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トヨタが検証、車内でも熱中症に? エアコン切るリスク

トヨタのとけネコ

トヨタ自動車は、夏場の車内熱中症の危険性について訴求するプロジェクト『トヨタのとけネコ」を公式Xで公開した。ネコ型フィギュアが車内温度上昇するたびに溶けていく、車内温度上昇を可視化するコンセプトムービーとなっている。なお、公式Xではお出かけ時のシチュエーションに合わせて溶ける様子を描いた「#今日のとけネコ」を投稿するという。

#今日のとけネコ 海でのイメージ
#今日のとけネコ 街でのイメージ

車内での熱中症についての意識調査を実施したところ、エアコン停止後熱中症警戒レベルに達する時間は10分以上と選択した人が4割。実際には5分でも熱中症指数は警戒レベルに匹敵するため短時間での熱中症リスクの認知がまだ薄いことが課題として浮き彫りになったため、夏場の車内熱中症の危険性を可視化したコンセプトムービーを制作したという。

トヨタの調査結果によると、車内での熱中症対策についての意識調査では、約98%の人が十分に車内での熱中症対策を行なえていないことが判明。車内のエアコンを切った後の熱中症にならない時間についての実証実験では、エアコンのスイッチをオフにしたわずか5分後に、熱中症発症リスクの高まる指数を表すWBGT(湿球黒球温度)が警戒レベルに達する結果が得られたという。一方で、意識調査では4割以上の人が10分以上と回答している。

トヨタが実施した意識調査。車内での熱中症対策を「完璧に出来ている」と回答したのは1,000人中17名、1.7%との割合に留まる。ほとんどの人が「どちらかといえばできていない」「全くできていない」という結果に
自動車を日常的に運転する20~60代の男女1,000人に「自動車内でエアコンを切っても熱中症にならない時間が何分以内か」を訪ねると、39.8%がエアコン停止後に熱中症警戒レベルに到達する10分以上を選択
真夏の車内温度テスト
場所:静岡県
室外温度:35度
テスト:午後12時半からエアコン温度18度で設定した車内のエアコンを切り15分間のWBGT(湿球黒球温度)を計測

また、名古屋工業大学電気・機械工学教育類電気電子分野/創造工学教育類 電気・機械工学専攻電気電子分野 先端医用物理・情報工学研究センター平田晃正教授は以下のようにコメントしている。

「お子さんやペットの場合、大人と体型が異なるため体温が上昇しやすく、同じ環境下でも、幼児の体温上昇は、大人の1.5倍程度になるとも言われています。特に、車内では、暑さ指数がエンジン停止から5分で“警戒”レベルとなり、10分程度で熱中症になる可能性もあります。また湿度も低いことから、汗をかいてもすぐに蒸発してしまい、気が付かないうちにかなりの汗をかき、脱水になりやすい状況です。例えば長距離ドライブでは、トイレ休憩が取りづらいなどの理由で、水分補給を制限される方もいらっしゃいますが、30分程度に一度は水分補給をする事が重要です。また車内の暑さは、太陽の光によるものも大きいです。駐車時のサンシェード、特にお子さんに対する日除けなどカーアクセサリを併用することも有効です」。

今夏は各地で猛暑が続いているが、車体の温度を下げるのに効果的な散水も活用するなど、ドライブの際には車内での熱中症対策を行なってほしい。