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テーブルタップやコンセントからの出火で、住宅全焼や死亡事例も〜NITEが配線器具の事故事例を発表

 独立行政法人 NITE・製品安全センターは、配線器具の事故事例を発表した。主な事例は以下の3つ。

・電気ストーブを延長コードに接続したテーブルタップに接続して使用したところ、火災が発生し、やけどを負った。テーブルタップの電源コードが動線上にあり、使用者(視覚障がい者)が気づかず繰り返し踏みつけたため、断線が生じて発火したものと考えられる。

・照明器具付きベッドの電源プラグを、テーブルタップに接続して使用中、テーブルタップ付近から発火し、2階を全焼した。プラグを電源タップに接続したまま長期間使用したため、接続部にほこり等が蓄積し、トラッキング現象が生じて焼損したと考えられる。

 なおトラッキング現象とは、電源プラグを長期間差し込んだままにした場合に、コンセントや電源プラグの周囲に付着したホコリや水分により、電源プラグ栓刃の間に微弱な電流が流れる状態が発生。火花放電を繰り返すことで、電源プラグの樹脂部分が炭化し、電気の通り道(トラック)が形成され、異常発熱の結果、発火へと至る現象。

・コードリール付近から出火して住宅を全焼し、1人が死亡、3人が重軽傷を負った。接続可能な最大消費電力を超える電気製品をコードリールに接続していたことに加え、リールからコードを全て引き出さずに巻いたまま使用したことで、コードが異常発熱し。芯線間でショートが生じ、出火したものと考えられる。このコードリールは、巻き取り時は700W、コード引き出し時は1,200Wまでが接続可能となっていた。

 こうした事故を防ぐためにNITEでは、キャスターなどが通過する場所の電源コードにはカバーを付けて保護する、電源プラグはコンセントとの間に隙間が生じないよう差し込んで定期的に掃除しほこりを取り除く、配線器具に接続可能な消費電力を超える機器を接続しないなど、取扱い時の注意事項を守り、製品を正しく使用するように呼びかけている。