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オムロン、太陽光発電から効率よく電気自動車へ充電するV2Xシステム

マルチV2Xシステム「KPEP-A-2シリーズ」

オムロン ソーシアルソリューションズは、主に住宅に向け、家庭用の太陽光発電と電気自動車を連携させ、効率的に電気が使えるようにする、マルチV2Xシステム「KPEP-A-2シリーズ」を4月に発売する。新シリーズは、従来の「単機能型V2Xシステム」に加え、太陽光発電とV2Xを1つのシステムとして動作させる「ハイブリッドV2Xシステム」もラインナップする。

「単機能型V2Xシステム」に加え、「ハイブリッドV2Xシステム」もラインナップ

「V2X」とは「Vehicle to X」の略で「電気自動車(EV)と何かを接続したり相互連携を総称する技術」のこと。V2Xを使うことで、電気自動車への充電、電気自動車から住宅への放電が可能になる。

V2Xシステムは、電気自動車を大容量の蓄電池システムと見立て、ためた電気を住宅(V2H)や施設(V2B)で活用できる。太陽光発電と組み合わせることで再生可能エネルギーの自家消費を効率よく行なえる。

新製品のKPEP-A-2シリーズは、主に「V2X用パワーコンディショナ KPEP-A-2」と「EVユニット KP-DDV-2」、「V2X用PVユニット KP-DDP」の3つで構成される。

まず「EVユニット KP-DDV-2」は、主に電気自動車とのやり取りを担当。電気自動車との接続を管理し、充電と放電の制御を行なう。また「V2X用PVユニット KP-DDP」は、主に太陽光発電システムとのやり取りを担当する。

そして「V2X用パワーコンディショナ KPEP-A-2」は、「EVユニット KP-DDV-2」や「V2X用PVユニット KP-DDP」と連携。主に太陽光発電システムや電気自動車からの直流電力を、家庭で使用可能な交流電力に変換したり、逆に家庭の交流電力を電気自動車用に直流に変換する。

「ハイブリッドV2Xシステム」での電力の流れ

段階的な導入で初期費を抑えられる

マルチV2Xシステム「KPEP-A-2シリーズ」は、既に太陽光発電システムが設置している住宅にも、後付けが可能。既設の太陽光発電システムをそのまま使う場合は、まず「単機能V2Xシステム」として既存システムと併設することで、電気自動車と連携できるようになる。

そうして使っているうちに、太陽光発電システムの既設パワーコンディショナが故障した時点で、新たに「V2X用PVユニット」に置き換え、「ハイブリッドV2Xシステム」へとステップアップさせられる。段階的な導入が可能なため、初期費を抑えながら住環境に合わせた活用が可能だ。

段階的な導入が可能

これから新たに太陽光発電システムと電気自動車を導入する場合は、「単機能V2Xシステム」ではなく、「ハイブリッドV2Xシステム」がおすすめという。

従来の「単機能V2Xシステム」では、太陽光で発電した直流電力を既設パワーコンディショナで交流に変換したのち、「マルチV2Xパワーコンディショナ」で直流に変換し、「EVユニット」から電気自動車へ送る必要があった。だが、「ハイブリッドV2Xシステム」であれば、太陽光で発電した直流電力を、交流に変換することなくそのまま電気自動車へ充電可能。太陽光で発電した電力を変換ロスなく活用できる。

「単機能V2Xシステム」では、直流→交流→直流と変換を繰り返すことによるロスが発生する
「ハイブリッドV2Xシステム」では、変換ロスなく太陽光で発電した電力を活用できる