ニュース
象印ロゴが「象さんだけ」になったきっかけ おしゃれ家電STAN.開発話
2025年9月17日 07:05
象印マホービンが展開する、暮らしに寄り添う家電「STAN.」シリーズ。創業101年目の新たな提案として2019年に誕生し、炊飯器やホットプレートなどを展開してきた。そしてこの度、STAN.ユーザー待望の電気ケトルとスチーム式加湿器がラインナップに加わることとなった。
シンプルで統一感のあるデザインが人気の同シリーズ。従来の同社家電には「象さんマーク」と「ZOJIRUSHI」を並列したロゴを採用していたが、STAN.では「象さんマーク」のみを配置して、よりシンプルにしているのも特徴だ。以降、この「象さんマーク」のみのロゴが全製品に展開されることとなったことからも、STAN.のデザインについての評価の高さがうかがえる。
同シリーズのデザインを手掛けているのは、クリエイティブユニット・TENT。「うつわのような佇まい」をデザインコンセプトとするSTAN.がどのように生まれたのか、また新製品の電気ケトルとスチーム式加湿器のこだわりポイントについて聞いた。
ノイズの少ないデザインを目指した
開発当初、さまざまなディスカッションを繰り返すなかで「家電はインテリアに馴染まないため、使うときだけ出して、使わないときは隠してしまう」というユーザーがいることがわかり、ものづくりにかかわる人間として残念な気持ちになったと語るTENTの治田将之さん。
一方でそこにヒントがあるとも感じ、「キッチンに馴染む製品」について検討していった。「食器はしまわなくても、それを含めてキッチンではいい景色となっている」ことから、これを軸にした「うつわのような佇まい」というデザインコンセプトが生まれた。
治田さんは「そぎ落としてミニマルにしようとすればするほど、ただの四角になってしまいがち。(第1弾製品の)炊飯器はごはんを炊く道具なので、買う人においしいごはんが炊けそうと感じ取ってもらえることを大事にしていた」とコメントしている。
現在、STAN.には炊飯器、トースター、ホットプレート、オーブンレンジ、電動ポット、加湿器、電気ケトルの計7製品がラインナップされている。新発売の加湿器と電気ケトルは、STAN.ユーザーアンケートの「ほしいアイテム」でそれぞれ1位と2位に選ばれており、待望の登場となった。そんな新製品へのこだわりについても語られた。
スチーム式加湿器「EE-FA50」の開発では、寝室などでも使いやすいように、目立ちにくい操作部をイメージしていた。象印側から「今回、透過型の表示とタッチ操作が可能になりそうだ」との提案を受け、必要なときだけ表示されて必要のないときには消える、ノイズの少ない操作部の実現に向けて開発が進められた。
しかし、STAN.シリーズの特徴である、ざらっとしたマットな質感のパネルの裏からマークなどを透過させて表示しようとすると、すりガラス越しに見ているかのようにぼやけてしまい、はっきり見えなくなるという課題があった。
この問題に対して、操作部のあるフロントは粗いシボから細かいシボに切り替えることで解決。側面から中央に向かってグラデーションで切り替えているため違和感がなく、実際に見ても言われなければ気付かないほど自然だ。
一方の電気ケトル「CK-PA08」では、一般的な電気ケトルに採用されている水位確認窓が外観のシンプルさを損ねていることに着目。本体内側で水位を確認できるようにすることで、STAN.シリーズのノイズレスなデザインを継承している。
電気ケトルの直販価格は9,900円、スチーム式加湿器は33,000円。どちらも9月1日に発売されたばかりだ。気になる人にはぜひ、家電量販店などでその質感なども含めてチェックしてみてほしい。













