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100kg男性にも対応できる3,000着のスーツレンタルサービスで、LGスタイラーが大活躍

 上下の洗濯槽で分け洗いできる洗濯機や、ノックするだけで庫内が見える冷蔵庫など、斬新なアイデアを取り入れた家電を続々と投入するLGエレクトロニクス。特にハンガーに掛けるだけで衣類のシワやニオイが取れるホームクリーニング機「LG styler(スタイラー)」は、これまでにない家電として高い注目を集めた。

ホームクリーニング機「LGスタイラー」

 家庭用としての購入だけでなく、ホテルへの普及などBtoB展開が広がっていることは既報のとおり。さらに最近は、韓国で就活生向けにスーツを格安でレンタルしているNPO法人「オープンクローゼット」への支援も行なっており、社会活動にも取り組んでいるという。

 オープンクローゼットの事務所では、LGスタイラーが10台稼働しており、返却されたスーツのリフレッシュが日々行なわれている。実際に現場を見せてもらい、なぜLGスタイラーが選ばれたか、またオープンクローゼット自体がどういう取り組みをしているか話を聞いた。

LGスタイラーが10台稼働
就活生向けにスーツを格安でレンタルしている

3泊4日で2,000円、就活で負担となるスーツをシェア

 話を聞いたのは、NPO法人「オープンクローゼット」代表のキム・ソリョン氏。就職活動をする大学生向けに、スーツのシェアサービスを行なっている。事務所兼試着スペースは、ソウル市の学生街「建大入口駅」近くのビルに構えている。

 レンタル代は3泊4日で20,000ウォン(約2,000円)。非営利団体のため、利益を生み出すことは考えていない。スーツを持っていない大学生が、就活の面接で急にスーツが必要になったときにすぐに使えることを目的としており、約3,000着のスーツを取り揃えている。

NPO法人「オープンクローゼット」代表のキム・ソリョン氏
ソウル市の学生街「建大入口駅」近くのビルに事務所と試着スペースがある

 日本では、大学の入学式にスーツで参加することも多いが、韓国では入学式にスーツは着ないという。そのため、就職活動や卒業写真の撮影で初めてスーツを着る学生も多い。

 「スーツ一式を揃えようとすると、シャツやネクタイなど小物まで考えなくてはなりません。オープンクローゼットでは小物から靴まで揃えているので、急にスーツが必要になったときでも、きちんと一式を貸し出せるようにしています。

 今、韓国ではとにかく就職が困難です。大学を卒業してから3年以上、就職浪人をしている人もいます。特にスーツの購入はお金が掛かるので、就活生の負担を減らしたいと始めたのがこのオープンクローゼットです。韓国での就職活動では、面接の機会が年に2~3回しかありません。なので、スーツを購入するよりレンタルのほうが求められます」(キム・ソリョン氏)

約3,000着のスーツを揃えている
小物や靴も借りられる

スーツはすべて社会人から寄贈、後輩に伝えたいメッセージも

 膨大な量のスーツだが、これらは過去に就活をしていた現社会人からの寄贈で成り立っている。キム氏は、「オープンクローゼットの特徴は、スーツとともに寄贈した人のストーリーが読めることです。就職で悩む若者に、社会人になった先輩から後輩に伝えたいメッセージが必ずついてきます。それが継承され、好循環が生まれました」と話す。

 運営当初は10着ほどしかなかったスーツが、7年経った今は3,000着まで増え、シャツなども合わせると10,000点ほどになる。どんな体型の人でも、自分に合うスーツを見つけることができる。

 「過去に、体重100kg以上の男子大学生がスーツを借りにきました。自分に合うサイズのスーツを買うにはオーダーメイドするしかなく、お金が掛かると言っていました。そういった人にも対応できるほど、オープンクローゼットにはたくさんのスーツがあります。彼には、身長180cm/体重120kgのお笑い芸人、キム・ジュニョンさんが寄贈してくれたスーツを貸しました」(キム氏)

スーツにはすべて寄贈した人の名前が記載されている
シャツなども合わせると約10,000点を用意
スーツとともに寄贈した人のストーリーが読める

LGスタイラーでケアしてるから安心して借りられるという声も

 現在、オープンクローゼットを利用する人は1日平均で80人。過去7年間で13万人が利用した。就職活動のピークは5~6月と10~11月で、この時期はより準備に時間が掛かるという。オープンクローゼットでは、スーツの利用目的を絞っておらず、結婚式の列席用にとスーツを借りる人もいる。これまでの利用者の年齢は10~92歳と幅広い。

 オープンクローゼットの活動が本格的になった2013年には、返却されたスーツの手入れをどうするかという問題が生じた。すべてをクリーニングに出すのは負担になるが、一度着用されたものは必ずケアするというのがオープンクローゼット内でのルール。そこで、試しにLGスタイラーを使ってみようという話になったという。

取材中もスーツを借りにきた学生が試着していた
まずはじめにLGスタイラーを1台購入したという

 「当時はLGスタイラーの知名度がそこまで高くなかったため、1台買ってみてから判断しようと話し合いました。しかし実際に使ってみると、思ったより性能が良かったのです(笑)。基本的な汚れは取れますし、汗のニオイも消えてスッキリします。シワが取れるので、ある程度アイロンの役割も果たしてくれました。それでもう2台買おうとなり、計3台を導入しました」(キム氏)

 同時に2台買ったことにLGエレクトロニクスのBtoB担当者が気付き、オープンクローゼットに問い合わせたことで、縁ができたという。オンラインショッピングでの衣類管理ではなく青年のためというのが、同社が社会活動に貢献したいという思いと合致。7台のLGスタイラーが追加でオープンクローゼットに送られてきた。

スーツの返却ボックス
一度着用されたスーツは必ずLGスタイラーでケアされる

 キム氏は「現在は10台のLGスタイラーでレンタル用のスーツをケアしています。3台しかなかったときは、服を管理するのに1時間掛かり残業が多く発生しました。今は10台あるので余裕をもって管理できています。ある程度LGスタイラーでスーツの汚れやシワを取った後、アイロン掛けをして仕上げています」と説明。

 両者の知名度が上がるとともに、利用者からはLGスタイラーで管理しているから安心してスーツを借りられるとの声も挙がった。

 「数年前は聞き慣れない製品でしたが、今は一般の家庭でも使われていますし、ほとんどの人がLGスタイラーがどんな役目を果たすか知っています。こうした製品は韓国では他社からも出ていますが、LGが初めて開発したものですし、ブランドパワーの大きさを感じますね」とキム氏は言う。

LGスタイラーでスーツの汚れやシワを取った後、アイロン掛けをして仕上げている
レンタル可能なスーツはすべてリフレッシュ済み

「誰でも格好良くなれる権利がある」、今後はオンライン配送も

 現在オープンクローゼットの拠点は、ソウル市内に1つのみ。今後は拠点を増やすのではなく、オンラインで全国に配送するサービスを考えている。

 これは、多様なサイズのスーツが1箇所に集まっている方が利用しやすいためだとする。また韓国は配送サービスが整っており、ソウルから離れたチェジュ島などへも迅速に配送できるという。

 最後にキム氏は、「私達のキャッチフレーズは“誰でもかっこよくなれる権利がある”です。経済的な状況や体型に関係なく、スーツを着て格好良くなり、スタートの1歩にしてほしい。そういった思いで、これからもオープンクローゼットの活動を続けていきます」と締めくくった。

拠点はソウルの学生街の1つ。近くに建国大学校があり若者が多く集まる。今後はオンライン配送サービスを検討しているという