家電レビュー

夕方ヒゲ気になる人に フィリップスの持ち運べるシェーバーは深剃りも抜群!

フィリップスの「コンパクトシェーバー 700シリーズ」を使ってみました

ヒゲの伸びが早いため、朝剃っても夕方には濃く生えてきてしまいます。取材などの外仕事の際に出先でシェーバーを使いたいのですが、現在使用しているメインのシェーバーは重く持ち運びに不向きなため、モバイルシェーバーの購入を検討していました。

そんな中、フィリップスから7月上旬にシェーバー700シリーズ「コンパクトシェーバー 700シリーズ」が発売されました。手のひらサイズの回転式シェーバーで、実売価格は29,700円。

一般的なポータブルシェーバーは構造がシンプルで小型なため、パナソニックのラムダッシュのように20,000〜40,000円の高額モデルも一部ありますが、主流は1,000円から10,000円程度の手頃な価格帯となっています。

本製品の高価格の理由は、48枚の回転刃とフィリップス最上位機種と同じシェービングシステムを搭載しており、圧倒的な深剃りが可能な仕様にあります。また、Qi規格対応ワイヤレス充電、お風呂剃り対応、鼻毛トリマー付属など、コンパクトながら多機能なのも特徴です。

実際に使ってみると本格的な深剃り性能を確かに実感できました。使い勝手や剃り心地を詳しく紹介していきます。

持ち運びのストレスを軽減する、細やかな配慮と機能

本体サイズは59×32×88mm(幅×奥行き×高さ)、カラーはクロームシルバー

デザインはスタイリッシュな印象。ボタンを一切使わずタッチセンサーを採用し、ロゴや表記も控えめで洗練されたフォルムです。

本体カラーはクロームシルバー(S793/06)、アッシュゴールド(S791/06)、チャコールグレー(S792/06)の3色展開で、販売店によって取り扱いが異なります。クロームシルバーは楽天など各種通販サイトでも購入可能で、高級感のある光沢が特徴。シルバーでありながら指紋がつきにくい点が好感をもてました。

手のひらに収まるコンパクトなサイズで、ポーチにも収納しやすいです。重量は文庫本1冊程度の150g。ポータブルシェーバーとしては少し重めで、プライベートな持ち運びで若干抵抗を覚えるものの、ビジネスシーンでの使用なら十分許容できる重さといえるでしょう。

付属の携帯カバーは薄型でかさばりにくく、マグネットで閉じる方式で開閉もラク
付属品。左から鼻毛トリマー、保護キャップ、本体、携帯カバー、クリーニングブラシ、充電ケーブル(充電アダプタは別売)

保護キャップ(フタ)はマグネット式で、本体にかぶせると吸いつくタイプのため着脱が簡単。持ち運び中にフタが外れてかばんの中を探す手間もありません。

また、外した保護キャップは本体の下部に装着できるので置き忘れる心配もなし。出先のトイレでヒゲを剃る際も洗面台に置く必要がなく、衛生的に使用できました。

外した保護キャップを本体下部に装着している状態
充電時間は充電ケーブル使用で約1時間、ワイヤレス充電パッド使用で約2時間

本機は、Qi(チー)規格に対応している極めて珍しいシェーバー。スマートフォンと同じ充電器が使えるため、コンセントの抜き差しの手間が減り、非常に便利でした。

ワイヤレス充電パッドでは約2時間でフル充電できますが、付属の充電ケーブルを使えば約1時間で完了します。また、クイックチャージ機能により、わずか約5分の充電で1回分の使用が可能なので、朝の忙しい時間にバッテリー切れに気づいても安心です。フル充電後の使用時間は60分。

また、シェービングユニットを付け替えるだけで鼻毛トリマーとしても使用可能。外出先で不意に出ている鼻毛にも素早く対応できるのは大きな利点です。

-0.08mmの圧倒的な深剃り性能

内刃には航空宇宙分野でも使用される強靭なスウェーデン製オーステナイト系ステンレス鋼を使用。外刃には低アレルギー性のサージカルステンレスを採用し、肌荒れを起こしにくい設計となっています。替刃交換は約2年に1回で済み、オイル注入も不要なため、メンテナンスが簡単です。

刃(シェービングユニット)は持ち上げるだけで簡単に本体から外せる

回転式で、肌へのやさしさと深剃りを両立した性能が特徴。外刃は従来機種よりも約10%薄く設計されており、ヒゲの根本近くでカットできます。また、スーパーリフト&カットテクノロジーにより、1枚目のリフト刃でヒゲを引き上げ、2枚目のカット刃でカットする仕組みを採用。一般的なシェーバーでは肌表面から0.04〜0.06mm程度のヒゲが残りがちですが、本機は-0.08mmという深さまで剃れると謳われています。これはほぼ剃り残しのない最高レベルの深剃り性能といえるでしょう。

さらに、合計48枚の回転刃が多方向のヒゲをキャッチします。4方向可動ヘッド採用で顔の曲線や凹凸にフィットし、密着することでアゴ下や首まわりの剃り残しを減らすことが期待できます。

モバイルでありながら、メインシェーバー超えの深剃り性能

実際にヒゲを剃ってみました。操作方法は簡単で、タッチセンサー式の電源スライドボタンを上方向に撫でると電源オン、下方向に撫でるとオフになります。誤作動の心配が少ない設計はよい点ですが、手が汗ばんでいるとスイッチが反応しにくいことがあります。反応するまで何度かスライドする必要があり、スムーズに使えないときがあるのは気になる点です。

溝の部分がタッチセンサー

表面はメタルな光沢があり滑らかですが、意外にも手になじむ質感で持ちやすいです。高さは88mmと名刺の長辺ほどあるため、つまむというよりもわりとしっかりと握れる設計になっています。さらに、通常のシェーバーと比べてグリップからヒゲまでの距離が近いため、狙った場所を思い通りに自然と剃ることができます。長時間使用すると指が少し疲れることもありますが、コンパクトサイズながら、使い心地は一般的なシェーバーに劣らない印象です。

保護キャップを被せた部分も含めて、しっかり握れる設計

そして、深剃り性能が本当にすごい。手持ちのモバイルタイプではないシェーバーを使用した後は、手で肌をなぞると多少のざらつきを感じていましたが、本機ではつるっとした仕上がりになります。しっかり剃れるのに、カミソリ負けで肌がひりつくこともなく、肌にやさしい印象です。また、顎下や首などの剃りにくい箇所も、さすがに何度か往復させる必要はあるものの、キレイに剃ることができます。

これまで使っていた電動シェーバーだけでは剃り残しがあり、時々カミソリで仕上げる必要がありましたが、この深剃り性能があれば、カミソリを使わなくても十分でした。

約1日ほど伸びたヒゲ
剃ったあと。もとがかなり濃いので多少色は残ります

一方で、あくまでメインのシェーバーとの比較ですが、スピーディーなカットにはそこまで向いていない印象。往復式のような手応えのあるゴリゴリ感はなく、筆者はヒゲが伸びるスピードが早いのもあり、1日経過したヒゲを剃り終えるのにかかる時間は8分程度でした。夕方の時間帯なら、さすがにヒゲが伸びすぎることはないので、少し伸びた毛をキレイに剃る外出用として非常に重宝します。

本体には防水加工が施されており、お風呂で使えるのも便利です。使用後すぐにシェーバーを洗えるので、お手入れの手間も覚えにくいでしょう。ただし、水中に完全に浸すことはできないので注意が必要です。

お手入れは、シェービングユニットの内部と外部をそれぞれぬるま湯か水で30秒ずつ洗い流し、水を切って乾かして本体に戻すだけ。ヒゲが刃にこびりつく感じがなく、非常にスムーズにお手入れができます

一般的なポータブルシェーバーは持ち運びに便利ですが、通常のシェーバーと比べると剃り心地が劣ります。しかし本機は深剃り性能に優れており、外出先で目立ち始める夕方のヒゲ処理にも最適です。肌の-0.08mmまで剃れる同等以上の性能のハイエンドモデルは50,000円〜100,000円程度と高額ですが、本機は29,700円で購入可能。手頃な価格で高性能な深剃り機能を求める方にも適していると感じました。

保護キャップを本体下部に収納できることやQi規格対応など、持ち運び時の利便性にも優れており、外出用として満足できる使用感です。コンパクトながら剃り速度も十分なため、自宅用としても兼用できました。

当初は外出用シェーバーを探していましたが、深剃り性能を体験し、メインシェーバーの買い替えも検討するようになりました。さらにスピーディーに処理したいため、同等以上の深剃り性能をもつフィリップスのハイエンドモデルへの買い替えを視野に入れています。

福永 太郎

フリーランスの編集者・ライター。ライフスタイル系メディアの家電記事の担当を経て独立。現在は複数のWebメディアに寄稿。