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電気自動車を家の電力に使う「V2H」補助金受付 個人向け最大45万円

車の電気を家庭でも使える「V2H」は、電気自動車を蓄電池のように活用できる。写真は日産の電気自動車とパナソニックのV2Hシステム

経済産業省は22日、電気自動車の電気を家庭でも使える「V2H」設備を導入する際に受けられる補助金の令和6年度の概要を発表した。前年度の令和5年度より総額は増えるものの、個人向けの最大額は減少。この補助金は予算額を超過する申請が入った時点で申請受付が中止となる。

電気自動車を充電するために家の電気(電力会社から購入した電気)を使うだけでなく、電気自動車から住宅への給電を可能にするV2H(Vehicle to Home)。この設備を導入すると、普段は太陽光で発電した電気を電気自動車にためておいて、必要に応じて家の電気としても使えるようになる。そのため停電など非常時の電源や、太陽光発電を自家消費する方法として注目されている。

太陽光発電がある家だと、発電した電気を自動車にためて、発電していない間の電力を車から供給できる

今回の「令和5年度補正・令和6年度当初予算」は、昨年度より増額となる約60億円を補助金として用意(前年度約50億円)。これを「公共施設/災害拠点」と「個人宅/その他施設」2つに配分した上で、募集を2回に分けて実施する。

個人向けの補助率や上限額は昨年度よりも減るが、これは限られた予算がより幅広く行き渡ることを狙いとしたもの。予算約60億円の配分は、公共施設/災害拠点が約15億円、個人宅/その他施設は約45億円。

個人宅向けのV2H補助率は機器(設備費)の1/3で、上限は30万円。工事費は1/1の上限15万円。なお、前回「令和4年度補正予算・令和5年度当初予算」は、個人向け設備費は1/2(最大75万円)、工事費は1/1(最大40万円)で、申請の9割超が個人宅、公共施設などの申請は少数だったという。

一昨年(令和4年度)と昨年(令和5年度)の補助金は、受付開始から約2カ月で予算を超過する申請があり、早期に受付を終了していたため、今回も早めに申請するよう案内している。

令和6年度 V2H充放電設備の補助金と前年度の違い
【今回】令和5年度補正・令和6年度当初 ※個人宅向け
補助率 機器:1/3(上限30万円)、工事:1/1(上限15万円)
【前年度】※個人宅/公共施設(申請の9割超が個人宅)
補助率 機器:1/2(上限75万円)、工事:1/1(個人:上限40万円、法人:上限95万円)

受付期間は、第1期が6月中旬~7月中旬、第2期が8月下旬~9月末で、いずれも選定方式ではなく申請日順に審査が行なわれる。予算額を超える申請が入った時点で申請受付を中止する。

補助要件の詳細については、一般社団法人 次世代自動車振興センターから案内される予定。6月10日には、補助金の第1期と第2期の申請手続きについてオンライン説明会を開催予定。

東京都は新築住宅のV2Hや蓄電池システム、太陽光発電に補助金

東京都では、都内の戸建の新築住宅に設置する太陽光発電システム(発電出力50kW未満)や、蓄電池システム、V2Hに対して助成を行なっており、交付申請受付期間は2024年4月1日~7月31日17時だが、予算額に達し次第終了となる。

このうちV2Hの場合は機器費用の1/2(上限50万円)を助成金として受けられる。ただし、国などの補助金を受けている場合は、対象経費の1/2から補助金額を差し引いた額がベースとなる。V2Hに太陽光発電設備を設置し、ZEV(排出ガスを一切出さない電気自動車や燃料電池車)を所有する場合は補助率10/10となり、金額は最大100万円。