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パナソニック、新開発ナノイー Xで強力な加湿空気清浄機
2021年8月2日 14:18
パナソニックは、改良された新しい「ナノイー X」を初めて搭載した加湿空気清浄機「F-VXU90」を、9月21日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は107,000円前後。
花粉など様々な有害物質に作用するというOHラジカル量を、従来の「ナノイー」比で100倍となる48兆個/秒のスピードで生成する新しい「ナノイー X」を搭載した空気清浄機。コロナ禍で換気が習慣化したことによる花粉の侵入や、ペットを飼う世帯が増えたことによるペット由来アレル物質への意識の高まりなどを受けて開発された。
水に包まれたナノサイズの微粒子イオンのナノイーは、効果の決め手であるOHラジカル量を多くすると、より多くのカビ菌や花粉などに効果があると考えられている。
2003年に誕生したナノイーは、OHラジカル量が4,800億個/秒だったのに対し、2016年に登場した「ナノイー X」は4兆8,000億個/秒に増加。今回の新ナノイー Xは、さらに10倍となる48兆個/秒まで強化された。
OHラジカル量の増加は「ナノイー」デバイスの放電部を、円周状に放電する「ラウンドリーダ放電」に改良したことで実現。このデバイスは、山形大学 東山禎夫名誉教授と共同で開発した。
ナノイー比100倍を実現したことで、「花粉・アレル物質のスピード抑制」、「ニオイのスピード脱臭」、「カビのスピード抑制」の3つの効果が特に進化したという。
花粉を99%抑制する時間は、2020年発売の従来モデル「F-VXT90」比で1/4に短縮。また、3方向に吹き出す立体的な気流が部屋全体を効率よく循環する「3Dフロー花粉撃退気流」も引き続き搭載。ハウスダストの中でも特に重く床上30cmに溜まりやすい花粉もパワフルに吸引する。
スマートフォンアプリの「ミルエア」を使うことで、部屋の空気の状態や稼働ログの確認、メンテナンスサポート、自分だけの運転モード「わたし流運転」の設定が行なえる。外出先や別の部屋からでもオン/オフ操作などができる。
同社のルームエアコン「エオリア」と連携して、暖房時に自動で加湿運転し乾燥を防ぐことも可能。エアコンの「エオリア」アプリで「うるおい暖房」を作動させると、空気清浄機の電源が自動で入って加湿を行なう。
本体サイズは約398×287×640mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは11.4kg。空気清浄の適用床面積は40畳で、加湿空気清浄の場合は35畳。加湿畳数は15畳(木造)/24畳(プレハブ)。加湿量は300~870ml/時。消費電力は空気清浄が5.5~88W、加湿空気清浄が9.3~65W。カラーは木目調とホワイトの2種類を用意する。
新ナノイー Xは、新しい分野への展開も
新しい「ナノイー X」は、今回の加湿空気清浄機以外にも、同社製品において搭載されていく予定。“清潔”に特化した新しい分野への展開も予定しているという。なお、新しいブランドなどを付ける予定はなく「ナノイー X」の名称は継続する。
OHラジカルが増えたことによる、新型コロナウイルスへの効果については「高まる方向だと思うが、具体的な(確認の)方法は今後検証する」(パナソニック アプライアンス社 常務 技術担当 兼 技術本部 本部長 宮下充弘氏)としている。
一方で人体への影響について宮下氏は「OHラジカルは水に包まれた自然由来の物質で物質として安全」と説明。同社の試験基準でも安全を確認したという。