藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

サッシや窓周りがピカピカな家の秘密は車用ワックスシートだった

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
DCMの車用ワックスシート

筆者はかれこれ人生の半分以上の時間を集合住宅で暮らしている。いずれもホテルのような内廊下ではない、玄関や玄関側の居室が外気に面したタイプの住まいだ。

日々暮らしているうち、この共用の廊下に面した窓周りの様子には、家ごとにだいぶん差異があることに気づいた。

屋根はあるものの、廊下に雨風が吹き込むこともある。その影響で、サッシや防犯用の面格子は、どうしても汚れてしまう。しかし以前住んでいた建物の、とある部屋の窓周りだけは、いつもピカピカなのだった。

真っ直ぐの廊下。手前や奥と一列に並んでいるうちの一部屋だけ、光り具合が違う。どうしてここだけこんなに、ピカピカで綺麗なんだろう? ずっと不思議に思っていた。

ある日、普段より早く帰ってくると、その家の奥さんが廊下で何か作業をしているのに出くわした。こんにちは、と挨拶しながらチラッと見ると、何かでサッシと面格子を拭いている。思わず尋ねてしまった。

「何されてるんですか?」

「お掃除なんです、ここ、結構汚れるから」

「何で拭いてるんですか?」

「ワックスなんです」と住人は言った。「クルマの、ワックス」

「え、クルマの?」

「ここ、金物ね、クルマと同じなんで、光るんですよ。ピカピカに。ほらね。汚れもつきにくくなるし」

「えっ、それでこんなに綺麗なんですね!」

「うふふ、スゴイでしょう。これね、パパの会社のみんな、やってるワザなんですよ」

聞いてみるとその家のパパは住宅メーカーの管理職なのだという。

感銘を受けた筆者は、さっそく真似したいと思った。だが、筆者は当時も今もマイカーを所持していない。

市販の「カーワックス」はクルマに塗るものだけあって量も多い。自家用のクルマを持っていない身で購入するのは、かなりハードルが高い。

その数年後。100円ショップでもシートタイプのワックスクリーナーというのが市販されているのに気付き、筆者は遅まきながらあのサッシと面格子掃除を始めることになった。

しかし100円商品には物足りなさもあった。エタノールが主成分で、クリーナーとしては良いのだが、あの本来の「汚れを弾く」ようなワックス効果は期待できなかったからだ。

そこで出会ったのが、DCMの自動車用洗浄シート「水なしワックスシート」なのである。この商品は、成分にシリコーンオイルや撥水レジンが添加されているので、「ワックス」効果がしっかりと感じられる。それでいて、100円でこそないがプライベートブランド商品だけに割安だ。大きめのシートが12枚も入っている。

筆者は貧乏性なので、1枚で、できる限りのエリアを拭いてしまう。格子が終わったら鋼製ドアの面や枠までも拭く。真っ黒になる。使い捨てシートならではだが、激しく汚れてもそのまま捨てられるのでストレスもない。

クルマを汚す原因は、屋外に面した面格子やサッシを汚す原因と同じだ。そして拭くものは同じコーティングしてある金属。

「パパのワザ」を教わって、もうかれこれ21年が経つ。本来の使い方ではないにしろ、サッシや面格子をこれ以上ラクにキレイにする方法を筆者はまだ見つけていない。

シリコーンオイルや撥水レジンが含まれるため、ワックス効果がある
藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして21年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、大1、中3、小5の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。