藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

上履きの汚れにモフモフヘッドの「バスボンくん」がイイ!

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
山崎産業「バスボンくん シューズブラシ 抗菌」

いよいよカウントダウンが始まった。

筆者の「小学生の母」としての時間は、残すところ約1年。2023年の3月にゴールを迎える。ちなみに小学生の母を開始したのは2009年の4月で、そこから4歳違いの3姉妹が時間差で小学校に入学して今に至る。2009年4月に入学した長女は今年で成人だ。

つまるところ、あと何回上履きを洗うのだろう。わが家では主に衛生面での懸念から、基本的に上履き洗いは母の仕事であり子供にはやらせていない。そしてわが家の娘たちは中学に入学した途端に上履きを滅多に持ち帰らなくなり、高校時代は3年間一度も洗わないまま卒業式のあとゴミ箱に捨ててきたと報告され、母は天を仰いだものだ。

上履きというものの存在意義についてはいろいろ思うところがある。学校によってはズック靴ではなくいわゆる便所サンダルを使っているところもあると聞く。賢い選択だと思わざるを得ない。

ともあれ小学生の上履きについては、「無駄であってもなるべく白くあれ」と願う筆者である。これは親の務めとしてではなくただの趣味として。ただ願うほど簡単でないのが上履きを白くする作業だったりする。

先日、これでいくつ目の「シューズブラシ」か分からないが、懲りずにまた新しいのを導入した。それが山崎産業の「バスボンくん シューズブラシ 抗菌」だ。

靴洗いの道具、シューズブラシというもの。手近な100円ショップにも多種売られているものであるし、そもそもそういう道具は使わず古歯ブラシ一択という意見も多い。

不足や問題がないなら正直どんな道具でもいいと思う。正解はない。家事道具や洗剤に凝るというのも、言うなれば娯楽の範疇だ。しかしいかに瑣末であろうことにもうっかりベストを尽くしてしまう、ものづくりの工夫やら新たな知見を得るというのは、なかなか悪くない体験であり、筆者はそういうのが好きなのだった。

あざらしマークが目印のあのバスボンくんシリーズだけあって、このブラシは他製品に比べて圧倒的にヘッドがモフモフしているのが特徴的である。なので使う前から予測できるのが、微細な泥砂汚れへの効果だ。小学校の上履きというもの、なぜか上履きと言いながらほぼ外履きに近い泥の沈着量におののく。さして動きの激しくない高学年女子においてもそうなのだから低学年においては言うまでもないだろう。

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最近の筆者の習いとして、持ち帰られた上履きの靴底は消毒剤で軽く除菌し、シャワーで全体をすすいだあと、バケツに汲んだ40℃ほどの湯に洗濯用洗剤を濃いめに溶かしたところに半日漬け置く。そうしてから靴用洗剤を併用しつつ、こすり洗いをしていく。浮き上がる泥、皮脂、その他。無心になってこする。

……ああ、思った通りだ。このモフモフブラシは繊維に入り込んだ微細な泥にリーチしている……。

そこはかとなく湧き上がる満足感にニンマリ。敷きがわ部分、つま先、かかと。グリグリこする。靴底にはりついていたご飯粒の固まったっぽいのも付属のヘラで剥ぎ落とし、どんどんこすりあげる。そして、ざぶさぶと、すすぐ。

ベランダに干して乾かす。薄黒かった本体は真っ白ではないもののかなりの白さを取り戻し、匂いも澄んでいる。

「見て! 見て! 上履き! お母さん、がんばったでしょー!」

と、つい、大声で報告してしまう。

「あ、ほんとだ。白いね! ありがとう!」

末の娘は5年使ってすっかり色褪せた上履き袋にその上履きをしまい、微笑んだ。

あぁ、楽しい……。

まだまだがんばらなくっちゃ!

モフモフのブラシ
ソフトな毛は抗菌仕様のポリプロピレン製
藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして21年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、大1、中3、小5の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。