三菱、3つの節電機能を搭載した冷蔵庫「RXシリーズ」

「冷蔵庫RXシリーズ」

 三菱電機は、3つの節電機能を搭載した冷蔵庫「RXシリーズ」4機種を12月1日より順次発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は26~32万円前後。

  三菱電機の最高級モデルの冷蔵庫。同社の冷蔵庫は冷凍機能に力を入れている点が特徴となる。独自の冷凍技術で、食品の細胞破壊を防ぎ、おいしさを保ちながら冷凍する「おいしく瞬冷凍室」を設けているほか、冷凍した肉も包丁で切れる「切れちゃう瞬冷凍」機能などを搭載している。


型番容量希望小売価格発売日店頭予想価格
MR-RX62T620Lオープンプライス2月10日32万円前後
MR-RX57T565L2月1日30万円前後
MR-RX52T520L12月1日28万円前後
MR-RX47T465L1月13日26万円前後


  新モデルでは、冷蔵室や冷凍室などの各部屋を断熱材で仕切ることで、それぞれに適した温度調節を行なう「全室独立設計」機能を搭載。部屋ごとに独立して温度センサーや扉開閉センサー、吹き出し口などを設けているため、これらのセンサー機能を組み合わせた、きめ細かな節電ができるという。

 

センサー機能を組み合わせて節電機能を高めた点が特徴となる断熱材を用いた壁で部屋ごとに仕切った「全室独立設計」を採用している温度センサー、扉開閉センサー、室温センサー、霜取りセンサーの4種類、計16個のセンサーを搭載し、キメの細かい節電運転に対応する
カットモデル冷蔵室製氷室と瞬冷凍室
冷凍室野菜室扉中央にある操作パネル
瞬冷凍室では、一定温度までゆっくり冷やした後、一瞬で凍結させるため、食品の細胞破壊を防ぐという。庫内温度は、-7℃で冷凍するため、食品の保存期間は2~3週間と長持ちし、食材の無駄を減らせる左が「切れちゃう瞬冷凍」で凍らせた肉。右が普通の冷凍庫で凍らせた肉。「切れちゃう瞬冷凍」で凍らせた肉は、包丁で少し力を加えれば切れたが、冷凍庫で凍らせた肉はカチコチに固まっていて切れなかった

 新モデルでは、全室独立構造を活かした3つの節電機能を新たに搭載した。

 1つ目の節電機能は、冷やし過ぎの無駄を防ぐ「部屋別おまかせエコ」機能。各部屋ごとに扉の開閉や、使用時間を検知。温度センサーと扉開閉センサーで各部屋ごとに最適な制御を行なうという。扉の開閉の多い朝は事前に庫内を冷やしておいたり、夜間に霜取りを行なうことで、冷やし過ぎの無駄を防ぐことで、食品の保存状況に影響を及ぼさずに、約10%の節電ができるという。

庫内の冷やしすぎを防いで節電する「部屋別おまかせエコ」機能部屋ごとに独立して温度センサーと扉開閉センサー、吹き出し口を設けている

 2つ目の節電機能である「パワーセーブモード」は、冬場の製氷機能を停止したり、「おいしく瞬冷凍室」の運転をセーブすることで、最大約16%節電する機能となる。同社の調べによると、冬場に製氷器を使わない人は50%以上にのぼり、使わないときに冷却を止めることで、節電できるとしている。なお、部屋別おまかせエコ機能と併用すれば、より節電効果を高められるという。

製氷室と瞬冷凍室を同時にパワーセーブモードにした場合、最大約16%節電する製氷機能を停止したところ、消費電力は38Wから35Wへと下がった製氷機能を停止し、さらに瞬冷凍室の運転もセーブしたところ、消費電力は31.9Wまで減った

 3つ目の節電機能の「節電モニター」では、節電の度合いを3段階で扉の操作部に表示する。冷蔵庫の扉の開閉回数/設定温度/節電運転状況によって、「標準運転時」「約5~10%節電」「約10%以上節電」のいずれかを表示する。これにより、ユーザーに節電への参加意識を高め、積極的な節電をアシストするという。

節電度合いを見える化する節電モニターは、操作部の上部に位置する
発表会では、節電モニターをわかりやすく拡大して展示。これは2段階目の状態部屋別おまかせエコとパワーセーブモードを併用し、最大限節電している状態

 製氷時間も短縮した。空気の流路を変えることで、1回あたり12個の氷が作れる「急速製氷モード」だと、製氷時間は80分から60分へと20分早くなった。

従来の製氷器の空気の流路新製品では、空気の流路を二つに分けることで、冷却効果を高めた

 このほか機能面では、冷蔵室下段のチルドルームでは、食品の急速冷却や急速解凍ができる「快速チルド」機能を搭載している。チルドルームの奥には、冷気を循環させる専用のサーキュレートファンが配置され、具体的には、-18℃で冷凍した肉を快速チルドの「急速解凍モード」で解凍にすれば、約30分で包丁で切れる半解凍状態にできるという。

冷蔵室下段の様子冷蔵室下段のチルドルームチルドルームには専用のファンが付いており、食品の急速冷却や急速解凍が可能

 使い勝手の面では、縦向きに扉を開けられる「らく開(あ)きハンドル」を新たに採用。これまでどおり扉の下から逆手で開けることもできるほか、扉の中央に縦に手をかけて開くことができる。

 冷蔵室の収納棚には、奥に入っている食品にも手が届くように棚が回転する「回るん棚」や、棚の高さを上下に変えられる「動くん棚」、奥行きが約半分で手前に背の高い食品を収納できる「ワン・ツー棚」を継続採用している。

縦横両方に手をかけて扉を開けられる「らく開(あ)きハンドル」を新たに採用冷蔵室のイチバン上段には、奥に入っている食品にも手が届くよう「回るん棚」が採用されている

 手入れの面では、製氷皿・給水経路・給水ポンプ・給水タンクなどがすべて外して洗える「まるごとクリーン清氷」を採用している。

製氷皿・給水経路・給水ポンプ・給水タンクなどがすべて外して洗える「まるごとクリーン清氷」を採用製氷皿では、一度に最大で12個の氷が作れる
製氷器も外せる製氷器のフィルターなども全て取り外して水洗いできる

 庫内容量620LのMR-RX62Tのサイズは745×733×1,821㎜(幅×奥行き×高さ)。消費電力は現段階で非公表。カラーは全機種でロゼシャンパン、クリスタルホワイト、ロイヤルウッドが用意される。

 三菱電機リビング・デジタルメディア事業本部家電事業部長 荒木茂氏は、「弊社では9月1日に『三菱ならもっと節電! らく楽』宣言を出し、家電事業において節電機能を高め、高度な機能でも使いやすいよう、製品を展開していく予定だ。節電対策といっても、我慢するのではなく、楽しみながら節電を続けていけるように提案していく」と話した。

三菱電機リビング・デジタルメディア事業本部家電事業部長 荒木茂氏震災の影響による節電意識の向上や、環境志向の高まりから、節電製品に注目が集まる省エネ製品への買い替えや、我慢するのではなく、楽しみながら節電を続けていけるように提案していくという





(小林 樹)

2011年10月17日 17:22