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猛暑に活躍のハンディファン4つ比べてみた 風の強さや騒音の違いは?

USB扇風機(ハンディファン)4モデルを全方位テスト!

今や夏の必須アイテムといえるUSB扇風機(ハンディファン)は、多くのメーカーから様々なモデルが発売されている。そんな百花繚乱というよりも玉石混交といった方がふさわしい状況の中で、どれを選んで良いのか分からない人も多いだろう。

そこで、メーカーの展示会で見て触ってきたり、編集部のメンバーから話を聞いたり、家電 WatchなどのWebサイトで調べたりして、筆者が主観で使ってみたいと思った、2024年の最新モデル4台のUSB扇風機を一斉に使ってみた。

その4台とは、Smaly(スマリー)の「超風量ハンディファン YNG-DHF400」(価格は4,378円)、ドウシシャの「ジェットハンディファン JFSZ-01B」(価格は5,980円)、ニトリの「充電式 首掛け冷却プレートハンディファン MW04NC」(価格は2,990円)、リズムの「Silky Wind Mobile 3.1」(価格は2,980円)。

右から、Smaly(スマリー)の「超風量ハンディファン YNG-DHF400」、ドウシシャの「ジェットハンディファン JFSZ-01B」、ニトリの「充電式 首掛け冷却プレートハンディファン MW04NC」、リズムの「Silky Wind Mobile 3.1」

異なる特徴を持つ4台のUSB扇風機は、1台ずつを使ってみて、それぞれのレビュー記事を既に掲載済み。今回は、各モデルを一斉に使うことでより個々の特徴をあぶり出し、それぞれどんな人に有用なのか、その傾向をレポートしていく。

Smaly(スマリー)の「超風量ハンディファン YNG-DHF400」

なお、各メーカーの仕様比較は下記の通り。

スマリードウシシャニトリリズム
最大風量
風量調節100段階4段階3段階4段階
風の指向性高め高い低い低い
充電方法USB Type-CUSB Type-CUSB Type-CUSB Type-C
使用時間(約)2.5〜10時間30分〜4時間1〜2.5時間30分〜10時間
サイズ60×60×167mm40×85×145mm65×55×172mm85×40×214mm
重量200g230g170g150g
価格4,378円5,980円2,990円2,980円

とにかく風量! ならスマリーかドウシシャ

暑い日に外出して、暑くて暑くてたまらない……とにかく体に強風を当てたい! という時には、USB扇風機の風量が強い方がうれしい。

各モデル、実際にどのくらいの風が吹くのかを実験してみた。実験では、棒に付けたリボンを間隔をあけて、長さ3mほどのテーブルの上に立てていき、風が届くとリボンが揺れるようにした。

風量のテスト

最も遠くまで風が届いたのは、予想通りドウシシャの「ジェットハンディファン JFSZ-01B」。あまり近くにリボンを設置すると、リボンごとふっ飛ばしてしまうほどの強さだ。

その次に強力だったのは、スマリーの「超風量ハンディファン YNG-DHF400」。ドウシシャほどではないが、風が強いうえに、風の広がりも確認できた。

上記2モデルは例外的に強い風だったが、意外に強い風だなぁと思ったのがリズム。ニトリについては、もう少しがんばってほしいところ。

以上の順位は、使ってみた時の感覚と合致している。やはり「とにかく強い風」を求めている人は、ドウシシャかスマリーを選ぶと良いだろう。

音が静かで室内外で重宝するのはリズム

各モデル、使用時の騒音レベルを、iPhoneの騒音値計測アプリで測ってみた。下の表は、防音室などで正確に計測したわけではなく、簡易的に測った時の結果。USB扇風機をオフにしている際の、環境音は34〜48dB前後。厳密なテスト環境ではないため、各数値は絶対値ではなく、相対的な値として参考にしてほしい。

騒音テスト
スマリードウシシャニトリリズム
風量調節100段階4段階3段階4段階
最大(dB)74前後80前後60前後64前後
強(dB)70前後80前後60前後
中(dB)60前後72前後53前後49前後
最小(dB)54前後64前後53前後46前後

基本、風量が強いほど騒音値も上がる印象。その点、風量自慢のドウシシャとスマリーは、分が悪い。特にドウシシャに関しては、音量が高いだけでなく、キーンと高域の音が多いのが特徴。音を聞くだけで「涼しくしてくれそうだ」と感じる一方で、強力にすると確実に最も耳障りだ。

実際に息子の小学校のスポーツイベントで使った際は、外とはいえ周りの人達から「なにしてるんだ、この人は?」という視線を感じることもあった。できるだけ目立ちたくない筆者のような性格の人は、人から離れた場所で使うことをおすすめする。

それほどではないが、スマリーも風量を最大に近づけるほど、高域の音が混じるので、音に敏感な人は気になるかもしれない。またニトリに関しては、外で使う分には問題ない……といった印象。

一方で、風量の割に音が圧倒的に静かだと感じたのは、リズムだ。静かなうえに、金属がこすれるような甲高い音がなく、環境音に近い音だからかもしれない。一般的なDCモーター採用のリビングファンと同様な音だったため、パソコンの隣に置いて使っても、徐々に耳が慣れて音が気にならなくなる。

またヘッド部分の角度を無段階で変えられるため、デスクに設置しやすく、風を送りたい方向に向けやすいのもいい。外ではもちろんだが、室内でも一番使いやすいUSBファンだと感じた。

風量が多いわりに静かなリズムの「Silky Wind Mobile 3.1」。最も快適に使える

室内利用を想定した場合に、リズムの次におすすめなのはスマリーだ。風量を100段階で変えられるスマリーは、やはり高域の音が少し気になる。とはいえ、風量「20〜30」まで下げれば、気になって仕方がないという人は少ないだろう。また、電源をオンにした際に、比較的に音が静かな風量「20」でスタートするため、オフィスで同僚を驚かせることもなさそうだ。

風量を調整すれば室内でも快適に使える、Smaly(スマリー)の「超風量ハンディファン YNG-DHF400」

風量が最強だったドウシシャは、静かな室内での利用は想定しない方が良いだろう。まず電源を入れると最大風量で起動するため、いきなり甲高い音が鳴る。そのため仕事場などで使うと同僚から厳しめの視線を向けられるかもしれない。

ドウシシャの「ジェットハンディファン JFSZ-01B」は最大風量で起動した

騒音値が高くなく設置もしやすいニトリに関しても、室内利用はあまりおすすめできないと思える違和感あるの音がした。また、ヘッドを曲げて設置した際に、本体の細かい振動がデスクなどに伝わり、「ビビビビビィ」とノイズが発生。さらに設置した際に、電源/風量切替ボタンが接地面になるため、操作したい時に持ち上げる動作が必要なのもマイナス要素だと感じた。

ヘッドを曲げて設置した際に振動音が気になる、ニトリの「充電式 首掛け冷却プレートハンディファン MW04NC」
スマリードウシシャニトリリズム
角度調節××
静音性
充電しながら使用×

使い勝手が良いのはリズムの「Silky Wind Mobile 3.1」

4台を使ったうえでいえるのは、外出先でもオフィスや電車内などの室内でも使いたい場合には、リズムの「Silky Wind Mobile 3.1」が最もおすすめなこと。同機は、風量と騒音のバランスがとてもよく、机に置いた際にも使いやすい。オールラウンダーとして、最も活躍してくれるのだ。ただし、量販店などでは品薄のようなので、今季は既に購入しづらい状況になっている。

一方で、例えばスポーツ中や後に、ほてった体を一気に冷却したいといったピンポイントな選び方であれば、ドウシシャの「ジェットハンディファン JFSZ-01B」を選ぶといい。音が大きめでオフィスや電車内などでの利用は控えた方が良いが、「求めていたのは、この風だ!」と歓喜する人も多いはずだ。

ドウシシャの「ジェットハンディファン JFSZ-01B」

風の強いもう1台、Smaly(スマリー)の「超風量ハンディファン YNG-DHF400」も、外出先ではドウシシャと同様に満足できる。最大風量に設定して、シャツの裾から風を送り込んだ時の爽快感は格別だった。

Smaly(スマリー)の「超風量ハンディファン YNG-DHF400」も風量が強く、なおかつ、きめ細かく風量調整できる

ニトリの「充電式 首掛け冷却プレートハンディファン MW04NC」は、外出先では風量不足を感じるし、かといって音も気になったため、室内利用が最適とはいえない。一方で、直接肌にあてて冷たいプレートがあるのは利点なため、速攻でヒンヤリしたい人には、こちらが選択肢として上がる。

既に夏も真っ盛りだが、これからUSBファンを購入する人は、参考にしながら自分にあったモデルを購入してほしい。

河原塚 英信