家電レビュー
リズムの扇風機3モデル パワフルで部屋干しにも使えて快適!
2024年6月3日 08:05
梅雨を目前にして暑い日も増えてきました。もう使い始めましたか? 扇風機。
扇風機の新製品が続々と登場していますが、筆者の目を引いたのはリズムの3つの新製品です。リズムで扇風機といえば、大風量2重反転のモバイルファン「Silky Wind Mobile(シルキーウインドモバイル)」シリーズが人気で、毎年品薄になるほどだそうです。
このSilky Wind Mobileシリーズの新製品に加え、卓上小型扇風機「Silky Wind Mini(シルキーウインドミニ)」とサーキュレーターの「Silky Wind Circulator(シルキーウインドサーキュレーター)」が新発売になりました。これら各製品を試用しましたので、今回はそれぞれをレビューしたいと思います。
各製品のレビューの前に、各製品に共通するリズム独自の送風技術について少々ご説明。それは各製品のファンに採用されている「2重反転ファン」です。2つのファンが反対方向に回転し、大風量かつ高直進性の風を送り出します。
この「2重反転ファン」が、新型の各製品に搭載されています。ファンのサイズや回転数は違いますが、風量と直進性は共通しています。特に風の直進性は「風がまっすぐ届いてくる」、「スポット送風みたいなことができる」と体感できるレベルです。
直径約8cmの円に置ける小型卓上扇風機「Silky Wind Mini」は、首振り機能も搭載
3機種とも使ってみて、いちばん身近だと感じたのが小型卓上扇風機の「Silky Wind Mini」です。机上に置いて邪魔にならないサイズなのに十分な風量があり、さらに自動首振り機能も備えています。
本体サイズは106×90×161mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約290g。パソコンやUSB ACアダプターのUSB Type-Aポートを電源とします。実売価格は3,500円前後。
非常にシンプルな卓上小型扇風機で、1人で使うなら風量も十分といった印象。大風量は求められませんが、シャツの首あたりを指でつまんで「ふわっふわっ」と風を送って涼をとりたくなる程度の暑さなら、このSilky Wind Miniだけで、間もなく汗が引くというイメージです。
筆者が「これはとてもイイ」と感じたのは、設置面積の少なさ。底面は直径約8cmの円で、上部に少し出っ張りはありますが、直径8cmの円程度の面積があれば、Silky Wind Miniを置くことができます。散らかった仕事机の上に置いてもさほど邪魔にならず、でも「お一人様用扇風機」としてはしっかり役立ってくれます。
USB電源というのも便利。本体の電源プラグ(USB Type-A)をパソコンのUSBポートやUSB ACアダプターに挿せば使えるので、今どきの仕事机やオフィスなら電源に困らないでしょう。充電の手間もありません。なお、電源となるUSB Type-AポートはDC5V/700mA以上という条件となっています。
もしかしてコレ、お風呂上がりファンにもいい? と思って試してみましたら、洗面所で体を拭いているときに強・首振り運転で使うと、そこそこ実用的だと感じられました。体全体にまんべんなく風を当てるのは無理ですが、上半身中心に涼を取るには十分実用的でした。設置場所が少なくて済むので、2台使うという手もありそうですね。
ほかにもキッチンで使ったり、食卓で使ったり、コンパクトに設置できることで用途が意外に多いように思います。モバイルバッテリーでも使えて、また本体が約290gで持ち運びが容易ですので、屋外でも利用できると思います。
なおこの卓上小型扇風機、掃除も容易です。前後のファンガードが取り外せるので、手軽に掃除できます。
ただ、「本体からUSBケーブルが抜けない」という仕様に、最初は違和感がありました。しかし使っていると長さもまあちょうどいいですし、抜けないから電源コードの紛失ということもないですし、「こういう仕様でも別に問題ないな」と思うに至った次第です。
35m届く爆風から、そよ風のような微風まで、守備範囲が広い「Silky Wind Circulator」
使ってビックリしたのがサーキュレーターの「Silky Wind Circulator」です。最初に電源を入れたとき、そよ風程度の微風しか出なかったので「えっ? 弱すぎない?」と思って風量を上げていきました。そして最大風量のTurboにしたら、風に向かって目が開けられないような、台風襲来直前の風に向かって自転車で走っているような、そんな爆風が送り出されました。サイクリング用のアイウェアが必要、みたいな。
使ってみて、個人的にやや残念と思ったのは、操作がタッチパネルのみという点。サーキュレーターを室内定位置に置いて、毎日だいたい同じような使い方をする筆者としては、サーキュレーターのところまで行かずに電源オンオフや風量調節できたらよかったなあ、と。
もうひとつ、ACアダプター式という点。電源コードを直接ACアウトレット(コンセント)に挿せるほうがスッキリして好きです。ただ、ACアダプター式には「電源部が壊れたらACアダプターだけ交換すればいい」「本体内をより単純な構造にできて販売価格を抑えられる」などのメリットもあります。リズムの扇風機や時計などは、実際に使っていても「長く使っているのに壊れる気配がない」という感覚で長寿命であることが多いので、このサーキュレーターについてもACアダプター式が正解なのかもしれません。
この2点以外には文句ナシ。ゆる〜い風から爆風まで使い分けられるので、いろいろなシーンで非常に役立ちます。
たとえば……筆者の仕事場には冷凍庫があります。春先から室内の気温が30℃になるくらいミョーに暑い仕事場なので、氷をたくさん使いたい! と思って導入した冷凍庫です。
関連記事:家電レビュー「アイリスのスリムなセカンド冷凍庫を仕事部屋に置いたらサイコーだった」
冷凍庫は便利で快適なんですが、朝に仕事場へ入ると、冷凍庫の発熱のせいもあって、室温が高い。仕事始めからいきなり暑い。換気をして1時間もすれば仕事場からその熱気が抜けていきますが……。毎日コレじゃぁなあ、と。
そこでこのSilky Wind Circulatorを使い、朝の仕事場の換気をしてみました。部屋の南側の窓に向けて、Silky Wind Circulatorから爆風を送風。北側の窓から新鮮な外気を取り入れる、という作戦です。
するとSilky Wind Circulatorがどんどん室内の熱気を外に送り出し、その負圧で北側の窓から涼しい風が流れ込んできます。すごい! 爆風を出すので、ちょっとウルサいけど、こんなに効率よく仕事場の熱気を放出できるとは! ビックリです。
こんなにパワフルなサーキュレーターなのに、微風も出せるというのもイイです。自分に向けて微風を送れば、心地良い風を静かに浴びられる扇風機として使えます。前述のとおり、運転モードの1や2だとファンの音は至って静かで、就寝中のサーキュレーターとしても使えると思います。
それから仕事場では台ぶきんやタオルやハンカチなどをちょっと洗って干すことがあります。晴れているときは窓を開けて直射日光下で干せばすぐ乾きますが、雨の日はなかなか。雨の日で気温が低いと、洗い物によっては生乾きのニオイが残ったりも。そこで試しにこのSilky Wind Circulatorを、それら洗濯物を乾かすために使ってみました。すると……。
……あーら効率的。自由な方向に向けられて自動首振りができて、しかも首振り角度を60/90/120度から選べるので、ヘンなところに吊るすしかない洗濯物にもピンポイント的に効率よく風を送れます。風量も強すぎない設定にできるので、洗濯物が風に煽られて絡むようなことも防げます。もちろん洗濯物の乾きも早く、雨の肌寒い日でも(筆者の仕事場で出る洗濯物くらいなら)1〜2時間で乾きます。
風がない日は窓を開け放ってもなかなか換気できませんが、そんな日には、同機が換気のためのサーキュレーターとしても役立ってくれます。外の空気が心地良い季節には、こういったサーキュレーターで自然の空気を生活空間に取り込みたいものです。もちろん、夏場や冬場には、エアコンの効率を高めるためのサーキュレーターとして役立つと思います。
それからSilky Wind Circulatorもまた、手入れが容易。フロントもリアもファンガードおよびファンなど各種パーツを外せますので、込み入った箇所の掃除も手軽です。
また、リズムの2重反転ファンのファンガードのスリットはまっすぐ。一般的なサーキュレーターはファンガードのスリットで空気が流れる方向をコントロールしている関係上、渦巻き状のものが多く、中央にいくほど狭くなっています。そのためブラシによる掃除をしにくかったり、しっかり掃除できなかったりも。Silky Wind Circulatorのファンガードは横方向に真っ直ぐで広めなので、ブラシによる掃除がしやすいというわけです。
という感じのSilky Wind Circulator。微風から爆風まで自由な強さの風を出せて、風の向きも自在。やはりこの機種も風量と風の直進性に優れていますので、「あっちの部屋までしっかり風を届けたい」といった要望も叶えてくれます。梅雨の季節には、洗濯物の室内干し問題も解決してくれる、汎用性の高い実力派サーキュレーターだと思います。
ハンディでも卓上でも使える大風量ポータブル扇風機「Silky Wind Mobile 3.1」
そして最後はハンディファンの定番「Silky Wind Mobile(シルキーウインドモバイル)」シリーズの最新型、「Silky Wind Mobile 3.1」です。充電式(ポートはUSB Type-C)のポータブル扇風機で、やはり風量と風の直進性が特徴。シリーズを通して人気のあるポータブル扇風機です。実売価格は2,900円前後。
使用感ですが、相変わらず快適な風を送り出すSilky Wind Mobileです。同社のモバイルタイプには、以前は機能や形状が異なるいくつかのモデルがありましたが、現在はこの「首折れ・カラビナ」タイプだけになりました。
でもこの最新モデルは、上の写真のように卓上小型扇風機としても使えますし、首から吊っても使えますし、もちろん一般的なハンディファンのように出先で片手に持っても使えます。カラビナでバッグなどに吊るすのも容易なので、このタイプが最適解なのかもしれません。
ハンディファンとしての使用感は、屋外でなければ弱や中で十分心地良い風を得られるという印象。またその程度の風量なら周囲に「うるさい」と思われないくらい静音です。
一方、日差しがあって暑いような屋外だと、中より上、できれば強での送風が欲しくなります。ターボにすると、たとえば「暑くて顔には汗が……」というときでも、数分で汗が引くくらいの風を得られます。ただし強やターボだと、ハッキリとファンの音が聞こえますので、室内だと近くの人が「うるさい」と感じると思います。
あるいは、このSilky Wind Mobile 3.1だけを、卓上ファンとしてもポータブルファンとしても使うというのもアリかもしれません。卓上・机上で使い続けると充電が必要となり、充電しながらのファン使用は発熱や製品・電池劣化の原因になりますので、充電中は使えません。「それでもいいよ」という場合、Silky Wind Mobile 3.1は机上などに置いて使うことができ、風量も十分ありますので、1台2役の充電式扇風機になるかもしれません。あくまでも「お一人様用」で「猛暑にまでは対応しにくい」とは思いますが。
ともあれ、そんな感じのリズムの最新扇風機3機種は、どれも魅力的な製品だと感じられました。ご自身にマッチする製品を探せば、もしかしたら猛暑になるかもしれない今年の夏を、快適に過ごせるかもしれません。興味のある方はぜひジックリとチェックしてみてください。