、1年中使えるという特徴があるのだ。

 実際に製品を見てみると、台座があり、ポールがあり、羽根があり、カバーがあり……と、基本構造は昔からある扇風機とほとんど変わらない。なのにどこか洗練された印象なのは、やはりデザインにこだわっているからだろう。

 例えば羽根を覆う前ガードはフラットですっきりしているし、ポールは伸縮しないため、ストレートだ。また台座もフラットで、全体的にスマートなデザインになっている。カラーは、ブラウン系のマホガニーレッドとリネンアイボリーがあるが、今回使ったのは、リネンアイボリーになる。

スマートなデザインで立ち姿も美しい

 以前、マホガニーレッドを使わせてもらったことがあるが、我が家のインテリアにマッチしてとても気に入った。なので今回は白か……と少々残念に思ったが、置いてみたら、ただの白ではなかった。台座には天然石のようなデザインが施され、つや感があり、マホガニーレッドとは違った高級感があり、こちらもとてもよかった。

台座には天然石のような模様が施され、高級感がある

 高さ調整は2段階。前述のようにポールは伸縮せず、高さ1,020mmか580mm、つまり高いか低いかしか選べない。潔いような、もう少し高さが選べたほうがいいような……とも思えるが、この低さを実現するためには、伸縮タイプでは難しいようだ。

高さを変えるのはポールと抜くだけ
抜いたところ
こんなに低くなる。高さは580mm

 例えば同社のACモーター扇風機「R30J-HRU-J」は高さ848~1,048mm、低めの「R30J-RU」でも678~858mmと、100mm近く高さが違う。ただしこの"低さ"ゆえ、シーズンズは夏以外にも、熱ムラを攪拌するサーキュレーターとして使えるのだ。

 さらにユニークなのが、首振り機能。台座についた操作パネルを見ると、縦首振り角度が50度と100度、横首振り角度が50度、90度、180度から選べる。この横首振りと縦首振りを組み合わせると、実に面白い動きをする。まるで8の字を描くように首を回すのだ。その動きは、中に人が入っているのでは、と思えるほどに滑らか。空気を攪拌する役割を果たすため、サーキュレーターとして使うときに活躍するというわけだ。

縦首振り、横首振りのほか、そよ風モード、タイマー(切・入)、風量が選択できる
付属のリモコンで操作も可能
リモコンは台座に収納できる
ちなみにコードも台座に収納できる。こういうきめ細かさもうれしい

部屋の中にいてもそよ風が感じられる!

 風量は5段階から選べるが、まずは強運転を使ってみた。従来の扇風機であれば、ぶお~! と激しい風が吹き、肌に当たる感じがするのだが、シーズンズの風は本当に柔らかい。少し離れたところにいると、どこからともなく風がそよいでくる感じだ。まだエアコンを使うほどでもないが、なんとなく空気がぬるく感じる日など、このそよ風を感じるだけで快適性が格段にアップする。

窓を開けていなくてもそよ風が吹いてくる

 この心地よい風を生み出しているのが、羽根をカバーするファンガードだという。回転により生み出される風は、そのままでは拡散してしまうため、ファンガードのラウンドパターンを羽根の回転とは逆方向に湾曲化。これにより、風の拡散を抑え、整流効果が高まるという。

 ちなみに風自体は柔らかく心地よいのだが、風量1では涼しさを感じにくい。風量3でまんべんなく風が行き渡るようになり、風量5にすれば部屋の隅にいても風を感じられる。風量5でも、伸びやかな風なので強すぎることはなく、特にリビング・ダイニングで使うときは風量5で首振り運転することが多かった。

 またしばらく使って実感したのが、音がとても静かだということだ。風量5まで上げれば、なんとなく運転しているのはわかるが、風量1~3程度では、運転しているのを忘れてしまうほど静かだ。これは羽根の形状が奏功しているそうで、先端を滑らかに湾曲させることで風の渦が弱くなり、騒音も抑えられるという。

独特なパターンのファンガードが風の拡散を抑えるという
湾曲した羽根の形状が騒音を抑制

夏は扇風機として、冬はサーキュレーターとして1年中活躍

 シーズンズは、我が家の間取りで重宝した。我が家はリビング・ダイニングがL字型になっているのだが、エアコンがダイニング側にあるため、エアコンの冷気がまんべんなく行き渡りにくい。しかしエアコンの冷気を遠くに飛ばし、シーズンズの風をダイニングに向けるという使い方をしたところ、エアコンの冷気が直接体に当たらず、涼しいそよ風として戻ってきたので、食事中も快適だった。

エアコンの冷気をダイニングに優しく押し戻す

 またリビング・ダイニングの隣に息子の部屋があるのだが、ここは窓もなく、エアコンもないため、空気の流れが悪いのが悩みの種だった。そこでリビング・ダイニングの冷気を息子の部屋に送り込むのにシーズンズを使ったところ、部屋の奥まで冷気が届き、部屋でゴロゴロしていても涼しかったという。

空気がよどみやすい窓のない部屋の奥まで涼風が届いた

 夏だけでなく、春や秋は空気の循環に、梅雨は洗濯物の部屋干しに、冬は暖房の熱を攪拌するのに活躍するのがシーズンズの魅力。DCモーター搭載のため、消費電力が少ないのもうれしい。一年中使うなら、やはり風は心地よいほうがいいし、デザインがおしゃれなほうがいい。そう考えると、シーズンズは価格なりの価値ある扇風機だと感じた。

サーキュレーターとしても大活躍
我が家の愛犬も涼しい風がお気に入りだ

田中 真紀子