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ポータブル電源の容量を後から増やせる! 電気代が気になる人も注目のBLUETTI「AC60 & B80」とは?

BLUETTIから登場するポータブル電源「AC60 & B80」

家の外でも様々な家電やデジタル機器につないで使える可搬型のバッテリーとして「ポータブル電源」に注目が集まっている。最初はアウトドアや車中泊のようなレジャー用品という扱いだったが、次第に防災も兼ねた日常使いや、業務ユースでの電源確保といった用途でも利用が始まっているところだ。

2009年創業のBLUETTI(ブルーティ) は、家庭用からアウトドアまで、幅広いソーラー蓄電システムをワールドワイドで開発/販売しているメーカーだ。2022年11月には、制御ユニットとバッテリー部分を分離させた新システム「AC500+B300S」の販売をスタートさせている。こちらは最大出力5,000Wで、6台までバッテリーを拡張できるという、家庭内の家電全部を動かせるレベルの“超弩級システム”だ。

そんなBLUETTIから、また新たなシステム「AC60 & B80」が登場する。AC500+B300Sと同じようにバッテリーが拡張できるシステムだが、重量をおよそ1/3以下に抑えたモデルである。

拡張できる機能を備えつつ、コンパクトサイズを実現

4月26日より発売予定で、ポータブル電源としては一番よく使われる中型クラスとなるわけだが、容量拡張できることで、さらに用途が拡がることになる。

今回はこの新システムはどういった特徴があって、どんなシーンに役立ちそうかなどをご紹介しよう。

見た目は普通のポータブル電源なのに、後からでも容量を増やせる

「AC60 & B80」は、上位モデルのAC500+B300Sを単純に小さくしただけではない。AC500は内部にバッテリーを持たないため、少なくとも1台のB300Sと組み合わせる必要があった。つまりバッテリー部とコントローラ部を分けたシステム。

一方で新しいAC60は内部にバッテリーを搭載するため、単体でも通常のポータブル電源として利用できる。まずはAC60だけ買って利用をスタートし、あとからB80を追加購入しても構わないわけだ。この点が大きく違うところ。

AC60の本体サイズは290×205×234mm(幅×奥行き×高さ)、重量8.6kg。バッテリー容量は403.2Whで、同クラスのバッテリーよりも容量が若干少ないのは、外部バッテリーのコントローラも兼用するからだ。

ハンドル付きで持ち運べる

もう一つ、ポータブル電源選びで大切なのは長く使えること。充放電サイクルが3,000回以上で長く使える長寿命と安定性を特徴とするリン酸鉄リチウムイオン電池を内蔵している。

定格出力は600Wで、BLUETTI独自の「定電力モード」により、瞬間最大出力1,200Wの電気製品を動かすことができる。消費電力が高い、電気ポットや電子レンジなどの加熱する家電を使いたい時にも便利だ。

本体はIP65の防塵防水仕様となっており、突然の雨や粉塵からバッテリーを保護できるため、キャンプなどにも安心して持ち出せる。これまでのモデルから内部構造を徹底的に見直し、回路はファンと完全に分離。本体表面には防塵防水試験した素材のみを使っているとのことだ。

防塵防水対応

充実の入出力。ソーラー充電も

家電やデジタル機器などにつなぐための出力ポートは、ACが2系統、USB Type-Cが1系統、USB Type-Aが2系統。昨今ノートPC用の電源ポートとしても利用されているUSB Type-Cは、最高100Wの出力が可能になっている。16インチクラスの大型ノートPCでも、大抵は大丈夫だろう。左上にはシガーソケット出力も備える。また天面はワイヤレス充電ポートとなっており、対応のスマートフォンやイヤホンなどを置くだけで充電できる。

前面

背面にはパネル状のLEDライトを備えている。非常灯として懐中電灯のようなライトを備えるバッテリーはあるが、こうした大型ライトの搭載は珍しい。日が暮れてから手元に明かりが欲しいときや、停電時には特に重宝するだろう。

本体バッテリーへの充電方法は、複数用意されている。右側のAC入力でコンセントから直接充電する場合、45分で80%までの急速充電が可能。「使いたいけれど残量が少なかった」といった時にも助かる部分だ。

DC入力へは、ソーラーパネルを接続して充電できる。最大200Wまで入力できるため、大型のパネルが接続できるほか、100Wクラスのパネルを2枚つなぐことも可能。さらにシガーソケットからも充電できるため、車で走行中に充電しておき、現地で利用することもできる。

側面にあるのが、拡張バッテリー接続用端子だ。2つある通り、最大2台までのB80を同時に接続でき、最大バッテリー容量は2,015Whとなる。消費電力40Wのミニ冷蔵庫なら、約30時間稼働できるレベルだ。

側面の端子で拡張バッテリーのB80と接続できる

拡張バッテリーのB80を見ていこう。こちらのサイズも290×205×234mmで、AC60とまったく同じとなっている。つまりB80の上にピッタリAC60が積める設計になっている。重量は9.9kgで、容量はAC60のおよそ2倍となる806Whだ。

拡張バッテリーのB80

出力は拡張ケーブルでAC60へ送ることになるが、B80本体にもシガーソケット出力1系統、USB Type-C出力が1系統、USB Type-A出力が1系統ある。こちらのUSB Type-Cも、100W出力である。

充電はAC60とつないだ状態であれば、AC60経由で自動的に充電される。ソーラーパネルからのDC出力も、前面のDC端子へ直接入力できる。

またこのDC端子を使って、ACアダプター経由でコンセントから充電することも可能だ。車のシガーソケットから充電したい場合は、変換ケーブルを使ってDC端子に接続する。B80のシガーソケットは出力のみ対応している。

別売のソーラーパネルを使ってエコな充電もできる

分離できるメリットとは?

AC60 & B80のポイントは、トータルでかなりのバッテリー容量であるにも関わらず、重量としては2つもしくは3つに分散できることだ。例えばAC60とB802台ではおよそ30kg弱の重量になるが、もしこれがひとかたまりだったら、大人1人では持ち上げるだけで精一杯で、歩くこともままならない。2人以上で運ぶか、台車がなければ移動もできなくなる。

だがAC60は8.6kg、B80は約10kgなので、1つずつなら大人1人で運びやすい。車への積み下ろしひとつとっても、安全面では小さくないメリットである。

フィールドでソーラーパネルと組み合わせて使うことを考えても、分離できるメリットは大きい。ソーラーパネルは日当たりが良い場所に設置しなければならないが、特に暑い季節などは、通常テントを張る場所は木陰になる。つまり野営地とソーラー充電する場所は、両立しないことが多い。

こんな時でも、ソーラーパネルとB80は日向に出して充電しておき、AC60はテント内で使える。日暮れとともにソーラーパネルとB80を回収し、夜はB80からの電力で過ごすといった使い方ができるわけだ。

好きな場所に持ち運んで使いやすいサイズ感がうれしい

AC電源が確保できる場合でも、停電や電源断に備えて「簡易UPS」としても利用できる。AC60は、AC電源が切断されても瞬時に内部バッテリーからの給電に切り替わるのだ。B80と組み合わせて、デスクトップパソコンなど電源を落としたくない機器につないでおけば、もしもの長時間の停電にも耐えられる。

スマホアプリでさらに便利。電気代が気になる人にも日常的に使える

加えてスマホ用のコントロールアプリのできがいいのも、BLUETTIをおすすめしたいポイントだ。昨今の電気代の高騰により、日常使いの電源としてもソーラーパネルでの発電を視野に入れておきたい人も多いと思う。

だが実際にコンセントからの充電と、ソーラーパネルからの充電を組み合わせるのは、普通だとなかなか大変な場合もある。例えばバッテリーをコンセントに繋ぎっぱなしにすると、朝にはフル充電されている。そうなるとせっかくソーラーパネルが発電を始めても、それを充電するための空き容量がないため、発電がムダになることがあるのだ。

だがBLUETTIのコントロールアプリを使えば、こうした問題が解決する。コンセントからの充電は価格が安い深夜電力の時間帯だけに限定するとか、70%まで充電して残りはソーラーパネルからの充電のために空けておくといった、細かい設定ができる。

こうした機能を備えるのも、BLUETTIは元々ソーラー発電システムを中心に開発してきたメーカーであり、系統電力とソーラー発電の共存が当たり前の大規模設備のノウハウがあるからだ。

もちろんキャンプなど屋外でも使えるよう、IP65の防塵防水仕様だが、大規模システムのノウハウを家庭用にまで降ろしてきているところが他社にないユニークなところといえる。購入後の保証が6年間という長さも安心できるポイントだ。

アウトドアにも日常にも心強い味方

これだけ多機能なモデルを、キャンプ用や非常用などたまにしか使わない用途でしか使わないのはもったいない。リン酸鉄リチウムイオン採用で飛躍的に充放電サイクル回数が伸びた次世代バッテリーシステムの「AC60 & B80」を、家庭内での日常使いや仕事用として、ガンガン使ってみてはどうだろうか。

(協力:BLUETTI JAPAN)