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パナソニック、水素と空気中の酸素で発電する純水素型燃料電池「H2 KIBOU」
2021年10月4日 06:05
パナソニックは、高純度の水素と空気中の酸素との化学反応で発電する純水素型燃料電池「H2 KIBOU」を、業務用途をターゲットに、10月1日に発売した。
単体で、5kWの発電出力が得られる純水素型燃料電池で、小規模な商業施設などの需要に適しているとする。また、複数台を連結制御することで、需要に応じた出力アップに対応できる。
パソコン上の専用アプリと接続することで、発電電力や状態の表示、発電のON/OFF、エラー通知など遠隔制御が可能。1台のパソコンで最大10台(50kW)まで同時接続ができ、さらに10台を1ユニットとして束ねることで、MWクラスの発電出力にも対応するという。
同社は、都市ガスから取り出した水素を用いて発電する家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」を、2009年に世界で初めて発売。以降、10年以上にわたり、発電効率の向上や稼働時間の改善、システムの小型化などエネファームを進化させてきた。
今回の「H2 KIBOU」では、エネファームで培った技術を応用しているという。例えば、燃料電池のキーデバイスである燃料処理器(スタック)をエネファームと共用化することで、安定した発電性能と業界最高の発電効率56%を実現。
また貯湯ユニットを接続すれば、発熱時に出る熱をお湯に変換して利用できる。この場合の、熱回収効率を含めたエネルギー利用効率は95%を実現するという。
そのほか抵抗器ユニットと起動用電源を使用すれば、停電時にも発電が可能。これらの停電対応ユニットを接続することで、停電時でも最大2.5kWの電力を継続して120時間発電できるという。
起動時間は約1分(定格出力開始までは約7分)。
本体サイズは834×417×1,766mm(幅×奥行き×高さ)。運転質量は205kg。通常時の最大消費電力は155W以下、凍結予防ヒータ作動時は578W、無負荷時は30W以下。ガス消費量は定格発電時が毎分49.6NL、最大時が同51.6NL。ドレン排水量は毎時約1.2L。