家電製品ミニレビュー

“使う喜び”を感じられるバルミューダの電気ケトル「BALMUDA The Pot」

 今回紹介するのは、扇風機やトースターでも有名なバルミューダの電気ケトル、その名も「BALMUDA The Pot」だ。ただのケトルと侮ることなかれ、この製品、「最高の注ぎ心地を目指した」という肩書きを持つ、11,000円の電気ケトルなのだ。インスタでもよく見かける、今話題の“オシャレな家電”! と意気込んで使い始めてみたのだが、この製品、やっぱり良い。細かなところまでよく考えられているなぁという印象だ。

バルミューダ「BALMUDA The Pot」
メーカー名バルミューダ
製品名BALMUDA The Pot
実売価格11,880円

 BALMUDA The Potは、本体容量600ml、消費電力1,200Wの電気ケトルだ。一番の特徴は、その形にある。シュッと伸びたノズルは湯切れがよく、狙ったところに欲しいだけきちんとお湯が落ちていく。特にドリップコーヒーを淹れる時にはとても便利だ。

 本体カラーは黒と白の2色で、今回は黒を選んだ。決して派手ではないが、カウンターやテーブルの上に置いてあると“道具”としての存在感がある。

 本体の機能としてはごく一般的。お水を入れて、本体を電源ベースの上に載せて、スイッチを入れると、お湯が沸くというものだ。

細くて長いノズルが特徴的
ノズルの先端は尖っている。水切りがよく、湯量も調節しやすい
本体上部
本体内部。中には水の量を示す線がついている
本体下部にロゴが入っている
電源スイッチ。電源ベースの上に本体を載せて、スイッチを下に下げる

 バルミューダは、扇風機やトースター、今回の電気ケトルのように、すでに世の中に普及している製品を“再開発”して売るのが得意な会社だが、実際に製品を使ってみると、ほかのメーカーにはない「丁寧さ」や「真面目さ」が感じられる。それは単なる世界観やストーリー作りのうまさだけではなくて、製品のディテールにきちんと現れている。

 例えば、本体と蓋の間にパッキンがあるので、しっかり密着するけど、金属がこすれ合う嫌な音がしないとか、ハンドルが持ちやすく、じっくり時間をかけてコーヒーを淹れても手が疲れないとか、電源のON/OFFの状態がハンドル部のライトの状態で確認出来るとか、電源ベースの裏にはコードを巻き取れるスペースがあって、コードは必要なだけ出せるなど……一つ一つは細かいことなのだが、全体のバランスがよくて、完成度の高い製品に仕上がっている。

ハンドル部が握りやすい
お湯を湧かしている間はハンドル下部のライトが点灯する
本体と蓋の間にはパッキンがあり、しっかり密着するが、金属がこすれるような音はしない
電源べースの裏側にはコードを収納できる

 私自身、大のコーヒー好きで、毎朝ドリップコーヒーを飲んでいるが、ドリップコーヒーは淹れる人や方法、時間のかけ方などで確実に味が変わる。同じ粉、同じ道具を使っているはずなのに薄くなったり、濃くなりすぎてしまったりする。BALMUDA The Potを使い始めてからは、おいしい珈琲を飲める確率が上がった。

狙った場所に欲しいだけのお湯を注げるので、ドリップコーヒーを淹れるのに最適

 一点だけ気になったのが、電源ベースに本体を載せた時に、本体がややぐらつくというところ。電源ベースに「カチャ」っとハマる感覚がなく、やや浮いているように感じるので、「きちんとセットされているかな」と不安になる。

 値段や容量を考えると、万人向けの製品ではないが、ドリップコーヒーを好む人にはお勧めしたい。

阿部 夏子