関西電力、悪天候により大飯原発からの幹線送電線で異常信号
~再稼働作業には影響なし
キャリアリレー故障の概念図。もう1つの事象も同様の原因による |
関西電力は23日から24日にかけて、大飯原子力発電所からの幹線送電線の故障を告げる警報が繰り返し発生したと発表した。
最初に発せられた警報は、「第二大飯幹線1Lキャリアリレー故障」と「第二大飯幹線2Lキャリアリレー故障」で、23日23時から24日1時にかけて警報発信され、すぐに復帰する状態が断続的に続いた。
さらに24日8時には「大飯幹線1Lキャリアリレー故障」と「大飯幹線2Lキャリアリレー故障」警報が発信され、すぐに復帰した。
これらの警報は、大飯原発から送電を行なう幹線について送電線事故などの異常がないことを知らせる回線を監視しているもの。送電線の拠点同士をマイクロ波でつないで通信が行なわれている。当時、現地は悪天候で、マイクロ波が乱れるフェージング現象を起こしたため、通信が途絶して警告が発せられたとしている。
関西電力では、「発電所設備に影響を与えるものではなく、異常事象には該当しない。また、起動プロセスへの影響もなく、計画通り作業を進める」としている。
大飯原発については、経済産業省が16日に「福島事故後初の再起動となることを踏まえ、万が一事故が発生した場合の緊急対応に万全を期す観点から、特別な監視体制を整備することで、住民の『安全・安心』に万全を期す」として、「特別な監視体制」を整備すると発表した。
しかし、19日に発電機の冷却水位が少ないという警報が発信されたことが、翌日まで報告されず、改めて公表ルールが明確にされた。現在では、「作業の工程上予期されていない警報等の事象が発生した場合には、安全への影響の有無に関わらず、速やかに当該事象について公表する」としている。
(伊達 浩二)
2012年6月25日 00:00
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