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2月1日からPSEマークが必須となるモバイルバッテリー、発火・火災事例などをNITEが発表

2019年2月1日以降、PSEマーク表示のないモバイルバッテリーなどは販売不可

 2018年2月1日から、それまで電気用品安全法の規制対象外だったモバイルバッテリーが、新たに規制対象になった。この規制対象化では、事業者の対応準備期間として、2019年1月31日まで1年間の経過措置期間が設けられていたため、期間内は対象外製品としての販売が可能だ。しかし2019年2月1日以降、モバイルバッテリーはリチウムイオン蓄電池の技術基準に適合し、PSEマークが表示されているものでなければ、販売不可となる。

 独立行政法人 NITE・製品安全センターでは、2019年2月1日以降、PSEマークが表示されていないモバイルバッテリーが販売されていても、技術基準等を満たしていない恐れがあるため、購入は絶対にしないでほしいと呼びかけている。

 例えばアンカー・ジャパンは、1月30日付けで、ポータブルリチウムイオン蓄電池を搭載する、モバイルバッテリーや完全ワイヤレスイヤホンなどの全対象製品へ、PSEマークの表示を完了したことを発表している。

 NITEによれば、2013年度から2017年度の5年間に通知を受けたリチウムイオンバッテリー搭載品の事故情報は、582件あったという。そのうち402件(69%)が火災を伴っており、また事故の原因は、製品の不具合によるものが368件(71%)と最も多かったという。さらに368件のうち209件(36%)がリコール対象製品によるもので、情報の周知、回収や交換などで防ぐことができたとしている。

NITEによるモバイルバッテリー火災の実験

モバイルバッテリーなどリチウムイオンバッテリー搭載品の事故事例

 またNITEは1月29日、リチウムイオンバッテリー搭載製品の事故事例を発表した。主な事例は以下の3つ。

・モバイルバッテリーから異音がしたため、確認すると発火。周辺を焼損する火災が発生した。モバイルバッテリー内のセルに金属片が混入したり、電極板に不良があるなどの不具合品だったため、内部がショートして異常発熱、焼損したものと考えられる。製品は、焼損時にはすでにリコールが行なわれていたが、使用者がリコール情報を把握していたかは不明。

・カバンの中のスマートフォンのバッテリーが発熱・発煙し、かばんの中を焼損した。外から力が加わり、スマートフォンのバッテリーパックにへこみが、周囲の樹脂部品に傷ができたため、内部がショートして異常発熱、焼損したものと考えられる。取扱説明書には「分解しない。無理な力や強い衝撃を与えない。発熱・発火の原因となる」という旨が記載されていた。

・充電後のルーター用バッテリーとその周辺が焼損した。充電後のバッテリーを放置している間に、飼い犬がかみつき、電極間でショートが生じたものと考えられる。取扱説明書には、「ペットが電池パックにかみつかないよう注意する」という旨が記載されていた。

モバイルバッテリーの事故品