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AmazonによるiRobot買収は実現せず コリン・アングルCEO退任へ

注目されていたAmazonによるiRobot買収は実現しなかった。事業再編によりiRobotのコリン・アングル会長 兼 CEOの退任も決定(写真:2023年9月撮影)

ロボット掃除機「ルンバ」で知られるiRobotは米国時間の29日、Amazonによる同社の買収の中止を発表した。EU規制当局による承認が得られなかったことによるもので、両社は「消費者や技術革新、競争にとっての損失」とコメントしている。同日にiRobotは事業再編計画の実施も発表。コリン・アングル会長兼CEOの退任などを決定した。

Amazonは2022年にiRobotを約17億ドルで買収する契約を締結したと発表していたが、EU規制当局による承認が得られなかった。Amazonは、買収が最終的に成立しなかったことによる違約金をiRobotに対して支払い、契約を解除する。

Amazonのデビッド・ザポルスキー上級副社長 兼 法務顧問は、EU規制当局の決定で買収が進められなかったことについて「消費者にとっての迅速なイノベーションと、より競争力のある価格の実現を阻害することになる」とコメントしている。

コリン・アングルCEO退任、掃除機以外の技術開発は一時停止へ

同日に発表されたiRobotの事業再編計画では、創始者の一人であるコリン・アングル会長 兼 CEOが退任。グレン・ワインスタイン執行副社長 兼 最高法務責任者が暫定CEOとなり、会長は取締役会のアンドリュー・ミラー首席独立取締役が務める。

同社は今後の製品開発ロードマップについて、中核であるフロアケア(ロボット掃除機など)の開発により注力する一方、それ以外の分野である空気清浄関連や、芝刈りロボット、教育などに関する技術開発を一時的に停止すると発表した。

当面の優先課題として、コスト削減による収益性の向上を挙げており、販売コストの大幅な削減や、中核以外のエンジニアリング機能のオフショア化による研究開発費削減などを計画している。