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リコー、3Dプリンターを使った「ピコ水力発電」システム
2022年3月15日 06:05
リコーは10日、少ない水量でも発電可能でメンテナンスの手間が少ないピコ水力発電のレンタルサービス「LIFE PARTS(ライフパーツ)」を開始すると発表した。
設置する場所や目的に応じたオーダーメイドのピコ水力発電システムを提供するサービス。
「ピコ水力発電システム」は、小さい水流でも設置・発電でき、センサーなどIoT機器の駆動や、照明などに活用が可能な発電システム。水流による抵抗を減少させるウィングレット構造をもった特徴的な螺旋羽根で効率的に発電することに加え、落ち葉詰まりなどをセンサーで検知して送信するため、メンテナンスの頻度や手間も軽減するという。
リコー沼津事業所の工場排水を用いた実証実験では、9カ月間にわたり、用水路の落下防止を想定した電灯の点灯や防犯カメラの電源としての活用可能性を確認した。電力をバッテリーに充電し、防災用の電源や携帯電話の充電などにあてる検討も行なっているとする。
京都里山SDGsラボ「ことす」との連携イベントでは、近隣の農業用水路で発電した電力を地域住民との触れ合いイベントに活用し、中山間地域の水力発電の普及に努めている。
本サービスは、リコーの新規事業創出の取り組み「TRIBUS(トライバス)」のなかで、社内チーム「WEeeT-CAM(ウィットカム)」が提案した。同社の強みである3Dプリンターを活用して独自形状の水力発電用プロペラを作成し、工場排水や地域の用水路などでの再生エネルギー(再エネ)活用促進を目指すという。
同社では再エネへの理解を深め、活用方法を検討してもらうため、地方自治体や教育機関向けに、ワークショップも実施している。
参加者が持参した使用済みのプラスチックを利用して、3Dプリンターを使ったピコ水力発電装置を作成し、年代に関わらずSDGs(持続可能な開発目標)・脱炭素社会についての理解を深め、さまざまな角度から社会課題について考えられる点が特徴。作成したピコ水力の活用可能性を検討することで、ピコ水力発電による脱炭素化を実行に移していくきっかけづくりになるという。
リコーは、「LIFE PARTS」の取り組みを通じ、電力の地産地消による脱炭素型・循環型社会の実現を目指し、地域の魅力を高め、地方創生を推進していく考え。