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認知症リスク回避に、若いうちからスマホを使って血圧管理

オムロンの血圧計と連携できるスマートフォン向けアプリ「血圧ノート」

 オムロン ヘルスケアは、プラスアールが提供するスマートフォン向けの血圧管理アプリ「血圧ノート」に、同社が持つ血圧管理プログラムを搭載する。利用料は無料で、5月25日にバージョンアップ開始。

 「血圧ノート」は、血圧管理に特化したアプリにおいて、ダウンロード数No.1のスマートフォン用アプリ。オムロンの血圧計と連携して使用でき、iOS、Android端末ともに対応する。今回のバージョンアップにより、オムロン ヘルスケアが医師とともに開発した、高血圧治療に有効な血圧データのノウハウが搭載される。

プラスアールが提供するアプリ「血圧ノート」
オムロンの血圧計と連携

高血圧は認知症のリスクに、若いうちからスマホを使って対策を

東北大学大学院 医薬開構想講座 今井 潤教授

 高血圧症は、日本人に最も患者数が多い生活習慣病であり、さらに高血圧症は認知症のリスクを高くするといわれている。そのため、若年期からの血圧管理が大事であり、中年期(50歳以下)に高血圧を治療すると、認知症の発症を大幅に抑制できるという。

 東北大学大学院 医薬開構想講座 今井 潤教授は、血圧管理について次のように語った。

 「一般的に血圧は、男性は30代後半、女性は40代前半から高くなりやすいです。近年の研究から、高血圧は認知機能の低下につながり、認知症を発症しやすくなると言われています。ほかにも、脳卒中や糖尿病などを招く原因でもあり、合併症を防ぐためにも30~40代からの血圧管理が大事。スマートフォンという身近なアイテムから、簡単にチェックしていただきたい」

 スマートフォンでの血圧管理方法として、オムロンの上腕式血圧計「HEM-7510C/7324C/7280C/7270C」、手首式血圧計「HEM-6310F/6300F」が利用できる。上記の血圧計から、測定したデータをBluetoothやNFC接続により、スマートフォンアプリ「からだグラフ」に転送することで、プラスアール社の「血圧ノート」に自動で測定結果が同期される。

認知症高齢者数の推計
高血圧と認知機能の低下には関係があるという
50歳までに高血圧を治療すると認知症リスクの低減に
若年層の血圧管理にはスマートフォンなどが有効
アプリ「血圧ノート」で管理
オムロンの上腕式血圧計。いずれもBluetoothやNFC機能でスマートフォンにデータを転送できる

 バージョンアップされた「血圧ノート」では、新たに9つの血圧グラフを用意。グラフは、日別の基本グラフや、初回からの血圧の変化、血圧平均値、曜日別測定頻度などが表示される。

 ほかにも、血圧が上がりやすいタイミング(時間/曜日/時期)の傾向を知らせたり、日々のデータをもとに、血圧傾向の良し悪しを教えてくれる「ひとことアドバイス」機能を搭載する。アドバイスは、「月曜の晩の最高血圧は、他の平均より9以上高いよ」「朝は毎日計れているみたい! 晩の計測も頑張ろう♪」などを用意。

 なお、これらのデータや分析方法は、日本高血圧学会が制定した「高血圧治療ガイドライン 2014(JSH2014)」に沿って搭載されている。

 血圧計の結果により高血圧だと判断された場合は、医師による薬物療法や生活習慣などから降圧していく必要があるという。アプリで記録したデータは、パソコンを通じて印刷可能。血圧データを、スマートフォンの画面ではなく、印刷した状態で医師に提出したいというニーズにも応えたという。

アプリ内では、計9つのグラフを用意
データを印刷でき、医師に提出しやすい
家庭での血圧管理例

西村 夢音