家電製品レビュー
その風、まさに新感覚! カラダをやさしく包み込む清浄された涼風・温風が心地良い
2018年7月10日 06:30
まるで包み込まれるような不思議な心地良い風を生み出す、デロンギの「空気清浄機能付きファン HFX85W14C」。常に清浄したクリーンな空気で涼風と温風を生み出し、風に長時間あたっていても負担の少ない快適な空気を提供する。
メーカー名 | デロンギ |
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製品名 | 空気清浄機能付きファン HFX85W14C |
価格(編集部調べ) | 58,696円 |
最も特徴的なのが、今まで体感したことのないような心地良い風を生み出す事だろう。ファンの風がダイレクトにあたるものと違い、本製品は「3Dコンフォート・エア・テクノロジー」採用し、不快な渦やムラを解消した均一なやさしい風を生み出すという。
しかもその風はクリーン。本体内部に、PM2.5(直径2.5µm以下の微小粒子状物質)の有害物質まで99%除去するフィルターを備えており、常にクリーンな空気だけが涼風・温風となって送り出される。もちろん排気ガス、アレル物質、カビ、花粉、バクテリア除去にも有効だ。
スリムな本体にテクノロジーが凝縮
本体の大きさは270×270×850mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約7.2kg。高さはあるが、場所を取らずにスッキリと収まりよく置ける。
特徴として前述した3Dコンフォート・エア・テクノロジーとは、気流が物体に引き寄せられ、物体に沿って流れる「コアンダ効果」を応用したものだそうだ。
その仕組みは一般的な空気清浄機や扇風機、エアコンとは大きく異なる。本体上部から吸い込んだ空気をフィルターで洗浄し、本体内部から背面へと送り出され、背面パネルに一度ぶつける。その気流は背面のスリットのような、左右に分かれた送風口から吹き出し、本体側面に沿いながら前面へと送り出される。左右の2つの気流は、なんと本体の正面でぶつかり合い、不快な渦やムラを解消したやさしい風になるというものだ。
空気を清浄するフィルターの大きさは130×150mm(直径×高さ)で、本体内上部に取り付けてある。本体上部のフタを開けると簡単に取り外しができ、手入れは週に1度、フィルター表面のホコリを掃除機などで吸い取る程度でOK。1日8時間の使用で約9カ月間使い続けられる(交換フィルターは4,980円(税抜)で、8月1日発売予定)。
風の元となるファンは直径約9cmの9枚羽で、消費電力の低いDCブラシレスモーターが採用されている。
外側からはわかりにくいが、スリムな本体に快適さを求めたテクノロジーがギュッと詰まっているのだ。
操作はとても簡単
コムズカシイ話はさておき、操作はとても簡単だ。リモコンにはピクトグラムが描かれているのでわかりやすい。電源のON/OFFは本体でも操作でき、最後の設定が呼び出される。電源ボタンの下が運転モードや設定を表示するディスプレイだ。本体にはリモコンの収納部も備わっている。
涼風モードは、風量のみ10段階で設定できる。温風モードの風量は6段階で、ここに10〜28℃まで1℃刻みの温度設定が加わる。温風モード時のみ、温度と電力を自動的に設定し、消費電力量を抑える「エコ運転」ができる。
また、涼風・温風運転にかかわらず、首振り、風向きの調整、30分〜12時間までの7段階のタイマー機能を搭載。
操作毎にディスプレイに表示されるが、表示された数字や文字は数秒で消え、普段は電源と涼風/温風マークしか点灯しないので、見た目もうるさくない。
長時間当たっていても疲れない風にビックリ
とにかく使ってみて、その風の質に驚いてしまった。言葉ではなんとも形容し難いのだが、風の広がりや届き方が独特なのだ。
本製品と膝を突き合わせるように、真ん前に正座して風量3で運転すると、風はお腹あたりに直接当たる。1mも離れると、正座した全身に風が広がり、2m離れると椅子に腰掛けた足元から顔まで風が感じられるほど広がった。しかも、距離が離れても風量の変化がほとんど感じられないほどよく届く印象だった。
さらに言うと、身体に一旦当たった風が、身体の上を這うように広がり、まるで風に包まれるような感覚を覚えた。それは、今までの扇風機では味わったことのない類の風だ。
それを可視化するべく、高さ90cm、幅2.4mの棚に薄紙を貼り付けて、風の様子を動画撮影した。
棚の右端に本製品を置いて、風量を0→1→2→4→6→8→10の順に運転した。本製品の側の薄紙はさほど動かないのに対し、80cmぐらいから薄紙が揺れ始め、棚の左端まで風が届いていく様子が確認できた。風量にかかわらず、薄紙はぐるぐると回転もせず、素直に風にたなびいているのが印象的だ。
しかも、風は物に当たると這うように素直に広がる。本製品を約1.5m離れた棚の真正面置いて風量4で運転したが、風が棚に当たると、風はまるで棚を伝うように、周囲へとふわりと拡散するのがわかる。
首振り機能を使えば、さらに風は広範囲に広がる。首振りの選択は1択で、角度はせいぜい45度ぐらいだが、2.4m幅の棚の端から端までしっかり風が広がった。風向きは、H(上向き)とL(下向き)の2択があり、椅子に座るならH、床に直接座るならLと使い分けられる。
仕事中に数時間続けて涼風に当たったが(風量2〜3・連続首振り)、快適さがずっと続いた。まるで窓からの自然な風が吹くような、ふわりと包み込まれるような、時にはすり抜けるような風がとても心地良い。身体の一部に集中して当たらないので、不快な冷えも感じられず、運転しているのを忘れるほどだった。
また、温風運転も試したが、同じようにやさしい暖かな風がよく届く。2m離れたところに座っていても、暖かな風がふわりとやさしく届き、身体全体が柔らかく包み込まれるような心地良さを実感した。小さな部屋なら全体暖房、広い部屋なら補助暖房として気持ち良く利用できるだろう。
運転音はさほど気にならず、消費電力が低い!
前述の動画で気づいた方もおられるかもしれないが、小さなファンを高速回転させるため、運転音は一般的な扇風機と異なる。1〜3は僅かな「ウィーン」という音、風量4〜6は風切り音がはっきりと聞こえ、風量7以上(温風モード時は風量6まで)になると、風切り音にキーンという機械音が混じってかなりうるさい印象だ。
とはいうものの、普段の生活なら風量1〜4で十分に快適な風が感じられるだろう。運転音が多少聞こえても、会話やテレビ視聴には特に支障のない程度なので、使い始めてすぐに生活音の一つとして紛れ、気にならなくなった。風量3を就寝時に扇風機代わりに使ってみたが、いつもと変わらずに入眠できた。風量7以上は、できるだけ早く空気清浄を行ないたい時が出番だろう。なお、部屋全体の空気清浄能力は9畳としている。
また、DCブラシレスモーターを採用しているため、消費電力がとても低い。ワットチェッカーで計測したが、風量1はたったの2.6Wで、普段使いには少々うるさい風量6でも9.0Wに過ぎない。消費電力が軒並み低く、毎日8時間使っても1カ月の電気代は僅か。また首振り運転にすると、風量それぞれの消費電力に2.4Wが加算された。
風量 | 消費電力 | 1カ月電気代 (1日8時間稼働) |
---|---|---|
1 | 2.6W | 16円 |
2 | 3.4W | 21円 |
3 | 4.3W | 26円 |
4 | 5.4W | 33円 |
5 | 7.1W | 44円 |
6 | 9.0W | 55円 |
7 | 12.1W | 74円 |
8 | 16.0W | 98円 |
9 | 21.3W | 131円 |
10 | 28.6W | 175円 |
レビュー時は室温が高い7月ゆえ、温風運転時の詳しい消費電力の計測には向かない。とはいうものの、温風を最大の28℃・風量6に設定した時、消費電力は1,450Wに達したが、設定温度を1度下げるごとに、1,321W(27度)、1,269W(26度)と、消費電力が瞬時に変化する。
また、エコ運転に切り替えると、ただちにファンの風量は自動で抑えられ、内部のヒーターが停止したのか、消費電力は3.0Wになった。季節外れの計測ゆえ、あくまでも参考程度だが、その反応の良さが実感できた。なお、待機電力はたったの0.5Wだった。
使ってやはり印象的なのは、本製品から吹く風が他では味わえないほど本当に心地良く、長時間風にあたっていてもずっと快適が続く点だ。しかも、空気清浄機能で風が常にキレイという点も大いに魅力的だ。年間を通して生活を快適に保つ空気清浄機能付き涼風・温風ファンとして、検討してはいかがだろうか。