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旅先にあるとマジで重宝する! シワもニオイも取れる「LGスタイラー」付きホテルに泊まってみた

 衣類についたシワヤニオイを、スッキリとってくれる「LG styler(スタイラー)」。LGエレクトロニクスが手がけるこのホームクリーニング機は、2011年の発売以降徐々に話題を集め、最近では家庭への普及だけでなく、国内外問わずホテルへの導入も進んでいるという。

ホームクリーニング機「LGスタイラー」

 使ったことがある人は、その仕上がりの良さから口を揃えて絶賛する。自宅で使うには置き場所と約20万円という価格がネックになるが、ホテルにあるなら使ってみたいという人も多いだろう。

 発売から8年経った今、LGスタイラーはどういう広がり方をしているのか。ソウルにあるLGエレクトロニクス本社へ伺い、話を聞いてきた。また今回は、実際にLGスタイラーが設置されているホテルにも宿泊。じっくりと使ってみたので、その使い心地もレポートしたい。

ソウル・LGエレクトロニクス本社
ホテルの客室への普及も進んでいるという

 LGスタイラーの特徴は、約90℃前後のスチームと1分間に約180回振動するハンガーラックを備えている点。衣類についたシワやニオイ、さらにはPM2.5や花粉まで除去できるという。

 本体下部に水タンクを備えており、衣類を掛けた庫内にスチームを循環させる。洗濯しにくいダウンジャケットやワンピースなども、LGスタイラーであれば手軽にケアできる。

 一度に最大3着まで衣類を掛けられ、扉裏にはパンツをセット可能。ぬいぐるみや手袋、帽子などを置けるラックも用意される。専用のアロマシートを使って、好みの香りを衣類に付けることも可能だ。振動するムービングハンガーやパンツプレスは特許を取得しており、LGスタイラーにしかできない機能としている。

ダウンなど洗濯できない衣類にも対応
ドアの内側にはズボンをセットでき、折り目は残しながらシワ伸ばしできる。ラックには、ぬいぐるみや帽子も入れられる

焼肉のニオイもスッキリ! 宿泊先でLGスタイラーを使ってみた

 今回泊まったのは、韓国・ソウル市内の「コートヤード バイ マリオット ソウル ボタニック パーク」。2018年に開業したばかりのホテルで、ソウル市最大規模の植物園「ソウル植物園」に隣接する。

 部屋にあったスタイラーは、宿泊者がすぐに使えるようにとのことで、タンクには水がセット済み。操作部はハングル表記だが、日本語/英語/中国語のガイドが備えられており、問題なく使うことができた。そもそもLGスタイラーとは? という説明も簡単にあるので、初めてこの製品を知る人にも親切な設計だ。

コートヤード バイ マリオット ソウル ボタニック パークに宿泊した
部屋にはLGスタイラーのほか、LGの空気清浄機もあった
LGスタイラー下部に、給水/排水タンクが備えられている
給水タンクはセット済み。すぐに使える
日本語/英語/中国語のガイドもあり、問題なく使える

 さっそく、夕食で食べた焼肉のニオイががっつりついたジャケットとブラウスを、スタイラーにセット。ジャケットは往路の飛行機からずっと着ていたためシワもつき、クタっとしている。普段の出張だと、香り付きのシワ取りスプレーなどを持ってくるが、今回はホテルにLGスタイラーがあるので全部家に置いてきた。

 ハンガーに掛けた衣類をセットしたら、ガイドの指示通り電源ボタンを押して、リフレッシュコースの「標準」を選択するだけ。リフレッシュコースは「標準/おいそぎ/しっかり」の3モードあるが、まずは標準モードで。運転時間は39分と表示された。

 運転をスタートさせたらしばらくはスチーム準備で、その後はかすかに振動音が聞こえてくる。運転中はメイクを落としたりシャワーを浴びたりしていたので、全く気にならなかった。

夕食は焼肉。ジャケットもブラウスも、ニオイががっつり付いていたのでLGスタイラーにセット
ガイドの指示通り電源ボタンを押して、リフレッシュコースの「標準」を選択。運転時間は39分

 約40分後、運転終了のアラームが鳴ったので衣類を取り出してみた。ジャケットもブラウスも、まだスチームが残っていてホカホカしている。顔に近づけるまでもなく、お湯の香りがするのがわかった(笑)。

 当然焼肉のニオイは消えていてスッキリ! シワも伸びていて、クシャクシャで煙のニオイをまとっていた衣類とは思えない。まさに「リフレッシュ」されていて、かなり感動。ホカホカの衣類は冬だとさらに気持ちよさそうだ。

焼肉のニオイは消えていてスッキリ! シワも伸びていて、まさに「リフレッシュ」

シワシワのシャツはどうなる……!? まさかのハプニング

 出張準備でスーツケースに衣類を入れる際、シャツはできるだけシワがつかないように意識しながら折りたたむが、ホテルで開くとしわくちゃ……ということが多々ある。もちろん今回も、たたんでいたシャツはシワシワに。

 こちらは翌朝に、約1時間のコース「リフレッシュ/しっかり」で運転した。タンク内の水はまだ余裕があったので、継ぎ足さずにそのまま使った。

 当たり前だが、スタイラーにシャツを入れた後はほったらかし。出かける準備をしている間にシワ伸ばしができるのは、慌ただしい朝には本当にありがたい。

スーツケースに入れていたシャツはシワシワに。こちらは約1時間のコース「リフレッシュ/しっかり」で運転

 が!!! スムーズに使えているように見えるが、実は今回ちょっとしたトラブルがあった。1時間経ってスタイラーを開けたら、シャツが落ちていたのである。

 な、なんのための1時間……とかなりショックを受けたが、これは自業自得。シャツは滑りやすい生地で、スタイラーの振動が加わったことでスルッと落ちてしまったようだ。

 もちろんこうしたことも考慮されて、付属のハンガーは滑り止めがついている。しかし筆者はシャツのボタンを上まで締めずにハンガーに掛けていたため、滑り落ちてしまった。

1時間後に開けたら……落ちてるーーーーーーー!
ハンガーにはちゃんと滑り止めがついている
ボタンを上まで締めずにハンガーに掛けていたため、滑り落ちてしまった模様
正しくはこちら。ボタンをすべて締めてセット

 幸い、朝の出発時間には余裕があったのでもう一度「リフレッシュ/しっかり」モードでやり直したが、家出る直前にスタイラーを使う場合は注意が必要。

 今度はちゃんとシャツのボタンを上まで締めたら、1時間の運転後も無事にハンガーに掛かったままだった。シワを伸ばそうと入れたシャツが、下に落ちてシワシワになるのはかなりショックだが、それだけしっかり振動しているということもわかり、ある意味収穫があった(笑)。

 シワシワだったシャツは、1時間のしっかりコースでかなりピンとシワが伸びていた。シワがないだけでピシっとしているように見えるので、衣類をケアすることは大事だなぁと改めて思った。

Before。シワシワ
After。ピシッとした!

 今までLGスタイラーは焼肉店に設置されているものなど、その場で少しだけ使うことしかなかった。しかし今回、ホテルで2泊3日じっくり使ってみると、その良さがはっきりわかった。ちょっとシワが気になるくらいのときでも、スタイラーがあればハンガーに掛けるだけなので面倒臭さがいっさいない。

 またスタイラーから取り出したばかりの衣類は、乾燥機を使った後のようなホカホカ具合で、スチームによる消臭もスッキリ感がある。消臭剤などを使っていなく、洗いたてのような仕上がりは気持ちよさが段違いだ。簡単に買える値段ではないが、家にあったら毎日使うなぁとしみじみ思った。

世界中で受け入れられる製品、マリオット支配人が語るLGスタイラーの魅力

 今回宿泊した、コートヤード バイ マリオット ソウル ボタニック パークには、LGスタイラーが20台導入されている。ソウル ボタニック パークの総支配人であるMarco Pigatto(マルコ・ピガット)氏はミラノ出身で、韓国には8カ月前から滞在。ホテルに導入したLGスタイラーについて、次のように話した。

 「最初にLGスタイラーを見たとき、実に興味深いと思いました。イタリアにはない製品ですし、薬剤などを使わずに衣類をケアできるのは環境的にもいいですね。宿泊客からも好評で、どこで買える? と聞かれることもありますし、スタイラーが設置されているからここに泊まるという人もいます。

 当ホテルにはビジネス利用で宿泊する人が多く、出張先でジャケットを何着も持ってくるのは負担ですが、スタイラーがあれば1着で良いですよね。アジアだけでなく、世界中で受け入れられる製品だと思います」

コートヤード バイ マリオット ソウル ボタニック パーク総支配人・Marco Pigatto氏
日本語/英語/中国語/韓国語のガイドが用意されている

 また現在、日本語/英語/中国語/韓国語のガイドに掲載されているのはリフレッシュコースのみ。宿泊客からは、他のコースも使ってみたいという声もあるという。

 「今は簡単なガイドしかないですが、スタイラーの認知度の高まりとともに、ガイドもアップデートしていきたいです」(Marco Pigatto氏)

BtoCから自然とBtoBへ、日本でも「変なホテル」8エリアにLGスタイラールーム

 LGスタイラーの導入が進んでいるのは、韓国だけではない。日本のホテルでも、ロボット従業員が話題の「変なホテル」に、「LGスタイラールーム」がある。東京/大阪/福岡の計8エリアの客室に導入し、中でも東京の「西葛西」「銀座」「浜松町」は、全室にLGスタイラーを設置している。1泊5,000円程で泊まれる部屋もあり、気軽に利用可能だ。

「変なホテル」浜松町の予約ページ。全室にLGスタイラーを設置

 こうしたBtoB戦略について、LGエレクトロニクス リビングアプライアンス B2B育成事業担当常務 チャン・ボヨン氏は以下のように語った。

 「韓国でスタイラー開発したとき、これは家庭用よりBtoB向けだという意見は多くありました。しかし、BtoB市場では価格面で販売が難しく、まずはBtoCからと戦略的に決定したのです。多くの人にこの製品を知ってもらうことが大事だと判断しました。

 最初は苦戦しましたが、2015年に韓国でPM2.5が大きな環境問題になると、対策製品としてLGスタイラーに注目が集まったのです。そこから認知度が高まり、自然とアパートやマンションのモデルハウス、さらにはニオイ対策として焼肉店にも導入されるようになりました」

 日本でも、LGスタイラーの展開はBtoCから始めています。製品を多くの人に知ってもらった後、『変なホテル』と協業することになりBtoB事業が広がりました。スタイラー目当てで変なホテルに泊まる人も多く、スタイラーがあることでユーザー満足度に違いがあると聞いています。変なホテルに関しては、今後も新しいホテルができるときから導入するなど、持続的に協業していく予定です」(チャン氏)

LGエレクトロニクス リビングアプライアンス B2B育成事業担当常務 チャン・ボヨン氏
モデルハウスのほか、美容室や焼肉店にも設置されるようになった

 確かに、はじめからBtoB向けであれば消費者は自分に関係ないものと思うかもしれない。しかし家庭向けであれば、すぐに買えるような値段ではなくても、“ホームクリーニング機”という家電があることは認知される。

 それがさらにホテルで使えるとなると、自分では買えないけどホテルでなら、と宿泊先を選ぶ際の基準になり得る。昨今ホテルでは空気清浄機や加湿器の設置が標準的になりつつあるが、LGスタイラーのホテルへの普及も広がってほしいところだ。