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ガソリン携行缶の誤った保管方法で引火の事故も。国民生活センターが注意喚起

保管場所など取り扱いの方法を誤ると、ガソリン携行缶からガソリンが漏れて引火することも(写真は国民生活センターによる検証)

独立行政法人国民生活センターは、ガソリン携行缶の取り扱いに関する注意点について発表した。

全国消費生活情報ネットワークシステムには、ガソリン携行缶に関する相談が11件寄せられている(2015年から2021年1月31日まで)。いずれも保管中の携行缶からガソリンが漏れていたり、携行缶に亀裂が入ったというもの。さらに医療機関ネットワークには、ガソリン携行缶から漏えいし、付着したガソリンに引火したと考えられる事故情報が寄せられているという。過去には多くの死傷者が出た引火・爆発事故も発生している。

そこで国民生活センターは、ガソリン携行缶に関するテストを実施。直射日光が当たる車内にガソリン携行缶を放置したところ、内容物の温度は60℃以上に上昇した。さらに、ガソリンの入った携行缶の内圧が上昇した状態でキャップを外したところ、ガソリンが激しく噴出したという。保管環境が悪いと、内部パッキンの劣化によってガス漏れが発生する可能性があり、危険だとしている。また、ガソリン携行缶の内圧の変化が繰り返されると、亀裂が生じ、ガソリンが漏えいする恐れがある。

同センターでは消費者に対し、直射日光が当たるなど、高温になる場所にはガソリンの携行缶を保管しないように呼びかけている。また、温度変化の大きい場所での保管を控えるとともに、こまめに圧力調節を行なうよう案内している。ガソリンは危険物のため、取り扱いや保管には十分な注意が必要。

ガソリン携行缶の最大容量は22Lと消防法冷によって規定されており、小型のものは1L以下など大きさや形状はさまざま。消防法令で定められた安全性能基準に適合しているものには「KHKマーク」や「UNマーク」がいずれか一方、または両方添付されていることが多いという。