関西電力、40万kWの堺港火力発電所2号機が故障、復旧に数カ月

~17日から、さらに厳しい需給状況へ
折れたガスタービンの羽根

 関西電力は8月13日に、大阪府堺市の堺港発電所2号機(出力40万kW)が運転を停止したと発表した。

 13日10時38分に、ガスタービン内部の異常を示す警報があり、自動的に運転を停止した。設備の冷却を待ち、14日13時50分に内部を目視点検したところ、ガスタービンの羽根の一部に損傷がみられたという。運転再開には、少なくとも数カ月以上かかる見込みとしている。

 今回の堺港2号の停止により、関西電力の電力需給状況は、さらに逼迫した。直近の8月15日の「でんき予報」は、予想最大電力2,200万kWに対し、ピーク時供給力が2,720万kWで、使用率は80%と余裕があり、「安定した需給状況」を予想している。

 しかし、「週間でんき予報」では、お盆休みが終わり、需要がふくらむ17日と18日について、使用率95%~97%を表わす「厳しい需給状況」としている。

8月14日時点の「週間でんき予報」。お盆休みが明ける企業が増える17日から需給が逼迫する

 堺港発電所は、最新鋭のコンバインドサイクル発電システムを持つ火力発電所で、2009年から2010年にかけて運転を開始した。1号機から5号機の5基が、それぞれ40万kWの出力を持つ。

 コンバインドサイクル発電システムは、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電方式で、同じ出力の蒸気タービンシステムに比べ、燃料に対する出力の効率が良く、温排水の量が少なくなるという利点がある。






(伊達 浩二)

2011年8月14日 21:08