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アウトドアグッズは災害時にも役立つ! コールマンと防災士がすすめる日常の備え

アウトドアで活躍するアイテムは災害時にも役立ちます。防災士の丸マイさんとコールマンにおすすめのアウトドアグッズを教えてもらいました

9月1日は防災の日。地震や台風など日頃から災害が多い日本で、「備えなきゃ」と思いつつも何から始めればいいのかわからない人も多いと思います。

しかし実は、防災専用のアイテムを揃えなくても、家の中に役立つものがある場合も。アウトドアグッズもそのひとつです。

防災士の丸マイさんは「キャンプ用品などのアウトドアグッズは持ち運びが前提のため軽量、コンパクトだったり、頑丈に作られています。そういったものはいざというときにも持ち運びやすく、安心して使えるため、持っている人にはぜひ活用するようにすすめています」と話します。また、使い慣れたアウトドアグッズは、もしものときにも慌てずに使えるといったメリットもあるそうです。

今回は実際にどのようなアウトドアグッズが役に立つのか、コールマンに聞いてきました。丸さんのアドバイスとともにご紹介します。

アウトドアが趣味の人はもちろん、これからキャンプを始めようとしている人は、災害時の使いやすさを考えながらアイテムを選んでもよさそうです。

丸マイさん

丸マイさん

防災士の資格を持つ整理収納アドバイザーで、クリンネスト(お掃除スペシャリスト)講師。個人宅の整理収納サービス「mawaru暮らし」主宰。片づけ苦手主婦だった自身の経験から、楽に片づく収納提案を行なっている。ほかにも、子供からシニアまで幅広い層へ片づけや掃除の楽しさを伝える講師としても活動中。

あたたかな明かりで落ち着けるランタン

コールマンによると、キャンプ用のランタンは光量が大きいものが多く、部屋全体を明るく照らせるのだそうです。LEDは火災の心配もなく、子供がいる家庭でも安全に使えるのもポイント。あたたかみのある明かりで、災害時の不安をやわらげる効果も期待できるといいます。

あたたかみのあるランタンの明かりは心を落ち着かせてくれます

同社の「ハンギングEライト」は手のひらに収まるコンパクトサイズながら、最大250lmの明るさで足元まで明るく照らすことが可能。フックで吊り下げるほか、マグネット付きのため冷蔵庫などにもくっつけられます。

充電式で繰り替えし使えるだけでなく、いざというときにはスマホの充電もできるのが特徴。本体サイズは7×5cm(直径×高さ)。重さは約130g。使用時間は約10~40時間(High~Low)。

ハンギングEライト
いざというときにスマホの充電ができます
防災士からのアドバイス

停電時の備えとして、懐中電灯にプラスしてランタンを用意するのがおすすめ。懐中電灯は手に持って特定の場所を照らすのに役立つ一方で、室内全体を明るくするのにはランタンが適しています。役割の異なる2つのライトを持っておくといいでしょう。ハンギングEライトのように、モバイルバッテリーの代わりにスマホを充電できる機能があると安心です。

ウォータージャグ&クーラーボックスで水と食料を確保

災害時には水や食料についての不安がつきもの。丸さんによると、災害時には地域の給水ステーションや給水車で水をもらうことができるそうです。「水を持って帰るとき、マンションなら階段を上る必要もあるため、こぼさずに持ち運べるウォータージャグが便利です」(丸さん)

「スチールベルトジャグ/1.3ガロン(バターナッツ)」は容量4.9L。水をこぼさず持ち運べて、中にホコリなどが入る心配もありません。家の中でも使いやすいプッシュ式の蛇口付きです。本体サイズは約26×30cm(直径×高さ)。重さは約1.4kg。

スチールベルトジャグ/1.3ガロン(バターナッツ)

また、コールマンは「クーラーボックスは冷凍食品や保冷剤などを入れ、できるだけ隙間なく詰めることで1~2日のあいだ保冷ができる」としています。冬には保温ボックスとしても活用できるとのこと。

「エクストリームクーラー/52QT(エバーグリーン)」は容量約49Lで、2Lペットボトルが10本入るファミリー向けサイズ。連泊にも対応する保冷力を備えています。本体サイズは約65×38×42cm(幅×奥行き×高さ)。重さは約4.6kg。

エクストリームクーラー/52QT(エバーグリーン)
防災士からのアドバイス

冷蔵庫は停電後、2~3時間すると庫内の温度が上昇していくといわれています。停電したらすぐに、冷蔵庫の中身を足の早いものからクーラーボックスに移し替え、冷凍庫の保冷剤や冷凍食品と一緒に入れておきましょう。アウトドアブランドの保冷剤は性能がよく、長く保冷できるものもあるため、あわせて備えておくのがおすすめ。

夏場は特に、クーラーボックスやウォータージャグはしまいこまず、前回使ったときの汚れを落としておき、いつでも使えるようにすることを推奨しています。

安心して眠るために、あるとうれしい寝袋&マット

コールマンの調査によると、被災時に「暖房がない冬の寒さの中、余震の心配もあり安心して眠れなかった」「避難所生活ではプライベート空間がないことでストレスが溜まり、なかなか落ち着いて寝ることができなかった」など、しっかりと休息をとれなかった事例があったそうです。

「車中泊や避難先で仮眠や休息をとる際、寝袋を使えば、全身がすっぽりと包まれ、暖かく眠ることができます」とコールマン。さらに寝袋の下に1枚マットを敷くことで地面からの冷気を遮断できるうえ、クッション性が高まるためより快適に眠れるといいます。

クッション性のあるマットがあれば快適性が高まります

「コンパクトインフレーターマット/S」は重さ約725g、収納時のサイズが約11×26cm(直径×高さ)と軽量かつコンパクト。収納袋がポンプになるため、簡単に膨らますことができます。使用時のサイズは約74×186×6cm(幅×奥行き×高さ)。

コンパクトインフレーターマット/Sはリュックにも入るコンパクトサイズ
収納袋がポンプ代わりになります

大人2人と子供1人が一緒に入れる封筒型の寝袋「ファミリー2 IN 1/C5(グレージュ)」は気温5℃以上に対応し、春~秋の3シーズンで使えます。上下を分割して、2つの寝袋に分けることも可能。使用時のサイズは約168×190cm(幅×奥行き)、収納時のサイズは約40×48cm(直径×高さ)。重さは約5.5kg。

ファミリー2 IN 1/C5
2つの寝袋に分割することも可能です
防災士からのアドバイス

避難所には簡易ベッドなどが用意されている場合もありますが、数に限りがあるためインフレーターマットがあると安心。コンパクトインフレーターマット/Sは軽くて小さく畳めるため、リュックの中に入れておけばどこへ移動するにも心強いです。

また冬などは特に、暖を求めて車に避難する人も少なくありません。そのような場合に寝袋があれば安心して眠ることができるでしょう。ただし寝袋はかさばるので、避難所などへ持ち運ぶことを考えているのなら、非常用持ち出し袋と一緒に持つ余裕があるのか、事前に確認しておく必要があります。

使わないときもしまいこまず、すぐに使えるように

丸さん自身はあまりアウトドアには行かないものの、バックパックはコールマンのものを選んでいるそうです。軽くて頑丈で、チェストベルトなども付いているため、防災リュックにしたときにも使いやすいのだとか。アウターなどもアウトドアブランドのものは高機能のため、日常使い兼もしもの備えとしておすすめだといいます。

コールマンのバックパックは防災リュックとしても活躍
チェストベルトを留めれば、中身が重くても背負って移動しやすいです

丸さんは「夏にしかキャンプに行かない人もいると思うのですが、アウトドアグッズは防災備蓄として通年使えるということ、持っているものを活用できるということを知っておいてほしいです」と話します。

オフシーズンはしまいっぱなしになることが多いアウトドアグッズ。いざというとき、どこにあるかわからないといった状況に陥る可能性もあります。これを機に、ランタンやクーラーボックスなどは取り出しやすい場所に移動して、もしものときに備えておくと安心できそうです。

鄭 恵慶