藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

立ったまま風呂掃除できるブラシ「ユニットバスボンくん 抗菌 ロング」

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
山崎産業「ユニットバスボンくん 抗菌 ロング N-AL」

ここ数年……毎年毎年「今年の冬は特別寒い」と思う。「去年までの寒さとはどうも違う」。そして「地球温暖化とかウソで本当は氷河期に近づいているのでは?」と疑う。しかしのちに平均気温を確認すると去年までと大差ないのでガッカリする……のを繰り返している。

それにもかかわらずだ。今年の冬も寒い!!! 筆者は身体を縮こまらせながら日々、イヤイヤ風呂洗いをしていた。

ちなみに筆者的に「風呂洗い」というのは、浴槽の残り湯を抜いて浴槽だけ洗ってすすいで次回の入浴に備えることである。「風呂掃除」という場合は風呂洗いのみならず洗い場床、風呂椅子、風呂蓋、洗面器その他にまで手を伸ばした場合であり、深度に応じて「少々」「念入り」と表現する。

で風呂洗いだ。浴槽に洗剤を噴霧し数分おき、おもむろに風呂掃除用スポンジを掴んで浴槽内に侵入しゴシゴシやるのを習慣としており、ここ20年ほどこのスタイルを貫いていた。一度、妊婦時代に横着して浴槽外から手を伸ばし、バランスを崩して頭から転落、えらい目に遭った。以来、まじめに浴槽に入って掃除をすることにしていたのである。

だが正直これがラクな作業ではない。まずスポンジを手に取るだけで冬は冷たくて気持ちが萎える。浴槽内で必ずしゃがむので、丈の長いカーディガンなど着ている日にはたくし上げるだけで難儀である。ワイドパンツなど履いたままでは掃除できない。家族に掃除を振るとその場で服を脱ぎだす始末(本人なりに何か経験したことがあるのだろう)。たかが風呂洗い、されど風呂洗い。わが家ではこれまでさしたる抜本的改革なしにここまで来ていた。

しかし。

年明け、別件での商品探索のため近隣のホームセンターに赴き、端から端まで検分している中で、これまで使ったことのなかった「バスボンくん」がふと目に入った。アザラシ風味のキュートなパッケージ。「ロングサイズ」というのに妙に惹かれた。

一度売り場を通り過ぎた後、思い直して戻ってきてカゴに入れた。ロングサイズなのでカゴからだいぶんはみ出たが、その時点で筆者には確信があった。

これは使えるはずだ……。

案の定、帰宅して速攻、風呂の湯を抜き、いつも愛用している「花王 バスマジックリン スーパークリーン」を数プッシュ、即座に買ったばかりの「ユニットバスボンくん 抗菌 ロング N-AL」を浴槽に差し入れ、ヘッドのフサフサで浴槽壁をゴシゴシする。

するといい塩梅に泡が立って、垢じみた喫水線汚れがスルスル落ちていく。これはいける……!!

こちらの姿勢は腰を折ることもなく仁王立ちのまま、サクサクと浴槽ゴシゴシが終わり、シャワーで「バスボンくん」のヘッドをすすぎつつ浴槽全面の泡も流した。

置き場に一瞬迷った「バスボンくん」本体であるが、ヘッドを上にして浴室の棚の脇にひょいと立てかけると意外と邪魔ではなかった。大丈夫そうだ。

すすいだ後の浴槽に手を入れ、念のためちゃんと洗えているか確かめた。全然ザラザラは残っていなかった。手で洗ったのと遜色ない仕上がりだ。そのくせ立位のまま手も濡らさず済んだので、心情的に「風呂洗い」の面倒度が一気に下がる。風呂洗いを担う他の家族の評判も高く、もう手放せない勢いである。

ちなみに商品には洗剤は不要とあるが、筆者宅は家族に新陳代謝の激しい子どもが多く、風呂の残り湯の底には日々謎の煮こごりのような汚れが溜まるレベルなのでやはり除菌効果を備えた洗剤は欠かせない(でないと生臭い)。浴槽がさほど汚れないライフスタイルであれば洗剤なしでも十分いける感触はある。

「ユニットバスボンくん 抗菌 ロング N-AL」、寒がりの諸賢に自信を持っておすすめできる逸品である。

ロングサイズ
藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、中3、小5、小1の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。