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シャープ、電気自動車が家の電源になる「V2H」参入 省スペースで実現

EV用コンバーター「JH-WE2301」

シャープは、電気自動車(EV)の充電と放電が可能なEV用コンバーター「JH-WE2301」を3月26日に発売し、EVのバッテリーを家庭の電源としても使えるV2H(Vehicle to Home)に参入。蓄電池や太陽光発電と連携した「Eeeコネクト」システムを提供開始する。EV用コンバーターの価格は165万円。

太陽光で発電した電気を効率的に自家消費するため、蓄電池だけでなくEVも一括で制御する3連携制御が可能なV2Hシステムを提供。3連携の制御はニチコンやパナソニックに続く対応となる。

新製品のEV用コンバーターは、太陽光発電と蓄電池とのDC連携可能なV2Hシステムにおいて業界最小/最軽量サイズを特徴としており、住宅の壁にも設置できる。シャープのクラウドHEMSサービスと連携するほか、有償でサポートサービスなども用意する。なお、太陽光発電や蓄電池がなくても、V2H単体のシステムとして利用できる。

設置イメージ。コンパクトなため省スペースで使える

省スペース設置できてEV充電と放電 太陽光発電を高効率で自家消費

新たに提供するEeeコネクトシステムは、太陽光発電した電気を直流(DC)のままEVに充電して、効率良く自家消費が可能なもの。車両の定格充電/放電はいずれも6kW。

Eeeコネクト

新製品のEV用コンバーターは、EVとパワーコンディショナー間の相互通信と電圧調整、制御の機能を持ち、EVの充放電に対応する。本体サイズは505×194×347mm(幅×奥行き×高さ)、重量23kgにコンパクト化。駐車場などでもEVの近くの壁に省スペースで設置可能としている。設置は屋内外どちらにも対応する。

このコンバーターを蓄電池連携型パワーコンディショナーに接続してV2Hシステムを構築すると、太陽光発電と蓄電池の制御、EV充放電の3連携が可能。日中など多く発電している時は、蓄電池とEVへの同時充電もできる。

蓄電池連携のパワーコンディショナーを使うと太陽光発電と蓄電池、EVの3つが連携

もし自宅が停電した場合にも、「移動する蓄電池」のような使い方が可能。停電していない地域へEVで移動してバッテリーを充電し、帰宅後にEVを家の電源として使い、放電しながら蓄電池にも充電できる。

なお、家に蓄電池や太陽光発電システムが無くても、EVと接続して利用できるため、後からシステムをアップグレードすることもできる。

シャープのクラウドHEMSサービス「COCORO ENERGY」のバージョンアップも実施。EVの気象警報連携に対応し、台風などの気象警報と連動して蓄電池だけでなく、EVの充電も自動で行なうことで停電への備えができる。

さらに、EV接続忘れも確認可能。V2HシステムはEVに充放電コネクターを接続後、通信を開始するためにEV接続操作が必要だが、COCORO ENERGYで指定時間にこの操作がされていないと、スマートフォンに通知させることで、EVの充電忘れを防げる。

機器保証のほか、有償でV2Hシステムの困りごとを解決する補償サービスも実施。24時間365日対応のコールセンターを設置して、夜間の操作などでの問題にも対応する。また、落雷や台風に加え、充放電コネクターの落下、車両の衝突など偶発事故への損害も補償。これらのサービスは最大15年まで延長できる。

充放電コネクターのケーブル長は7.8m。パワーコンディショナー側の定格入出力電圧はDC 340V。

今回発表されたEeeコネクトとEV用コンバータ―は、2月28日~3月1日に東京ビッグサイトで開催される「PV EXPO 国際太陽光発電展」のシャープブースにも展示される。