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シャープ、フクロウの翼応用サーキュレーター 静かな大風量

プラズマクラスターサーキュレーター「PK-18S01」

シャープは、プラズマクラスターサーキュレーター「PK-18S01」を4月18日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は24,000円前後。

最大30畳までの室内の空気循環を可能にする大風量と、やさしい運転音を両立したDCサーキュレーター。フクロウの翼の断面形状を応用した新開発ファン「ネイチャーウイング」を採用する。なお、サーキュレーターの発売は同社初。扇風機を含むファン市場において、冷暖房の補助などでサーキュレーターの需要が今後も伸びると見ており、高付加価値ながら価格を抑えたモデルとして提案する。

フクロウの翼を応用した新開発ファン「ネイチャーウイング」

ネイチャーウイングは、フクロウの翼が大きな膨らみによって高い揚力を実現し、後方のフチの形状で風の勢いを強化することから、ファンの断面にふくらみをもたせた。これにより、夜間狩猟の際に静音飛行するフクロウの羽ばたきのようなやさしく力強い風を効率的に生み出すという。

さらに本体内部の風路設計とらせん状の前ガードにより風速を高め、直進性のある風にすることで、遠くまで届く大風量の風を実現。吹き抜けなどの大空間もスピーディに空気循環できるとする。

静音飛行が得意なフクロウの翼の断面形状を応用。羽根にふくらみをもたせている
風速を高める設計
10m先まで届くパワフルな風を実現している

静音性にもこだわった。騒音値レベルを抑制するだけでなく、低い周波数帯域で発生しやすい耳障りなピーク音を抑えるため、余計な風切りや振動のノイズができる限り発生しないようにしている。

騒音値レベルと不快音の両方を抑える

運転音は22~49dB。風量7設定時は44dBでリビングでの会話を妨げず、就寝時は風量4設定にすれば34dB以下の静音運転で快適に過ごせるという。

最大風量時の音を聞き比べてみると、53dBのサーキュレーターと49dBでの本機では明らかに後者が静か。4dB差という数字で見るより大きな違いが体感できた。

騒音値の比較。後に運転させたシャープ製品のほうが静かに聞こえる

運転モードは「連続/リズム/おやすみ/衣類乾燥」の4種類。風量は10段階で調節できる。1~9時間の入/切タイマーも用意。

自動首振り範囲は上下140度/左右120度で、上下左右を組み合わせた3D(立体)送風にも対応する。下方向にも大きく傾けられるようにすることで、棚の上などに設置しても快適な送風が可能。

上下左右を組み合わせた立体首振りが可能

同社最高濃度の「プラズマクラスターNEXT」を搭載(イオン濃度50,000個/cm3)。部屋干し時の生乾き臭を抑えて乾かせるほか、ペットや料理、汗などさまざまなニオイを消臭するという。

ニオイ成分を染み込ませたシャツに数分送風するだけで、何もしなかったものと比べてニオイがほとんど気にならなくなった

このほか、サーキュレーターは床に近い位置や細かい繊維が舞うサニタリールームで使われることから、メンテナンス性にも配慮。前後のガードとファンは工具不要で取り外すことができ、各パーツは水洗いに対応する。またファンには抗菌加工を施した。

パーツは工具なしで分解可能

デザインは、暮らしに馴染むファブリック調の凹凸仕上げを採用。多彩な首振りを可能にするフローティングファンのデザインは、送風部に浮遊感を持たせ、製品のアクセントになっている。

またインテリアトレンド調査の結果から、リビングなどではグレーを基調とした落ち着きのある空間への関心が高まっていることから、本体カラーにはアッシュブラックとライトグレーをセレクトしている。

本体サイズは253×197×329mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.6kg。電源はAC100~240V(50/60Hz)。消費電力は21W。リモコンが付属。リモコンは本体操作パネル上のマグネット部に取り付けられる。

ファブリック調仕上げを採用。写真はライトグレー
アッシュブラック
リモコンは本体にマグネットでくっつけられる

扇風機となにが違う? コロナ後にサーキュレーター定着

サーキュレーターと扇風機は「送風する」点では同じだが、前者は直進的な風で空気循環を促し、後者は広がりのある風で直接浴びて涼むといったのが主な用途だ。

しかし同社の調査によると、サーキュレーターを扇風機代わりにしたり部屋干しに使ったりしている場合もあり、実際には多用途に使われていることがわかったという。

サーキュレーターの風量やコンパクトさが長所として見られている一方で、「ホコリがたまりやすい」「音がうるさい」といった不満点も挙げられていた。新発売の「PK-18S01」はこれらのデメリットを解消したものとなる。

サーキュレーターが生活のさまざまなシーンで活躍している

サーキュレーター自体は数十年前から市場にあるものの、コロナ禍で換気が推奨されたことで一気に注目された。その後も電気代の高騰により、節電のための冷暖房の補助として引き続き需要が伸びている。同社は、2024年度のファン市場(扇風機とサーキュレーター)の構成比では、サーキュレーターが4割にまで達すると予測。

そのような状況下で、今後は特に若い世代の動きを中心に、サーキュレーターがファン市場の軸になっていくと見ており、高付加価値商品でありながらも手に取りやすい価格にこだわったとしている。

空気循環が主だったサーキュレーターも、2024年度には市場の4割に達する見込み