ニュース
ロボット掃除機と電気ストーブの火災事例、東京消防庁とアイロボットが注意喚起
2019年3月5日 15:25
東京消防庁は、ロボット掃除機と電気ストーブに関する火災事例を発表。安全かつ快適にロボット掃除機を利用するための注意喚起を行なった。本喚起を踏まえてロボット掃除機「ルンバ」を販売するアイロボットジャパンも、火災事例とは関連しないものの、使用上の注意を呼びかけている。
事例1
日時:平成30年12月
被害状況:共同住宅の住戸内、家具等焼損。死傷者なし。
出火した住戸の住人が1階にいたところ、自動火災報知設備が鳴動したので2階のリビングに戻ると、電気ストーブとソファーが接触して出火していた。出火前は電気ストーブがソファーから50cmの位置に置かれており、室内はロボット掃除機が運転状態であった。
事例2
日時:平成31年2月
被害状況:共同住宅の住戸1室20m2焼損。死傷者なし。
近隣の会社員が出火建物の窓から煙が出ているのに気付いた。出火した住戸の住人は外出中であり、机の下に置いていた電気ストーブの位置が変わって出火。ロボット掃除機はタイマー設定がされていた。
火災発生時と同じメーカーのロボット掃除機で出火危険性の確認実験
これらの火災現場の状況を踏まえ、東京消防庁ではロボット掃除機により電気ストーブが移動する可能性を実験。
火災現場と同様にフローリング床に電気ストーブを置き、火災発生時と同じメーカーのロボット掃除機を用いて検証した結果、電気ストーブがロボット掃除機に押されて移動する状況が確認できたという。
また実験中には、ロボット掃除機の接触状況によっては電気ストーブが移動とともに方向転換し、ストーブの側面、背面側の物品からも出火する可能性が確認された。
電源コードにおいても、ロボット掃除機が移動する際に電気ストーブのコードを巻き込み、コードを引っ張ることにより電気ストーブが移動することも確認したという。
東京消防庁では、ロボット掃除機は壁などに接触した際に反転し、階段などからも落下しないように各種センサーで制御されているとし、使用条件によっては火災を発生させる可能性があるため注意するよう呼びかけている。
具体的な注意例として、「ロボット掃除機を自動運転する場合は電気ストーブのコードを抜く」、「取扱説明書などに記載されている使用条件や注意点をよく読み、危険な状態とならないようにする」などを挙げた。
アイロボットジャパンからの注意喚起
また、ロボット掃除機「ルンバ」を販売するアイロボットジャパンは、ロボット掃除機を安全かつ快適に利用するために、以下の点に注意するよう同社ユーザー向けに呼びかけた。
・ロボット掃除機本体が接触することで、向きが変わったり、倒れたり、あるいは操作部が押されたりすることにより、火災、けが、事故、故障をまねく恐れのあるものは、ロボット掃除機の使用前に安全な場所に移動させる(石油ストーブ、ガスストーブ、電気ストーブ、扇風機、加湿器など通電した状態の電化製品各種、それらのホースまたはコード類、火のついたろうそく・たばこの吸い殻等が入っている灰皿、花瓶など)
・上記のものが電気ストーブ、扇風機などの電化製品である場合は、ロボット掃除機の使用前にコードを抜いて移動させる
・火気のある場所や引火性の高いものの近くで使用しない
・スケジュール機能を使用して不在の状況で使用される場合は、上記に特に注意する
なお、アイロボットジャパンによると、今回東京消防庁で発表された火災事例に、同社のロボット掃除機が関わっているという報告は受けていないという。