長期レビュー

パナソニック「ホームシアターライティング」 その2

~取り付けにはちょっと注意が必要
by 若杉 紀彦

 
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)



 長期レビュー2回目となる本稿では、製品の仕様およびファーストインプレッションについて説明したい。第1回はこちらから。

 対応畳数は8~12畳で、100形ツインパルックプレミア蛍光灯(電球色)と高出力LED3灯(レンズ付き・白色タイプ)を搭載。ツインパルックプレミア蛍光灯は、2本の丸形発光管をブリッジで接続し、1本の管にすることで、従来の蛍光灯と同じ外環径で、約2倍の長さにした。これにより、従来の蛍光灯と比べ、同じ電気代なら明るさが約2倍になり、同じ明るさなら電気代が約1/2になる。また、業界No.1を謳う約16,000時間の長寿命や、16,000時間経過後も元の約80%の明るさを維持するといった特徴も併せ持つ。

 リモコンが付属し、点灯/消灯のほか、蛍光灯の明るさを100~10%の間で調節したり、点灯させるスポットライトの数を変えたりできる。さらに、タイマーを内蔵しており、約30分後に自動消灯させるおやすみタイマー機能や、留守時にも、指定した時間に点灯/消灯させ、泥棒の侵入を防ぐ、るすばんモード機能も搭載する。なお、リモコンと本体はチャンネルを1から3に変更できるので、これを変えることで隣室にも同じものを使うことができる。

 このほか、虫が好む波長の光を約70%遮断する特殊加工をカバーに施し、本体とカバーとの隙間をパッキンで密閉することで、内部に虫が入り込むことを抑えている。場所や機能的な理由から、普段、シーリングライト自体を見ることはあまりないが、ふとたまに見るとカバーの内側に小さな虫の死骸がいくつかたまっているのは珍しいことではない。カバーを外して洗い流せば終わりだが、こういう小さな配慮もうれしい。

 消費電力は最大94W、スポットライト点灯時は3.9W、リモコンによる消灯時は1W以下。本体サイズは752×106mm(直径×高さ)、重量は4.5kg。

配送時の状態箱を空け、カバー、リモコン、アダプタを取り出す本体を取り出したところ

 天井への取り付けは、一般的なシーリングライトと同じで、まず天井のローゼットにアダプタをはめ込み、続いて本体を押し上げて取り付ける。大きめなこともありそれなりに重量があるので、女性1人ではちょっときつい作業だろう。

 ここで一般製品と違うのが、取り付けの向きに指定があることだ。というのは、前回説明したように、この製品には3灯のスポットライトがついている。この内の、壁面用である2灯がTVのある方向を向くように取り付けなければならない。といっても、何も難しく考える必要はなく、本体に書かれた矢印をTVの方に向けてアダプタに取り付けるだけだ。

 後は、本体から延びるコネクタをアダプタに差し込み、カバーを取り付ける。カバーははめてから回転させるのだが、その際にパチンと音がするのを確認しよう。筆者は最初、マニュアルにそう書いてあるのを見落として、最後まではめきってなかったので、しばらくしてから「カタッ」っとカバーがずれる音がして、驚かされた。危うく前のシーリングライトと同じ運命をたどらせるとこだった。

我が家の天井のローゼットまず、ここにアダプタをはめ込む
本体は矢印がTVの方を向くように取り付ける

 これで基本的な設置は終わりだが、スポットライトの向きを調整してやる必要がある。取り付けに問題がなければ、電源を入れると電気が点くはずなので、スポットライトを全部オンにする。スポットライトは、2重構造になっており、外郭部と光源部を独立して動かすことができるので、2つがTVの両脇周辺、残りの1つが手元を照らすように向きを整える。特にマニュアルに記載はないが、壁面用はスポットライトが直接TVに当たらない向きにしておけばOKだろう。これで設置作業は終了だ。

これが本製品の最大の特徴といえるスポットライト光源部は左右360度、前後約48度で向きを調整できる外殻部は本体内側から外側に約70度の範囲で調整できる

 この後、必要があれば、本体の受光部近くにあるボタンで、リモコンとチャンネルを合わせる作業や、リモコンのボタンを押したときにピッという電子音を鳴らすか鳴らさないかを決定する。この電子音は全く耳障りなものではないし、チャンネルを変える必要もなかったので、筆者は特に何も変更していない。

本体上のボタンで、いざというときのリセットや、オン/オフのほか、チャンネル、リモコン操作時の音量の設定ができる

 設置が終わったところで、最初に思ったのが、正直思っていたほど明るくないなということだ。購入直後の蛍光灯の明るさは最大の60%になっているが、それを100%にしてもまだなお暗い。これは標準の蛍光灯が電球色のためだと思った。

 筆者はこれまでずっと白色系の蛍光灯を使っていたので、どうにも電球色は暗めに見えてしまうのだ。100形ツインパルックプレミア蛍光灯は、オプションでは電球色以外に、ナチュラル色とクール色が用意されている。当初は電球色のまま使い倒そうかと思ったが、どうにも違和感が拭えなかったので、クール色を買うことにした。価格は3,500円ほどだった。

 すると、体感で明らかに明るくなった。人によっては明るすぎると感じるかも知れないほどである。実際に計測器で比べてみたところ、メインの蛍光灯を100%の明るさにし、スポットライトは消した状態で、電球色は462lux、クール色は498luxと、見た目だけでなく実性能的にも明るいことが分かった(なお、仕様書の数値ではクール色の方が暗くなっている)。

 ちなみに、LEDのオン/オフによる照度の違いは7~8lux程度。蛍光灯の明るさ100%の下では、肉眼ではその差が分からない。LEDは十分に寿命が長いはずだが、交換ができないので、故障リスクを減らすため、普段は消しておくことにした。

 買ったばかりの電球色タイプをお役ご免にするのはもったいないが、この蛍光灯はコンビニなどでは普通売ってないので、切れた時の一時しのぎ用に保管しておくことにした。

取り付けが完了したところ標準の電球色で点灯したところクール色に変えて点灯ところ

リモコン。これまでシーリングライトはオンかオフの切り替えしかしたことがなかったので、8個もあるボタンに驚いた

 前述の通り、メインの蛍光灯はリモコンの「明」、「暗」ボタンを使って、100~10%の間で明るさを調節できる。調整した後、消灯しても、リモコンのお好みの明るさボタンを押すと最後に設定した明るさで点灯する。例えば、夕方などにちょっとだけ明るさが欲しい時などは、このボタンを使い、夜になったら全灯ボタンを押すという具合だ。

 この調光周りについては、不満がある。というのは、本製品は明/暗ボタンを押している間、調光を無段階に設定できる。逆に言うと、最大より3段階暗くとか、きっちり50%の明るさという指定ができないのだ。そんなものはフィーリングで十分でしょうといのが開発者の意図なのかもしれないが、神経質な人間にはこの仕様は肌に合わない。ちなみに、明るさが最大、あるいは最小に達すると電子音で知らせてくれる。

 結局、蛍光灯は全灯か消灯しか切り替えてないのだが、お好みの明るさボタンは蛍光灯の明るさだけでなく、スポットライトの点灯数も覚えていてくれる。前述の通り、筆者は蛍光灯利用時はスポットライトを消しているのだが、全て消すときは消灯ボタン、蛍光灯だけを点けたいときはお好みの明るさボタン、スポットライトだけにしたい時はスポットライトボタンというように、うまく具合に使い分けることができる。

 本製品を購入してから約3週間が経ち、通常の蛍光灯としての性能/使い勝手には何の不満もない。ホームシアターとの組み合わせについては次回の最終回でお話ししたい。



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2009年7月13日 00:00