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価値共創の拠点となるツインバードの新社屋

ツインバード日本橋ゲートオフィスの入り口

 ツインバード工業は、東京支社の新オフィス「ツインバード日本橋ゲートオフィス」の見学会を開催した。土地建物、家具備品を含め16億円で取得した自社ビルで、新潟の燕本社で開発・製造した製品を、日本橋ゲートオフィスを通じて世界に届けたいという思いが込められている。

 場所は、中央区日本橋小伝馬町で、広さ261平方mの土地に、延べ床面積1,828平方mの9階建てのビルを構える。

 フロア構成は、1Fと2Fがショールーム、3Fが受付・ラウンジ、SC(スターリングクーラー)ショールーム、商談室、プレスルーム、4Fはミーティングフロア、5F~8Fはオフィスフロア、そして9Fは社長室、役員室となっている。

価値共創をさらに深めるための拠点

価値共創企業として、ユーザーとのコミュニケーションを深めていくという

 ツインバード工業は、燕三条の職人魂とともに創業から60年、「感動と快適さを提供する商品開発と合わせて、“お客様と私たちは一対の鳥”」という経営理念を持ち続けてきた。

 しかし、少子高齢化やデジタル化など、時代の流れとともに変化する外部環境により、従来のビジネスモデルでは限界が見えているという。ブランド力や認知度を高めなければ、良い商品があってもユーザーには届かないと、ブランディングの必要性を感じている。

 そこで、中期事業戦略として、「ブランディング」「海外事業展開」「スターリングクーラー事業展開」の3本の矢を掲げ、本格的な“価値共創”を実現するために、日本橋にオフィスを構えた。

 日本橋に自社ビルを構えた目的は、大きく分けて「ブランディング」「商品企画力の向上」「国内営業力の強化」「海外展開力の強化」「リクルーティング」の5つ。

ブランディング

 ブランディングでは、体験型のショールームでモニター会やキャンペーンを実施する。消費者と一緒にモノづくりをしたり、プレスルームからの積極的に情報を発信して、商品や企業認知度を向上させる。また、誇りを持って仕事をする社員の姿も発信するという。

リビングやキッチンなどを模したエリアに同社の製品を展示し、各製品の魅力をアピールする

商品企画力の向上

 新商品の企画・デザインを行なうラインを設置。ブランドプロミスである「一緒に、つくる。お客様と。」を実践する場として、ユーザーのニーズを把握し、マーケティングや企画、デザイン系の企業とコラボレーションしながら、商品を企画していく。

「一緒に、つくる。お客様と。」を実践する場として、バイヤーや協力企業、消費者の声を聞き、それを基にモノづくりを行なっていく

国内営業力の強化

 現在は、サーキュレーターや掃除機など、200点ほどの製品のみ展示しているが、将来的には、600機種全商品を展示する予定。実演などを交えて取引先へ提案していく。また、交通アクセスの良さを活かし、商談数の増加や、課題解決型の営業を推進していく。

現在はサーキュレーターや掃除機など、200点ほどの製品を展示している

海外展開力の強化

 羽田や成田に行きやすい立地を活かして、商談数を増やし、海外への展開力を強化していくという。

リクルーティング

 学生や経験者に働きかけ優秀な人材を確保するため、会社説明会や面接などを積極的に行なう。

野水氏就任後、新たな試みを次々と行なうツインバード工業

ツインバード工業株式会社 代表取締役社長の野水重明氏

 2011年に野水重明氏が社長に就任して以来、Facebookの公式ページを立ち上げるなど、新しい試みを意欲的に行なっているツインバード工業。6月には同社の公式サイトもリニューアルされる予定となっている。

 今回見学したツインバード日本橋ゲートオフィスの1F、2Fのショールームは、今のところ社員専用のスペースとなっているが、将来的には試食会や体験会などを開催予定で、一般の人も気軽に入れるようにするという。このような、“お客様と私たちは一対の鳥”という経営理念に基づいた施策は、今後も展開されていくだろう。

 ツインバード日本橋ゲートオフィスは、1Fにカフェ(現在は社員専用)があるなど、社員が集まり気軽に雑談ができるスペースなどが用意されている。各フロアはモダンなデザインで、屋上にはスカイツリーが見える休憩スペースが設けられている。夏には花火も見える絶好のロケーションだそうだ。今回は、オフィスフロア以外のフロア内を写真で紹介する。

中野 信二