長期レビュー

パナソニック「加湿空気清浄機&ナノイー発生機」 最終回

~衣類の脱臭も現実的、この季節に有り難い加湿効果
by スタパ齋藤

 
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)



 パナソニック「加湿空気清浄機 F-VXE65」と「ナノイー発生機 F-GME15」の長期レビューの第3回目。最終回となる今回は、これらの製品を約1ヶ月使ってみた使用感や印象を書いたみたい。なお、第1回目のレポートはこちら、2回目はこちら

パナソニック「加湿空気清浄機 F-VXE65」パナソニック「ナノイー発生機 F-GME15」

 両機ともナノイー搭載の製品だが、終始強く感じたのは脱臭効果だ。1カ月間、両機をいろいろな場所に置いて試してみたが、設置の翌日には「あ、ニオイが変わった」と感じられる。

 普段はあまり意識ないことだが、たとえば玄関はこんなふうなニオイで、北側のトイレ近くはこういうニオイ、というのが大抵あるハズ。上記2製品を試すにあたって、ある程度はいつもよりニオイを意識したが、そうすると各製品の脱臭効果がよくわかる。両機の効果とも「あれ? 窓開いてる!?」的な。澱んだ雰囲気というかいつものニオイがかな~り薄くなっているのがわかるのだ。

 また、小型で移動が容易な「ナノイー発生機 F-GME15」は、ピンポイントでの脱臭にも便利。実際に2度ほど衣服の脱臭に役立った。

パナソニック「ナノイー発生機 F-GME15」はナノイー放出のためだけの製品。ナノイー効果以外の空気清浄効果(フィルターによるホコリの除去など)は期待できないと考えるのが無難排気部が上部にあり、ルーバー(手動)により風向を変えられる。排気は強と弱を切り替えられる部屋全体にナノイー効果を広げるには、微妙に風力が足りない? てなわけでサーキュレーターと併用してみたが、効果があったのかはイマイチわからなかった

 上の写真のように、「ナノイー発生機 F-GME15」は小型のナノイー放出専用機。ナノイー放出口(排気部)は本体上部にあり、手動のルーバーにより風向を変えられる。

 で、たとえば拙者の場合、このナノイー発生機を使ってタバコ臭くなったりした上着を一晩で脱臭できた。具体的には、移動中に雨で上着が少し濡れた。直後、クルマに乗って暖房入れて、タバコとか吸ったりした。帰宅後、クルマから降りると「あ、なんかこの上着、タバコ臭+αの謎のニオイが付いてる感じ!!」みたいな。

 そこでこのビミョーなニオイの上着を「ナノイー発生機 F-GME15」の上方に吊し、一晩、弱運転で風を当ててみた。すると翌日にはヘンなニオイがほとんどなくなっていた。

 同じく、恐らく生乾きだったと思われるスウェットパーカー(なんとなく汗臭いようなニオイがする)を「ナノイー発生機 F-GME15」で同様に処理してみた。ら、そのニオイがほぼ感じられなくなった。

 てなわけで一瞬、「ナノイー発生機 F-GME15をウォーキングクローゼットの中に設置すると非常にイイのかも!!」と思ったが、直後、拙宅にはそのよーな広い衣服置き場などナイことに気づいた。ともあれ、風による脱臭マシンとして「ナノイー発生機 F-GME15」を考えるのもアリだな、と思った次第である。

 ただ「ナノイー発生機 F-GME15」について少しだけ不満が。ひとつは部屋全体に風を行き渡らせるには、な~んか風量/風力がイマヒトツな感じ!? 弱ならかなり静音で、強運転でもなかなか静かってのはイイんだが、もっと強く風を放出する運転モードも欲しかったところ。それとルーバーが自動で動いて空気を攪拌してくれたりしたら、さらに良かったなあ、と。

 それから「加湿空気清浄機 F-VXE65」。拙者的結論から言えば、ナノイー効果を得られる製品をまだ使ってないなら、この加湿空気清浄機あたりから買うとイロイロな複合的利便を感じられてイイのではないか、と。

 単純な話、フィルター式の空気清浄機であり、気化式の加湿気でもあり、ナノイー発生機でもある。つまり3つの機能を持つ。また、それら3種類の効果をわりとシッカリ実感できるとも思う。

「加湿空気清浄機 F-VXE65」の1カ月間の試用のうち半月は、リビングに設置していた。テレビの横ですな。人も猫もよく居るようなスペースだ運転モードは加湿空気清浄運転とし、風量は静音に固定した。これ以上の風量になると若干ウルさめで、テレビの音を邪魔するからですなちょっと見えにくいが、本体右側(写真手前)に水タンクがある。脱着しやすいので水の補給も容易。ただ、説明書には毎日洗うべしとある

 ナノイー発生による効果は前述の「ナノイー発生機 F-GME15」と似たような感じ……だと思う。「加湿空気清浄機 F-VXE65」を置いた部屋は、翌日にはその部屋独特のニオイが激減しているという感じ。

 フィルター式の空気清浄効果については、フツーに室内のホコリなどが減るという印象。たとえば人がわりと多く出入りしたり動いたりする部屋(てゅーか拙宅仕事場)だと、朝起きてテーブルの上を指で拭うとビミョーにホコリが積もっていたりした。が、「加湿空気清浄機 F-VXE65」を置くと、机上のホコリがかなり減ったような印象となるので、空気中の微細なホコリをちゃんと吸着してくれているのだろう。インテリジェントに動くルーバーや本体前面パネルのギミックも効いているのかもしれない。

 加湿効果は有り難かった。この季節、空気が乾くと気管方面がツラかったりしますな。でも「加湿空気清浄機 F-VXE65」を加湿空気清浄運転モードで使っていると、喉や鼻の粘膜がラクな感じ。拙宅環境では、これまでは35~40%程度だった湿度が「加湿空気清浄機 F-VXE65」使用時は60%程度に保たれ、ノドのいがらっぽさや鼻孔がかさつく感じが減った。

 ただ、「加湿空気清浄機 F-VXE65」使用開始後から、窓の結露が少し強くなった。基本、24時間加湿し続ける(というか室内の湿度を一定に保ち続けるようにする)ので、外の気温がダイレクトに伝わるサッシのアルミ部はやや汗だくに。今さらだが、(就寝中の低湿度の問題を防ぐ目的でなければ)就寝時は加湿空気清浄運転ではなく、単なる空気清浄機運転にしたほーが良かったのかも、とか思ったりした。

 ともあれ全体的にイイ感じで動作してくれた「加湿空気清浄機 F-VXE65」だが、個人的には2点ほど残念な部分が。

 ひとつは、操作パネルの表示。実機に触れてみないと「?」と思うかもしれない部分だが、表示が少しわかりにくい。たとえば風量を変える場合、風量ボタンを押すが、押下直後には各風量の表示が同時に点灯する。具体的には[静音]と[中]と[ターボ]と[自動風量]が全部表示される。その後の押下では現在選ばれた風量のみ表示されるが、この最初の押下で各モード全部表示って、なんかヘンだし使いにくいと思う。

 もうひとつは、加湿のために水タンクから水が流れる音。ゴッポッ、ポコ、ポッ、てな感じでタンク内に空気が入る音が少々聞こえる。ウルサい音ではないが、この音、拙宅猫うかが毛玉を吐く音とソックリ!! 「加湿空気清浄機 F-VXE65」からゴッポッと聞こえるたび「あら、うかちゃん、吐いちゃったのかしら!?」と驚かされたりして。

 まあ両方ともかなり個人的だし小さな違和感ではある。全体的に「加湿空気清浄機 F-VXE65」は充実した機能&使用感と言えそうですな。水タンク(毎日掃除すべしと説明書にある)以外はメンテもラクだしコナレ感があるしで、満足度の高い製品だ。

 てな感じの、ナノイー搭載製品2機種。実は、ほかにもナノイー搭載製品っていっぱいあるんですな。エアコン、洗濯乾燥機、ハイブリッド式加湿気、加湿セラミックファンヒーター、冷蔵庫、それから美容関連製品各種。どれもやっぱり脱臭効果があるんだろうか?

 ともあれ、今回扱った2製品については、両機ともハッキリわかる脱臭効果が感じられたので、ニオイの観点からナノイー搭載製品を吟味してみるのもいいかもしれない。



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2010年3月15日 00:00