シャープ、容量1.4kWhの業務用バックアップ電源

~太陽光発電の自立運転と組み合わせも想定
「バックアップ電源システム JH-AB01」

 シャープは、蓄電池を内蔵し、停電時に電力を供給する「バックアップ電源システム JH-AB01」の受注を11月30日に開始する。希望小売価格は719,040円。

 バックアップ電源システムは、容量1.4kWhの鉛蓄電池を搭載した製品。入力は2系統で、商用電源と太陽光発電の自立運転出力が接続される。出力は、配線用の出力端子台を備えており、複数の機器が接続できる。また、100Vのサービスコンセントを2個持っており、直接、電気機器へも給電できる。

商用電源と停電時に使用する電気器との間に接続するふだんは、商用電源からインバーターを通して給電を行なっている停電時は自動的に蓄電池から給電する

 通常時は、商用電源から充電しつつ、電気機器に電力を供給する。停電時は、自動的に充電池に電源を切り換えて電力を供給する。給電は常時インバーター方式のため、切替時の瞬停がなく、パソコンなど瞬停に弱い機器でも問題なく使用できる。停電から復帰した際は、自動的に商用電源へ復帰する。

 シャープでは、災害時には情報/通信/照明/生活など、多くの用途で電源が必要とされるため、大容量のバックアップシステムが必要としている。今回の製品では、容量が1.4kWhあり、液晶テレビやLED電球など約340Wの機器を約4時間使用できる。また、非常時にコンセントの差し替えが必要な独立した蓄電池ではなく、すぐに使用できる、配線に組み込まれたシステムが有効としている。

災害時に使用したい電気機器は意外に多い配線済みで切り換え動作などが不要なので、すぐに機器が使える

 太陽光発電システムとの組み合わせは、発電システムのパワーコンディショナー(パワコン)を自立運転に切り換える停電時の使用が前提となる。昼間は、パワコンから供給された電力で、充電を行ないながら、電力を供給する。発電が止まる夜間は、充電池から電力を供給する。

太陽光発電システムとの組み合わせ時には、パワコンを自立運転にする必要がある発電が止まる夜間は、蓄電池から給電する発電量が不安定でも、安定して給電できる

 また、自動切り替え機能により、商用電源が停電から復帰した場合は、自動的に電源を商用電源へ切り換える。ただし、パワコンの連系運転への切り換えは手動となる。

停電発生時には自動的に太陽光発電システムに切り換えできる。ただし、パワコンの自立運転への切り換えは手動で行なう必要がある商用電源の停電が終了すると、自動的に商用電源へ切り替わる。この場合も、パワコンの連系運転への切り換えは手動バックアップ電源システムにより、太陽光発電システムの欠点をうまくカバーできる

 鉛蓄電池の満充電時間は約50時間、90%充電までは約28時間。設置は屋内専用。本体サイズは440×706×538mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約136kg。






(伊達 浩二)

2011年11月17日 17:07