暮らし

【始めよう薬膳レシピ2】力が付く「鶏肉のソテーのミカンソース和え」

寒さが続き、弱りを感じやすい時季ですね。今回は、体への作用が優しい「鶏肉」や「ブロッコリー」に、風邪予防や美容の助けになる「ミカン」のソースを合わせた、蓄積疲労を解消するソテーのレシピをご紹介します。「鶏肉」と「ブロッコリー」は、それぞれに疲れを解消する作用があって、胃腸への作用も穏やかなので、お子さんも食べやすいですよ。味付けに使う黒コショウ(コショウ)は、体を温めて寒い時季に合います。

 

「鶏肉のソテー」の食材効果

調理がとても簡単な「鶏肉のソテー」です。今回は疲れを取るパワーのある「鶏ムネ肉」をソテーにしました。付け合わせの「ブロッコリー」は、胃に優しく、鶏肉と同じで体質を選ばず食べられる食材ですよ。またソテーに和えるミカンソースは、塩分を入れていないので血圧が上がりにくく、「ミカン(柑橘類)」の「ビタミンC」が、「タンパク質」に含まれる「鉄分」を体に摂り込みやすくしてくれます。甘い味付けのソースですが、辛味を足したいときは、「おろしショウガ」を加えるのがおすすめ。ショウガのパワーで血流を促進して、体がポカポカに!そして「ミカン」は、そのまま食べても風邪予防になり、お肌の新陳代謝を促す食材。実は料理にも使えて、用途は意外に多いのでぜひお試しを。それでは、材料と作り方を一緒に見ていきましょう!

 

「鶏肉のソテー」と「ミカンのソース」の材料 (2人分)

<鶏肉のソテー>
鶏ムネ肉:300g
オリーブオイル:適宜
塩:少々
黒コショウ:適宜
ブロッコリー:1個

 

<ミカンのソース>
ミカン:3個
ハチミツ:大さじ1
きび糖:大さじ2
(または黒糖、シロップなど)

 

「鶏肉のソテー」の作り方

1.ブロッコリーは小房に切り分け、蒸し器で蒸すか茹でておきます
2.鶏ムネ肉を食べやすい大きさに切り分けて、塩、黒コショウを振ります
3.フライパンへオリーブオイルを引いて、鶏肉を弱火~中火で焼きましょう
4.両面が焼けたら、塩、黒コショウで味を整え、ブロッコリーとソテーを器へ盛って完成です


鶏肉は焼き過ぎると固くなってしまうので、焼き加減を調節したり、余熱で加熱しましょう。またお子さんや、逆上せ(のぼせ)が強い方は、調味に黒コショウを使わなくてもよく、ソテーが得意でない場合は、茹で鶏にしても大丈夫です。

 

「ミカンのソース」の作り方

1.ミカンの外皮を剥いて、実を取り出し、袋や白い筋も一緒に包丁で細かく刻むか、ミキサーに入れてすり潰します
2.細かくしたミカンを果汁ごと小鍋などへ入れて、ハチミツ、お好みの砂糖を加えて、さっと煮ます
3.盛り付けたソテーとブロッコリーの上へ、ソースを掛けていただきましょう

 

<ソースにとろみを出したい場合>
とろみのあるソースにしたい場合は、煮る段階で「レモン果汁」を加えましょう。家にあれば、代わりに、「ペクチン」を使ってもいいですね。

 

サラッとしたソースがお好きな方は、ミキサーなどを使って、滑らかになるまですり潰してみてください。またミカンのエキスが少ないときは、水50ccを加えて煮込みます。糖分をやや多めにすると、お子さん向きの味付けに!ソースの濃さや味付けは、みなさんのお好みで調節してみてくださいね。

 

薬効1「鶏肉」

鶏肉は薬膳で「平性」~「温性」の食材なので、やさしく滋養を補えて、どの体質の方でも力を付けやすいですよ。赤ちゃんの離乳食にも使うほどなので、消化しやすいのも嬉しいポイント。また鶏のムネ肉には、「イミダゾールジペプチド」が含まれて、疲労回復の効果が高いとされるので、抜けない疲れ(【不調の薬膳19】でもレシピ紹介)を感じる方におすすめです。

 

薬効2「ブロッコリー」

「ブロッコリー」も「鶏肉」と同じで、胃に優しく、疲れを和らげる食材の1つ。またブロッコリーの「ビタミンC」は火を通しても壊れにくいので、料理にも使い勝手が良いです。栄養素は、「ビタミン類」以外に「βカロテン」「カリウム」も含むので、ブロッコリーを付け合わせにするだけで、体バランスを整えやすくなります。さらにブロッコリーは、芯まで栄養素たっぷりなので、火を通した芯を厚めに刻んで酢醤油やポン酢に漬けておくと、お漬物のようなシャキシャキした歯ごたえを楽しめるので、お試しくださいね!

 

薬効3「ミカン」

「ミカン(蜜柑)」は、「ビタミンC」を豊富に含むので、風邪予防はもちろん、美肌の土台になるコラーゲンを生成するのにも役立ちます。また優しい酸味で消化を促すので、食欲がないときもどうぞ。そして袋や白い筋には、「ヘスペリジン(ポリフェノール)」が含まれています。抗酸化力のある「ポリフェノール」は、老化の原因になる活性酸素を除去したり、高血圧を予防して生活習慣病の対策にも。みかんを食べるときは、外皮以外を丸ごと摂るのがおすすめですよ!

 

調味料の効果も味方に!

今回は、ミカンのソースでいただく「鶏肉のソテー」をお送りしました。鶏肉を焼くときに使った黒コショウ(コショウ)は、食欲を高めるほか、「温熱性」なので体を温める作用もあります。またソースに使用した「ハチミツ(蜂蜜)」(【不調の薬膳19】まとめ)には不眠を和らげる効果があり、適度な糖分で疲れを取ってくれます。通常で使うのは、お宅にある砂糖で大丈夫ですが、「ミネラル」の摂取や、自然に近い甘さに関心のある方は「黒砂糖」や「きび糖」(【不調の薬膳10】食材紹介)もお試しくださいね!

 

 

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。