読者投稿「e-bikeな人々」

e-bikeが楽しすぎて遂にヒルクライムレースへ参戦。こだわりのカスタムも

e-bikeオーナーたちのリアルなe-bikeの楽しみ方や購入理由などをご紹介する読者投稿コーナーです

今回は石川県在住のトレック「Powerfly 5」オーナーの田村さんの投稿です。

石川県在住の田村です。前回はトレックのe-MTB「Powerfly 5」で絶景を求めて、山岳サイクリングを楽しむ日々を送っていましたが、ついにはレースに挑戦することにしました。

ある日、e-bike Watchで大好きな乗鞍スカイラインでのレースに関する記事が目に留まりました。

e-bikeでレースへエントリー。そして愛車をカスタム

「キター! よっしゃー!」「e-bikeならまだ参加者も少ないだろうからワンチャン入賞できるかも!」 ……なんてやましい思いがよぎりつつ速攻でエントリーしたのです。

これをきっかけにe-bikeレースが他にもないか調べていたところ、乗鞍スカイラインヒルクライムの2週間前に開催される「ツール・ド・美ヶ原」でもe-bikeクラスがあることを知りこちらも勢いでエントリー。 周りに出場を言いふらしたら「そんなe-bikeのレースなんて邪道やろw」とも言われましたが良いんです、楽しんだ者勝ちです。

でも、せっかく出場するなら、少しでも上位に入りたい思いで、以前から気になっていた車体の軽量化を施すことにしました。e-bikeのカスタムなので、レギュレーション的に問題ないか運営サイドに何度も確認し、国内正規市販の車体であればドライブユニットの改造とタイヤ外周を大きくしなければ良いとのことで、以下のカスタマイズを施しました

①フロントサスペンションのリジッド化
ノーマルのサスペンションは実測2.4kgとかなり重く、これを750gのカーボンフォーク(29erBOOST対応)に交換
②ノーマルの鉄下駄ホイールからボントレガー Line Pro 30カーボンホイールに交換
③走行抵抗の大きいMTBブロックタイヤからパナレーサー グラベルキングに交換
④ハンドルバー、シートポストをカーボンに交換
⑤XTR SPDペダルに交換

以上を施して、ノーマルの車体重量23㎏から18㎏と5㎏の軽量化に成功しました。 定番ですが財布もかなり軽量化(笑)。

軽量化に成功した「Powerfly 5」

そして、迎えた「ツール・ド・美ヶ原2022」。前回の遠征先である「美ヶ原高原道路」がコースとなります。 全クラス参加人数1,093人でe-bikeクラスは10人がエントリー、最終グループに交じってのスタートです。

スタート前の緊張の一瞬

周囲のe-bike参加者を見渡し、早そうな人をチェックして「何とかこの人について行ければ」と思いながら、そしてスタート!

最初の平坦路では周りのロードバイクに抜かされまくりですが、次の劇坂区間で逆転します。 やはり「e-MTBペダリング」をぶちかましたボッシュ製ドライブユニット「Performance Line CX」は強い!! 1,000台近くのロードバイクが前のグループですでにスタートを切ってましたが、ごぼう抜きしていきます。

ロードバイクとは別の乗り物なので、自分の実力ではないことは百も承知ですが快感を覚えます。 そして、ゴール。周りにe-bikeの姿が見えず「もしかして1位!?」と勝手に喜んでいたのですが、リザルト表を見て愕然。 自分は2位で1位の方はノーチェックで、なんと女性の方でなんと9分近く離されていたのです。

一瞬脳がバグりました。遥か彼方で先にゴールしたした人がいたとは……。人生初のレースを頑張って走り抜けて、まさかの2位という嬉しさと、悔しさと驚きが入り交じり会場を後にしたのでした。

いざ、乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム2022へ

そして、2週間後「乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム2022」の日が来ました。このコースは何度も「Powerfly 5」で走り込み、上部の平坦区間がかなり長いことも知っています。そこで、できるだけ走行抵抗を減らすべくフロントホイールをロード用に組み換える対策を施しました。

ノーマルのフロントホイールをバラし、BOOSTハブに対してMAVIC(マビック)の手組みしたロードリムを使用し、700×25Cmmのタイヤを装着です。

乗鞍でのレース仕様。通常はノーマルに戻してます

e-bikeでのエントリーは15名、見渡すとスペシャライズドのロードバイクe-bikeが多い。嫌な予感……。というのも美ヶ原でのレースも1位の方はスペシャライズドだったのです。

e-bike Watchの記事より引用

スタートしますが、走り慣れたコースとはいえレースではキツさ倍増です。おまけに天候が悪化して霧雨から本格的な雨に。自分が何位なのか分からずフィニッシュ。ゴール地点ではすでに2名のe-bikeを確認。結果、自分は3位でした。

今回も自分と2位の方のタイム差は5分以上と不甲斐ない思いが……。 なんだか壁みたいなものを感じたのでした。 e-bikeとはいえ、さらなる練習は必要ということです。

e-bike Watchの記事より引用

ゴール地点ではe-bikeクラス参加者の方々と健闘を称え合い、この時e-bike Watchの清水さん、増谷さんともお知り合いになったことが収穫でもありました。いろいろe-bikeの情報交換をしているうちに、唯一の女性参加者の古田さんから「野沢温泉自転車祭」というヒルクライムレースでもe-bikeクラスがあることを教えていただいたのです。ということで、次はみんな野沢温泉で会いましょうとなり、乗鞍を後にしたのでした。

そして、「野沢温泉自転祭2022」のヒルクライムレースに参戦しますが、いろいろあって結果はまたも3位。結果はともかく、印象的だったのは野沢温泉周辺の風景がなんとも美しく、のどかでしかもスキー場の施設が新しくキレイだったことです。信州好きな自分ですが、野沢温泉は(もちろん知っていたのですが)訪れたのは初めてで、このイベントがなければその魅力を知らないままだったかもしれません

右の方は e-bikeクラス優勝の八木さん

まさか、こんな魅力的なエリアだったとは……。各地のイベントに参加するとのは、もちろんそのイベントを楽しむ目的もありますが、その土地土地を知る良い機会なのだとあらためて気付かされました。そして、e-bike参加者の方々と来年またどこかの会場で会いましょうと野沢を後にしたのでした。

e-bikeを購入して良かったこと

こんな感じで3年前にe-bike Watchで得たいろいろな情報から始まったe-bikeライフ。長くなりましたが、上り坂、激坂、そして良い意味での「まさか」を体験できる「楽しさ」の連続でした。

普通の自転車でやっていたら自分の場合は、楽しさよりも遥かに「辛さ」のほうが上回っていたと思います。そして、これからも飽きずに信州近辺を走ると思いますが、少し足を延ばして箱根とか四国・九州・東北あたりも遠征出きれば、ともおぼろげにですが思ってます。

少し残念なのは、昨年に道路の一部が崩落した乗鞍スカイラインは仮設道路による仮復旧予定が来年になるということです(本復旧は2027年年予定)。自宅から一番近い超級山岳道路なのでレースを含めて何度も走ってますが、しばらくはお預けとなってしまいました。 工事関係者様においては大変な工事かと思われますが、復旧の日を楽しみに待っています。

e-bikeレースに関しては、まずは6月開催の「ツール・ド・美ヶ原2023」にはエントリーの予定です。しかし、現状ではまだまだe-bikeのカテゴリーは少ないのが寂しいところですね。e-bikeに関しては、車検など運営様は大変かと思いますが、どこかで新しくレースが開催されることを願ってます。 希望をいえば、最初から最後まで激坂のコースが好みです(笑)。自分の「Powerfly 5」を見かけたら、ぜひお声がけください。それでは!

投稿募集

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