老師オグチの家電カンフー
日本人に必要なのは働き方改革より、お風呂改革だろう~超優越感に浸れるお風呂を体験
2018年9月19日 06:30
豪邸訪問みたいな番組があるじゃないですか。豪華なリビングや綺麗なキッチン、機能的な間取りなどを見せられても、すっぱいブドウ理論で「べっ、べつに羨ましくなんかないやい」と思うのですが、バスルームが快適そうなことだけは、素直に羨ましいです。
なぜそう思うのか考えてみました。自宅に人を招くこともないですし、最低限のスペースと快適性があればいいはずです(それすら現状は不満ですが)。しかし、疲れているせいなのか、心身ともにリラックスできる場所は欲しい。それが、お風呂というわけです。世のお父さん方が、一人きりで心から落ち着ける空間は、お風呂だけなのかもしれません。
前振りが長くなりましたが、この連載で、シャワートイレを頭にかぶってたら、LIXILさんから連絡がありました。怒られるかと思ったら、最新のシステムバスルーム「SPAGE(スパージュ)」を体験しませんかというお誘いでした。
都内の秘密の施設に着くと、名刺交換も早々に服を脱いでお風呂に入る。これ自体、なかなかない経験。お帰りなさいご主人様、お風呂をどうぞ状態です。
腰のあたりに当たるジェットバスや、首・肩にお湯が流れる「アクアフィール(肩湯)」、天井からお湯が肩や頭に落ちてくる「アクアタワー(打たせ湯)」など、30分ぐらいひとりで好きなように過ごしました。スーパー銭湯的な施設が好きで、よく利用するのですが、それとはまた違いますね。当たり前ですが、家のお風呂なので、パーソナル感があります。
ジェットバスは音も静かで、備え付けられたテレビを鑑賞する邪魔になりません。テレビをつけると、平日の昼間だったので、下世話なワイドショーが流れていました。お風呂に浸かりながらスポーツ界のパワハラなどを見るのもまた格別です。あ~、世間の人々は大変だが、それにくらべて今の自分のなんと優雅なことよ、と。お風呂ひとつで、ここまで人間は優越感に浸れるもんなんですね。
肩湯はただ、気持ちいいだけでなく、お風呂での悩みが解決されています。半身浴までいなかくても、お湯が少なめだと肩が冷えやすいですが、かけ湯の機能があることで、肩や首まであたたまる。首まで浸かろうとお湯をいっぱいにはると、水圧が体の負担になるし、少ない湯量で無理な体勢で肩を浸けるなんてこともしなくていい。半身浴をする人には、とくにぴったりです。
照明の調光機能もあって、寝る前はリラックスできるよう暗めで暖色に、朝風呂なら明るめで寒色にして身体を活動モードにという具合に、気分も変えられます。こりゃ、テレビのお宅訪問が来たら、嬉々として説明しだすやつです。
どんな人が買われているのか聞いたところ、中心は50代から60代。マンションよりは戸建てが多く、リフォームを機に導入するケースが多いと言います。お風呂のサイズは、戸建てでもマンションでもおおむね規格が決まっており、ほとんどの家なら対応可能だそう。
気になるお値段は、1坪サイズで130万円台から。軽自動車1台分ぐらい。スーパー銭湯の入浴料が1,300円とすると1,000回分。そう考えると、数年で元が取れそうです。
しかし、この原稿を書いている今、ものすごい肩が凝っていて痛いです。あの肩湯にあたりたいなぁ……。マジ「SPAGE」のある家が憎いです。