家電製品レビュー

いびきを可視化! 寝具の下に敷くだけの「Nokia Sleep」は睡眠改善につながるアドバイスも強化

 かつて、睡眠トラッキングデバイスであるWithignsの「Auraスリープセンサー」をご紹介しました。
 ▼本気で自分の睡眠と向き合いたい方におすすめの「Withings Aura」

 その後WithingsはNokiaに吸収されたものの、見た目も機能もブラッシュアップし、本年4月に「Nokia Sleep(ノキア スリープ)」として再登場! どんなところが変わったのかチェックしてみました。

スリープセンシング&ホームオートメーションパッド「Nokia Sleep」
メーカー名Nokia
製品名Nokia Sleep  WSM02-ALL-JP
価格(編集部調べ)14,990円

アプリで睡眠を採点。どうしたらいいのかがわかりやすくなった

 「Nokia Sleep」は寝具の下に敷きっぱなしにしておくだけで、自動的に睡眠をトラッキングしてくれるスリープセンサーです。「手首に何か巻いて寝るのは好きじゃない」、「活動量はスマートフォンやスマートウォッチでチェックしているので、睡眠だけ測りたい」という人に向いた製品です。Withings時代は、光と音で入眠と起床をサポートする「Auraベッドサイドデバイス」とセットで売られていましたが、現在は単体で販売されています。

本体と電源用のアダプタだけというシンプルな構成

 胸の下に位置するように寝具の下に敷いておくだけという基本コンセプトは変わりません。しかし、従来の睡眠時間や深さ、就寝中の心拍数といった情報に加え、このモデルでは「いびき」の有無と強さもグラフで可視化できるようになりました。さらにIFTTT(後述)との連携も大きな特徴となっています。

センサーなどが入っていると思われる部分は厚みがありますが、寝具の下に敷いているのでまったく気になりません
Nokiaにはアナログ時計タイプで睡眠も記録できる活動量計「Nokia Steel HR」がありますが、「Nokia Sleep」は寝るときだけ活躍します

 まず外観ですが、見た目がかなりスタイリッシュになったなという印象を持ちました。薄いグレーでおしゃれです。

 ただし本体はシート上ですし、そこからケーブルが伸びているだけ。外観からその機能を推し量ることはできません。そのあたりは専用アプリ「Health Mate」でチェックできます。Wi-Fiで自動同期するので、アプリを開いてからデータ表示で待たされることはありません。

上が「Auraスリープセンサー」、下が「Nokia Sleep」
胸のあたりに来るように置くだけです

 そのアプリ「Health Mate」も進化を続けています。睡眠時間や眠りの深さを表すグラフや心拍数の変動だけでなく、「睡眠スコア」として眠りの質を数値化し、持続時間、深さの善し悪し、日々の睡眠の規則性、中断回数、眠るまでの時間、起きるまでの時間を表示します。

専用アプリ「Health Mate」のホーム画面
眠りの深さだけでなく、全体を「睡眠スコア」として評価してくれます
これなら自分の眠りを評価しやすいですね
心拍数の変動と、いびきも記録してくれます

 一見地味な進化なのですが、より自分の睡眠を客観視できるようになったうえ、全体的に説明やアドバイスも増えて、具体的な行動に移せるようになったという点で、大いに評価できます。この手のトラッキングデバイスを使った結果、グラフを見せられても良いのか悪いのか分からない、問題ありそうだけどどうしたらいいのか分からない、という声は結構あるからです。

 たとえば、過去7日間の規則性を見たとき、体内時計の一貫性が大事だといい、グラフの棒をそろえるようにしようとアドバイスしています。眠るまでの時間を見ると、良い就寝時間にむけて何をすべきかが具体的に記されています。

 要するに毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる習慣をつけましょうということで、やれることも非常にスタンダードなのですが、昼間に眠気を感じたり、パフォーマンスに疑問を感じたとき、改善できるポイントが分かるというのはいいことなのです。

心拍数の変動。この日ピークが高いのは、かなり飲酒したせいと思われます
新たに計測できるようになった「いびき」項目。残念なことに、いびきをかくようになっていました
「深さ」の評価。はっきり言ってくれるので分かりやすいです
「規則性」は寝ている時間のバラツキが一目瞭然になります。アドバイスも必読
中途覚醒の回数もしっかりカウント。コメントも読む価値があります
入眠にかかった時間も分かります。普段は10分ほどで眠るのですが、この日は飲酒し楽しい時間を過ごしたあとだったため、やや興奮状態にあったようです
原稿の〆切りで緊張していると、どうしても眠りの質が落ちる筆者。緑色の日が増えるよう気をつけたいところ

IFTTTと連携。スマートホーム化にも使える

 新しくなった点がもう1つ。それはIFTTT(イフト、IF This Then That)との連携が可能になったことです。IFTTTとはプログラミングなしで、さまざまなWebサービス同士を連携できるサービスのこと。

 「Nokia Sleep」でIFTTTを使うと、たとえば起き上がったら電気をつける、空調機のスイッチを入れる、横になったら電気を消すといった連携が可能になります。

 設定するには、アプリ「Health Mate」の「マイデバイス」で、「IFTTTを設定」をタップ。すると「Nokia Sleep」で利用できる機能がリストアップされます。あとはIFTTTにログインしてNokia SleepとIFTTTを連携させたら、使いたい機能を選ぶだけ。

IFTTTを活用するとスリープセンサーを使ってスマートホームを実現できます

 今のところ連携できる製品はまだ限られているようですが、日本国内ならPhilipsのワイヤレス照明システム「Hue」があります。

 実際に設定してみたところ、ややタイムラグがあり、上手くいかないこともありましたが、ふとんから出たら照明がつき、横になったら消えるといった連携が可能になりました。

 このほかにふとんに入ったら電話をミュートする、ログをGoogleスプレッドシートに記録するなどの機能もあるので、使ってみると楽しいと思われます。

アプリで「IFTTT」の設定画面に入ったところ
まずはHueを使った照明のコントロールからトライ!

まだ進化しそうな予感がする製品

 そのうち、なんらかのデバイスと連携して、いびきを検知したら寝返りをうながすなんてことも可能になるかもしれません。Nokiaには同じくWi-Fi接続可能な体組成計や、アナログ時計型の活動量計もあるので、そのうちすべてのデータをもとに、体脂肪率が増加すると睡眠の監視が厳しくなるなんてことも考えられます。

 まだ部屋の鍵はデジタル化されていませんが、そのうちベッドに入ったら家中の施錠を確認してくれたりすると便利だし、安心。そういう意味でも、使っていて将来スマートホーム化に欠かせないデバイスになるのでは、と想像してワクワクします。

 睡眠のトラッキングにとどまらない「Nokia Sleep」、おすすめです!

すずまり