家電製品ミニレビュー
コードレスだから家中で大活躍! シャープの扇風機「3Dファン」は衣類消臭もできて便利
2017年6月7日 07:00
DCモーターを採用した扇風機は消費電力が低いだけでなく、そよ風のような優しい風量もきめ細かく調節できるのが特徴的だ。そこに、「コードレス」でも使えるという新たな魅力が加わったのが、シャープの「コードレス扇風機 3Dファン」だ。ニッケル水素充電池が本体に内蔵されており、電源の取りにくい場所でも気兼ねなく使用できる。
メーカー名 | シャープ |
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製品名 | コードレス扇風機 3Dファン |
型番 | PJ-G2DBG |
実売価格 | 32,821円 |
コードレスというだけにとどまらず、空気浄化・消臭に実績のある「高濃度・プラズマクラスター7000」を搭載しているのも特徴。
扇風機としての活用場所が気軽に広げられるだけでなく、持ち込んだ場所の浮遊カビ菌の除菌、衣類や寝具の消臭にも活用できるからだ。
組み立ていらず。コンパクト
扇風機にありがちな、面倒な組み立て作業は要らない。付属のACアダプターを取り付ければ、箱から出してすぐに使える。もちろんリモコン、リモコンホルダーも付属している。
本体の全体的なデザインは、ベースと支柱で構成される一般的なリビング扇そのもの。だが本製品の大きさは270×270×550・610・670mm(幅×奥行き×3段階高さ)と、とてもコンパクト。充電池を含む質量は約3.2㎏で、一般的なリビング扇の約半分と軽い。
羽根径は18cmの3枚タイプ。アホウドリとアマツバメの翼を応用した、ハイブリッド・ネイチャーウィングを採用しており、径が小さいながらも力強い風量を生み出すという。
充電は簡単だ。本体に繋がれたACアダプターをコンセントに挿し込むだけでスタートする。充電中はベースの電池マークが緑色に点灯し、充電が終わると消える。もちろん、コードを繋いだ状態でも使用可能。
満充電までは約6時間。充電が開始された10秒間は、ベース正面に組み込まれた3つの白いLEDランプ(充電池残量/フットライト)が点灯し、充電池の残量が確認できる。スペック上では、フル充電時の使用可能時間は「最小風量で首振りなし」で最大約14時間、「最大風量で上下・左右首振りあり」で約2時間としている。
直進性の高い風と左右・上下の3D首振りで、風が部屋の隅々まで届く
操作は、本体またはリモコンの「運転 入/切」ボタンを押し、好みの風量を「強」「弱」ボタンで選ぶ。
風量レベルは8段階あり、細かく調節しやすい。約2m離れたところのそれぞれの風量の印象は以下の通り。
1) 僅かに空気の動きが感じられる
2) 柔らかなふわりとした優しい風が感じられる
3) そよ風のような快適な風
4) はっきりと風圧が感じられる
5) 汗ばんでいてもすぐに涼しさが感じられる風量
6) 一般的な扇風機の「中」程度の風
7) レベル6よりも更に強い風
8) サーキュレーターの「強」にも匹敵するほどの強い風
羽根の直径が小さいにもかかわらず、8畳の部屋の隅に置いても、風量に物足りなさは全く感じなかった。というのも、3m離れた場所にいてもレベル2の微風が感じられるほど、風がよく届く印象だったからだ。
しっかり風が届く上に運転音も静かだった。レベル1~3は、少し離れれば睡眠の邪魔にならないほど静か。風圧が感じられるレベル4~5でも、運転音はテレビなどの視聴の邪魔にならない程度だった。6レベル以上になってはじめて、うるさいと感じられる運転音になった。
風の強弱にリズムをつけて変化させる「リズム風」も、ボタンひとつで選択できる。本体・リモコンの「おやすみ」ボタンを長押しするだけと簡単だ。
首振り機能を使えば部屋中に風が届けられる。コンパクトな本体でも、風向範囲はダイナミックだ。左右首振りは90度、上下は50・100度の2種類択ある。上下の首振りを固定したい場合には、リモコンにある「上下風向」ボタンが便利だろう。水平、上向き60度、下向き10度の角度がダイレクトに選択できる。
左右・上下首振りを同時に行う3D首振りにすれば、部屋全体に風が送れる。風量に関わらず、首振りの速度は一定しており、ゆったりとした速度は落ち着きがある。作動音もとても静かだった。
リズム風と3D首振りを併用すれば、風が集中して肌に当たる事もないので、ずっと快適なまま運転し続けられた。
就寝中にも使ってみたが、時折頬を撫でるような風が吹いたかと思えば、天井からほんのりと舞い降りるような風もあり、自然のそよ風の中で眠るような心地良さがあった。
レベル1~2なら、風圧を殆ど感じないほど穏やかに空気が撹拌できるので、冷暖房の効率を上げるサーキュレーターとしてもおおいに活用できるだろう。
コードレスはとにかく便利! 一晩中運転できた
コードレスでの使用はとても簡単だ。ACアダプターを本体から抜き、ベース側面の「コードレスモード入/切」ボタンを1秒以上長押しすれば、ボタンのそばにある緑色のランプが点灯してスタンバイ状態になる。
その時、ベース正面の白いLEDランプ(充電池残量/フットライト)が点灯し、おおよその充電量を知らせてくれる。あとは普段通り、運転ボタンを押して、風量、首振りを選択すればよい。
コードレスモードを切るなら、同じくコードレスモードボタンを1秒以上長押しするだけだ。コードレスモードを切ることで、使わない時はリモコン操作の受信をするための放電を少しでも抑えられる。
気になるのはコードレスモードでどのぐらい運転ができるかだろう。製品の仕様では、コードレスモードは「最小風量で首振りなし」で最大約14時間、「最大風量で上下・左右首振りあり」で約2時間使用可能という。
そこで、その間を取って風量はレベル4・左右首振りのみで連続運転してみたところ、なんと6時間29分も運転し続けられた。
レベル4の風は長時間あたっているのは不快にさえ思えるほど強いので、1~3なら、一晩中でも運転し続けられるほど余裕があるだろう。普段の生活での使用範囲なら、充電池の容量は十分という印象だった。
コードレスというだけで、とにかく活躍できる範囲が大きく拡がる。
空調が届きにくいキッチン、空調が全くない洗面脱衣所はもちろん、デスクワーク、ダイニングテーブルそば、ベッドルームなど、床が平らな所ならば、電源を一切気にせずに身体の近くに持っていける。扇風機のためにわざわざ延長コードを用意する必要も無く、当然コードに躓くことが無いのは本当に快適だ。
なんといってもコンパクトで軽量なので、なんのためらいもなく気軽に使いたい場所に持ち出しやすい。また、ベースの直径が270mmしかないので、狭い所にも邪魔にならずに置けるのが嬉しい。
衣服のニオイ取り、部屋干しにも重宝する
冒頭にも記しているが、PJ-G2DBGは独自イオン「プラズマクラスター」搭載で、運転中は常にイオンを放っている。適用床面積の目安は約12畳。
普段からプラズマクラスターの風が放たれてはいるが、消臭を目的とするならば、本体・リモコンの「衣類消臭」ボタンが便利だ。ボタンを押すと、自動で風量はレベル8の連続風・左右首振り(上下首振りはなし)で運転が始まり、約2時間後に自動停止する。コードレスモードでももちろん選択できる。
しまいこんでいたジャケットに衣類消臭の風を当ててみたが、2時間後、たしかにニオイが消えていた。自動的に停止するので、出かける前にニオイが残りやすいベッドや、頻繁には洗わないカーテンの消臭にも利用しやすいだろう。
上下首振りを最大にすれば、風を真上方向にまで向けられるので、部屋干しにも活用しやすい。
なお、運転停止中に本体の「おやすみ」ボタンを3秒長押しすると、プラズマクラスターを強制的に「切」にできる。だが、一旦ACアダプターを抜いたり、コードレスモード使用中に充電池残量が無くなったりすると「入」に戻る。
タイマーやみはり機能、フットライトも便利!
一般的な扇風機と同様に、1・2・4・6時間の「入」・「切」タイマーももちろん搭載している。「入」は風量のレベルも選択できる。
単に設定時間後に運転が停止する「切」タイマーとは別に、「おやすみモード」も搭載されている。これは表示ランプの明るさを抑え、切タイマーと連動し(「切」ボタンで時間の選択ができる)、徐々に風量を弱めて自動停止させるモードだ。
また、熱中症対策に便利な「みはり機能(センサー運転)」も搭載されている。部屋の温度・湿度を検知し、ランプの色と音で知らせてくれる。運転中は温度・湿度に応じて風量をコントロールする。運転停止中でも機能が設定できる。熱中症を具体的に防止するものではないが、目と耳に直接知らせてくれる便利な機能だろう。
さらに、充電池残量を知らせてくれる本体正面のランプは、フットライトとしても利用できる。本体・リモコンの「上下首振り」ボタンを3秒長押しするとランプが常時点灯となる。この機能もコードレスモード時に利用できる。
さすがDCモーター。消費電力は軒並み低い!
消費電力の低いDCモーターだけあって消費電力は低い。ワットチェッカーで計測したが、風力レベル1~2は1Wで、十分涼しいレベル3でも2Wにすぎない。運転音がやや気になり始めるレベル4は3W、レベル5は4Wだった。
運転音が騒音になり始めるレベル6でも5W、レベル7で8W、最大時のレベル8でもまだまだ低い11Wだった。ACモーターの扇風機の消費電力は30~50Wと言われている点から、消費電力を間違いなく減らせるだろう。
左右首振り、上下首振りをすると、それぞれ1Wずつプラスされる。つまり、風量がレベル3で3D首振りを作動した時でも、消費電力はたったの4W。毎日16時間運転しても、1か月の電気代は55円にも満たない試算となった。
充電中は8Wの電力を消費する。運転しながら充電してみると、消費電力は単純に上記の値に8Wがプラスされた。
レビューのために製品を手にした時、「こんなに小さくて大丈夫かな?」と心配だった。ところが実際に使ってみると、風量や使い勝手に不満は微塵も感じなかった。
ACアダプターを繋いだ状態でリビングルームで使ったときも、風量は十分。部屋の隅に置いても、ダイナミックな3D首振りで風が隅々までよく届く。
そしてコードレスモードがとにかく便利! 電池切れをまるで気にすることなく、キッチンや洗面所に躊躇なく持ち運べる軽さも良い。火を使った料理中も足元から涼しく快適。風呂上がりに強めの風を当てれば汗もかきにくく、より一層の爽快感が味わえる。コンセントやコードから開放されるのが、こんなに快適だとは想像もつかなかった。
DCモーター扇風機の価格が下がりはじめた昨今、お高い印象は否めない。だが、すでに一般的な大きさのDCモーターのリビング扇を、4年前から気に入って使っている身でも、買い替えたくなるほどおおいに気に入ってしまった。DCモーターの扇風機の購入を検討している方には、イチオシでオススメしたい扇風機だ。