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炊飯器で蒸らし時間は待たなくていい? 象印においしいごはんの炊き方を聞いた

ごはんをおいしく炊くコツを象印に聞いてきた。ポイントは「お米の扱い方」

毎日の食卓に欠かせない、ほかほかのごはん。皆さんは普段、どのようにごはんを炊いているだろうか。土鍋を使ってガス火で炊く人も見かけるが、多くの人は電気炊飯器を使用していると思う。

ボタンを押すだけでいつでも安定した仕上がりになる炊飯器だが、操作が簡単なあまり、「なんとなく」の自己流で使っている人も多いのでは? 実は説明書を読むと、炊飯モードには浸水や蒸らしの工程がすでに含まれているため、それらの時間を追加で計る必要はない、ということが書かれていたりする。

では、炊飯器を使ってごはんをおいしく炊くにはどうすればいいのだろうか。「炎舞炊き」などの炊飯器を手掛け、製品開発を通じて炊飯やお米について多くのノウハウを持つ象印マホービンに教えてもらった。まとめて炊いた場合の保存方法や、ミネラルウォーターを使った炊飯などについても聞いてきたので、後ほど紹介したい。

お米は鮮度が大事! おいしく炊くポイント

象印マホービンは、炊飯器でごはんを炊く際に意識するべきポイントとして、お米の「保存方法」「計り方」「洗い方」の3つを挙げている。順番に紹介しよう。

1.お米の保存方法

お米は空気に触れると酸化が進み、高温多湿の環境では傷みやすくなるという。お米のおいしさを保つには「お米は野菜と同じ生鮮食品」だと考え、密閉容器や密閉袋に入れ、冷蔵庫で保存することを推奨している。

またお米本来の風味を保つためにも、1カ月で食べきれる量を目安に少量ずつ購入するといいそうだ。

2.お米の計り方

おいしいごはんを炊くには、きちんと計量することもポイントのひとつ。炊飯器は「1合=150g」と考えて炊飯するため、お米の量が少し変わるだけで水加減のバランスが崩れてしまう。お米を正確に計量することは、非常に大事なのだという。

お米を計るときは、計量カップに山盛りのお米を入れ、すりきり棒ですりきる。これにより、正確に1合分のお米を計量することができる。

お米をきっちり計量することが重要

3.お米の洗い方

計量と同じくらい重要なのが、お米の洗い方。最近はお米の精米技術が向上しているため、強く洗いすぎないことがポイントだという。目安として「すすぎ」「洗い」「仕上げのすすぎ」を10分以内に行なう。

無洗米を使用する場合は、精米方法によってお米の表面にでんぷん質が多く残っている場合があるため、水を入れたときに白く濁るようであれば、1~2回水を入れ替えてすすげばいいそうだ。

お米を洗うときは「やさしく、手早く」がポイント

そしてお米の計量と同様、水の量も炊き上がりに大きな影響を与える。内なべを平らな場所に置いて左右の水位線を確認し、正確に計ることも大切だ。

また、浄水器の水やミネラルウォーターを使って炊飯するという声をたまに耳にするが、その有効性についても聞いてみた。

「浄水器やミネラルウォーターで炊く方がおいしく炊けます。理由としては、飲んでおいしい水は食べてもおいしいということです。前提として、洗米するときに初めて触れる水が最も吸収されるため、その際にミネラルウォーターを使っていただくのがいいと思います」(象印マホービン)

4.炊く前と炊いた後

冒頭で述べた通り、炊飯器でごはんを炊く際は浸水や蒸らしの時間を余分にとらなくていい。仮に浸水の時間を長くしすぎると、すぐ炊いたときに比べて、場合によってはベチャッとした炊き上がりになる可能性があると象印は指摘している。

また炊飯後は蒸らしとしてそのまま放置するのではなく、しゃもじでごはんをほぐすと余計な水分が飛んで全体がムラなくふっくらするという。

ほぐすときのコツは、ごはんを十字に切るようにし、4分の1ずつ、なべ肌に沿って大きく起こし、しゃもじを立ててかたまりを切るようにほぐすこと。

ごはんを十字に切ったり、4分の1ずつかき混ぜたりする理由は、いずれもごはんの粒やなべ底のごはんが潰れるのを防ぐため。

ごはんが炊けたら放置せず、しゃもじでほぐすとふっくらするという

多めに炊いたごはんの保存方法

炊き立てが最もおいしいことは知っているが、忙しい日々のなかで数日分をまとめて炊く人も少なくないだろう。まとめて炊いたごはんをおいしく保存するコツはあるのだろうか。

同社によると、保存の過程でごはんから水分が飛ぶとパサパサした食感になってしまうため、保存する場合は炊飯後すぐに保存容器やラップなどで湯気とともに閉じ込めることが重要だそうだ。

炊飯器には保温機能もあるが、数日分まとめて炊いた場合はごはんを冷凍する方が劣化を抑えることができるという。冷凍する場合は、炊きあがったごはんを1合ずつラップに包んで冷凍することを推奨している。

お米の選び方

スーパーへ行くと、定番のこしひかりやあきたこまち以外にも、さまざまな銘柄のお米が並んでいる。銘柄毎に甘みが強い、あっさりしているなどの味の特徴があるため、いろいろと試しながら好みの味を見つけてみるといいだろう。

またお米の食感に関しては、炊飯器の炊き分け機能を活用しよう。象印マホービンの一部機種には、前回炊いたごはんの食感をアンケート形式で回答すると、好みの味に進化する「わが家炊き」機能が搭載されている。圧力IH炊飯ジャー「炎舞炊き NW-LB」であれば粘りとかたさを調節することで最大121通りの炊き分けができる。

象印マホービンは「お米のおいしさを最大限引き出すのが炊飯器の役割だと考えています」という。そんな炊飯器を最大限活用できるよう、いつもより少しだけ、お米の扱いに気を使ってみると、毎日のごはんがもっとおいしくなりそうだ。

象印マホービンの圧力IH炊飯ジャー「炎舞炊き NW-LB」
ごはんの感想を入力すると、好みの炊き加減に進化していく「わが家炊き」機能
鄭 恵慶