データで読み解く家電の今
もはや掃除機の主流はスティック型? ロボットはやや縮小。掃除機市場のいま
2016年9月16日 11:00
家電Watchの記事でも人気の製品カテゴリになっている「掃除機」。特に、ルンバをはじめとするロボット型掃除機の話題は、テレビや新聞など、広く世間でニュースになっているし、ふとん掃除機やスティックタイプの新製品も多数登場している。調査会社GfK Japanのデータから、「掃除機市場のいま」をチェックしてみよう。
市場全体を見てみると、2010年に750万台だった掃除機の販売台数は2014年には960万台にまで拡大した。その背景にあるのは「2台目需要」だ。
GfK Japanによれば、キャニスター型に加えて、スティック型、布団クリーナーなどのハンディ型、そしてロボット型が購入された結果、市場が拡大した。
ただし、この2台目需要は15年、16年と下火になってきているという。
興味深いデータが、タイプ別の数量構成比だ。掃除機といえば「キャニスター」型だった。2010年の構成比は73%と殆どがキャニスターで、スティックとハンディが各12%、ロボットに至っては1%だった。しかし、2014年にはキャニスターの構成比は過半数割れし、'15年には47%となった。それでも最大ではあるが、5年間で26ポイントの大幅な減少となっている。
では、よく話題になる「ロボット型」が伸びているのか? といえば、そうではない。実はロボット型のピークは2013年。その後'14年、'15年ともに13年を2割ほど下回った。ロボット型の数量構成比は、4~5%と限定的で、金額ベースでも伸び悩んでいる。「話題にはなるが、ここ1~2年は大きく伸びているというわけではない」のが実態だ。
いまの掃除機市場を牽引しているのは、スティック型。GfK Japanは、「スティックの性能向上によりメイン掃除機としての需要がキャニスターからスティックにシフトしつつある」と分析。特に充電式が拡大を牽引しており、16年上半期ではスティックタイプの62%が充電式となっている。
また、「ふとん掃除機」需要で大きく伸びたハンディ型は、ピークは'14年。'15年には数量、金額ともややシェアを落としている。
スティック型における充電式や、キャニスター型における小型軽量などの付加価値モデルの好調により、掃除機の平均単価は上昇を続けている。2010年に18,100円だった平均単価は、2015年は22,300円までアップした。
出典「販売実績を基に推計した国内市場規模データ/GfK Japan調べ」