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ヤマハ、2020年度の発売を見据えたe-bikeの参考出展車「YPJ-YZ」

 ヤマハ発動機は、フルサスe-MTBの参考出展車「YPJ-YZ」を東京モーターショー 2019(会期:2019年10月25日~11月4日)で展示している。非常に存在感のある個性的なデザインが印象的だ。

東京ビッグサイトで開催される「東京モーターショー 2019」。ヤマハブースは西2ホール
フルサスe-MTB「YPJ-YZ」

 「YPJ-YZ」は、レースで走ることをイメージしたe-bikeのレーシングマシンを表現したモデル。同社のモトクロス競技専用車「YZ」シリーズを彷彿とさせるセンターマスコンセプト(車体の重心に重量を集中させて運動性能を高める設計思想)を、2本のダウンチューブでバッテリーを挟み込む独自のレイアウトで実現している。これによって厳しい路面での安定したコーナリング性能と、軽快な取りまわしを可能としたとする。

2本のダウンチューブでバッテリーを挟み込む独自のレイアウト
直線的に下がったトップチューブも同様のレイアウトになっている

 「YPJ-YZ」のデザイン担当者によると、e-bikeの中でもスリムなスタイリングを目指したという。「剛性」「重量」「デザイン」の3つにこだわったアルミフレーム製で、直線的に下がったトップチューブも印象的だ。これはユーザーの乗降しやすさのニーズにも応えるためでもあるそうだ。そして、「YPJ-YZ」を見たときに“ワクワクする”デザインにこだわったという。また今後はe-MTBを開発するメーカーとして、各メーカー同士が協力して「楽しむフィールド」も提供していくようにならないといけないと語っていた。

大容量の500Wh(36V-13.3Ah)バッテリーはダウンチューブに内蔵。軽量化にこだわり、あえて“バッテリーが見える”デザインに

 バッテリーは、YPJ-XC同様に大容量の500Wh(36V-13.3Ah)を採用。ダウンチューブ内蔵型となっているが、“バッテリーが見えている”点も特徴だ。バッテリーを完全に見えなくするためにはもう一枚カバーが必要となる。だが少しでも軽量化を図るために、あえて“バッテリーが見える”デザインにしているそうだ。

ドライブユニットはPWシリーズのハイエンドモデルとなる「PW-X2」

 ドライブユニットは、すでに海外で発売されているPWシリーズのハイエンドモデル「PW-X2」を採用。PW-Xとサイズはほぼ変わらないが、よりパワフルなチューニングが施されており、シマノやボッシュのハイエンドモデルと同等のパワフルさを誇るとしている。よりパワフルな走りを楽しめるが、アシストモードは現行モデルのYPJ-XCと同じ「プラスエコモード」「エコモード」「スタンダードモード」「ハイモード」「エクストラパワーモード」で、新たにe-MTBモードなどは設けない予定だという。

コンパクトになった液晶ディスプレイはヘッドセットに固定

 液晶ディスプレイはヘッドセットに固定される。よりコンパクトになってスリムなデザインに貢献している。写真では見えないがマイクロUSBポートも搭載しており、従来どおりスマートフォンへの給電も可能。

車体の重心に重量を集中させて運動性能を高めるセンターマスコンセプトを採用
現時点ではコンポーネントはSRAM(スラム)が採用されていた
フロントサスペンション
リアサスペンション
タイヤサイズは27.5×2.8
油圧式ディスクブレーキ
握りやすさとデザインにこだわったグリップ
ドロッパーシートを採用
現時点で公表されているスペック

 東京モーターショー 2019では参考出展車となっているが、これまで「YPJ-YZ」は日本・アメリカでの発売を見据えて開発・デザインが進められてきた。実際のカラーリングやコンポーネント、パーツなどは未定だが、車体のフレームはほぼ完成形だという。YPJ担当者によると、2020年度内には出荷スタートしたいと話していた。価格についても未定だが、いろいろ話を聞いた上での個人的な推測となるが、500,000~600,000円台になりそうだ。

ハードテイルe-MTBの「YPJ-XC」

 会場では、現行モデルのハードテイルe-MTB「YPJ-XC」も展示されている。こちらのモデルでは、白馬岩岳MTBパーク「カミカゼダウンヒルコース」のVR体験が可能だ。ペダルの回転速度と映像の再生速度が連動し、ド迫力のダウンヒルを味わいたい人にオススメしたい。

東京モーターショー2019の会場では、YPJ-XCでのダウンヒルVR体験ができる。サイクルモード2019では体験できないが、今後ヤマハのコミュニケーションプラザに展示する予定だという

 また、11月2~4日に開催される「サイクルモード2019」でも「YPJ-YZ」に関連する参考出展車が展示されるという。まだ開発段階のため東京モーターショー 2019とはカラーリングなどは異なるが、より間近で車体をチェックできるので、ぜひ会場に足を運んではいかがだろうか。