家電製品ミニレビュー
ツンデレロボ!? 日立のロボット掃除機「ミニマル」の実力をチェック
2017年1月16日 07:30
昨年末に発売された日立のミニマル。これまで沈黙を守っていた日立が遂にロボット掃除機をリリースした。メーカー曰く「開発に13年かかった」という。ん~、ちょっとかかりすぎじゃない? というツッコミはおいといて、早速筆者宅を掃除させてみた。
メーカー名 | 日立アプライアンス |
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製品名 | minimaru(ミニマル) |
型番 | RV-DX1 |
実売価格 | 73,543円 |
壁際に複雑な形状のものがなければキレイにお掃除!
いつものように部屋のあちこちに擬似ゴミを撒いて、きちんと掃除できるかどうかを確かめてみた。
結果はビミョー(笑)。部屋の中央部はチリひとつなく、ピカピカになっているのだが、ところにより掃除漏れもあったりする。ムービーを見てもらうと分かるとおり、壁際やコーナーは何度も繰り返して掃除するのだが、2回に1回は掃除漏れが出てしまう感じだった。
ただいつも取り残しがあるというわけでなく、次の写真のようにピカピカになるときもある。ミニマルはツンデレなのか!?
ミニマルの走行パターンは、まず部屋の壁際(輪郭)を回り、部屋全体の間取りを記憶しているようだ。ちょうど塗り絵の輪郭を塗ってから、中をランダムに塗りつぶしていく感じになる。そのため壁際に複雑な形状をした家具(ダイニングテーブルとイスなど)を置いている場合や、リビングとキッチンが廊下がつながって複雑な間取りになっている場合なども苦手だ。
輪郭認識がうまくできなくても、なんとかがんばって掃除をしてくれる。だが、掃除漏れがあったり、充電ステーションに帰れず行き倒れになっている場合もある。
クルッと回転! 脚まわりはキレイに掃除
一方ミニマルがその凄さを発揮するのは、テーブルやイスの脚まわり。部屋を走行していてテーブルやイスの脚を見つけると、その周りを上手にクルリと1回転して、キレイに脚まわりを掃除してくれる。
ルンバやルーロにも実装されている機能だが、ミニマルは足が速いのでクルン! とターンする姿にちょっと萌える(笑)。
またコーナーを見つけると、頭を3回ほど振り、隅に溜まったゴミをブラシで掻き出し吸い込んでくれる。直径が小さくブラシが長いため、隅っこに溜まりがちなホコリや砂ゴミをキレイに掃除できるのが特徴だ。
掃除時間は部屋の広さにより変わってくるが、およそ60分ほど。これは通常の「自動モード」を使った場合だ。「念入りモード」にすると、部屋の広さにかかわらず、およそ70分かけて掃除してくれる。なお広い部屋で電池切れしてしまっても、中断箇所から再開する機能などはついていない。
軽快に走るので家具への衝突が気になるところだが、赤外線センサーとバンパーセンサーの2つで前方の障害物を検出しているようだ。スイスイ走っていても壁が近くなると減速。そばに壁や障害物がある場合も減速し、赤外線センサーで捕らえられなかった小さいもの細いものはぶつかった瞬間バンパーセンサーで検知する。
そのため軽いゴミ箱のようなものでも、引きずらない点はよくできている。なお充電時間はおよそ3時間となっている。
ダストカップは小さいが圧縮機能でゴミ捨ての頻度を低減
他のロボット掃除機に見られない特徴は、掃除を終え充電ステーションに戻ると、吸引モーターをMAXで運転し、ダストカップのゴミを圧縮するという機能だ。
ミニマルはボディが小さいぶん、ダストカップも小型なので、掃除を終えるとゴミを圧縮して毎日ダストカップを掃除しなくても、吸引力を長持ちさせるという機能だ。ゴミ捨てのタイミングは本体にランプで表示されるため、捨て忘れることもない。
ゴミ捨ては簡単で、ダストカップを取り出して、ゴミ箱の上でフィルターのふたを開けるだけでいい。ゴミがふんわり固まりになっているので、スポッ! とゴミ箱に捨てられる。
チョイがけやタイマーにも対応、付属リモコンも重宝する
子どもが勉強したり、ちょっと作業をして机の周りが汚れてしまったという場合は、スポットモードが便利だ。掃除したい場所の外周にミニマルをセットしてスタートボタンを押すと、直径60cmの範囲をらせん状にぐるぐる回りながら、部分的にチョイがけができる。
なおタイマー運転は「今から何時間後に運転」をセットする方式で、1回限りの設定と毎日の繰り返し設定が可能。炊飯器のように「何時」という設定はできない。
ちょっと便利に使えるのは「おしえて機能」だ。本体にある「おしえてランプ」が点灯しているとき、「おしえてボタン」(スピーカーのアイコン)を押すと、「何モードで何分掃除をしたか」を音声で教えてくれる。また「おしえてランプ」が点滅しているときは、何らかのエラーが発生した場合を示している。
このときボタンを押すと、エラー内容などに合わせて何分掃除をしたかを案内してくれる。予約運転をしたあとや、行き倒れになっていたときに何が問題だったのかを解決するのに便利だ。
スマホとの連携機能などはないが、マッチ箱ほどの小さなリモコンが添付されている。腰を下ろして本体スイッチを操作しなくても済むので、足腰の悪い人は重宝する。
小さくて軽快だが、わずかな隙間に入って抜けられなくなることも
ミニマルの特徴は、その大きさと軽快さ。一般的なロボット掃除機の直径は小さいもので30cm、普通サイズだと35cm。そのためダイニングにあるイス(木製)の間を入ることができず、ダイニングテーブルの下は掃除できない製品が多い。テーブルの下を掃除できるように、「教室を掃除するときのように、イスを机の上に逆さまにして置く」というご家庭も多くあったという。
しかしミニマルは、ロボット掃除機としては超小型の直径25cmとなっており、たいていのイスの脚の間を抜けられる。しかも一般的なロボット掃除機に比べ、動きが機敏で足が速いのが特徴だ。
そのサイズゆえの問題もある。それは、狭い場所にもスイスイ入ってしまうため、迷路の奥に迷い込んでしまいがちなのだ。とくにハマリがちなのが、壁際に設置したダイニングテーブルの下。テーブルの脚4本に、セットのイスにも4本の脚があり。テーブルにイスを入れた状態で掃除すると、ミニマルにとってはかなり複雑な迷路となる。
しかも壁際にダイニングテーブルが置いてあると、壁際沿いに部屋の輪郭を認識中に、テーブル奥の迷宮に入ってしまい出られなくな手しまうことがあった。こうなると部屋の掃除も半ばで掃除が中断してしまい、さっぱり部屋の掃除が終わっていないということになる。
もしミニマルでうまく掃除ができないという場合は、ダイニングテーブルなど複雑な形の家具のレイアウトを変えてみたり、イスを1脚だけテーブルの上に置くといいだろう。
逆に言うと最初の壁際走行がさえうまくいけば、かなり部屋を丁寧に掃除してくれる。
段差やじゅうたんの乗り越えは、一般的なロボット掃除機と大差はない。キッチンマットなど軽いものは、回転ブラシに巻き込んでしまうので、テープで止めておくなどしておくといいだろう。
また隠れた特徴として、内蔵バッテリーの繰り返し利用回数が一般なものに比べ1,100回と、倍近く寿命が長い。通常はスマホと同様で毎日使うと1年半ほどでバッテリーの寿命になってしまうが、ミニマルは丸3年使える計算になる。
細かいことを言えば、ダストボックスとは別に本体を持ち歩くためのハンドルが欲しかった。普段使いではあまり持って移動することはないが、実験だと本体をあちこちに持ち運ぶ必要がある。そのためいつもダストボックスのハンドルを掴んで、本体を持ち上げようとして、ダストボックスをスポッ! と外してしまった。