長期レビュー

パナソニック「ツインPaシーリングライト HHFZ5365」 その1

~引っ越しを機に、ホームシアター向けシーリングライトを購入
by 若杉 紀彦

 
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)



 4月の末に引っ越しをした。基本的に家具類の多くは新たに購入し、電化製品については、おおむねそれまで使っていたものを新居に持ち込んだのだが、シーリングライトについては新しいものを購入することにした。その理由は後述するが、選択したのはパナソニックの「ツインPaシーリングライト HHFZ5365(LEDスポットタイプ)」。ホームシアター向けの製品だ。


メーカーパナソニック
製品名ツインPaシーリングライト HHFZ5365
希望小売価格オープンプライス
購入場所楽天市場
購入価格41,000円

 折しも、ゴールデンウィークだったので、新居で新しい照明環境の下、Blu-ray Discビデオの新作をいくつか視聴してみたが、その効果には満足している。今回から3回にわたり、この製品についてのインプレッションをお届けする。まずは、この製品を選ぶに至った経緯から説明したい。

ツインPaシーリングライトHHFZ5365実際に我が家でホームシアターモードにしてみたところ。詳細は追ってレビューする

 引っ越す前の部屋は1DKで、2つのシーリングライトを使っていた。ダイニングキッチンで使っていたものは、ひもを引っ張ってオン/オフするごく一般的なもの。一方、寝室ではリモコンでオン/オフできるタイプのものを使っていた。これは、ダイニングキッチンでは、壁の主電源でオン/オフすることで何の問題もなかったが、寝室ではベッドの中で切り替えたかったからだ。

 この使い方は、引っ越し後も変わらないはずだった。しかし、以前ダイニングキッチン側の蛍光灯が切れ、取り替えようとした際、誤ってカバーを床に落としてしまい、壊してしまった。そのままでもシーリングライトとしての機能には問題ないが、さすがに新居に持ち込むにはみすぼらしすぎるので、買い換えることにした。

 それまではほとんどシーリングライトに気を配ったことはなかった。旧居はダイニングキッチンが5畳だったが、新居はリビングが11畳なので、今までよりは大きめ(明るめ)のものが必要だなくらいのことは考えていたが、あとは単に電気がつけばいいくらいにしか思っていなかった。

 ところが、量販店の通販サイトで物色を始めてみると、シーリングライトの中に、“ホームシアター向け”というジャンルがあることを知った。筆者は約1年半前に、液晶TVとAVセンターおよび5.1ch分のスピーカーを買い揃えた。旧居は寝室が8畳とダイニングキッチンより広かったことや、間取りの都合から、それらは寝室の方に設置していたが、今回はリビングに置くことを決めていた。ならではと、シーリングライトもホームシアター向けのものにしようと決断した次第だ。

 さて、この“ホームシアター向け”とはいったいどのようなものか。それは、基本的にメインのライト以外に、補助用のスポットライトがついているものを指す。劇場がそうであるように、映画を観るときは、照明を落とした方が没入感が高まる。しかし、あまりに暗くすると、リモコンで一時停止したい時などにちょっと困ってしまう。そこで、スポットライトを使って、ほのかに手元を照らそうというのが、ホームシアター向けシーリングライトの思想だ。

 ちなみに、このスポットライト、ほとんどのメーカーがLEDを採用している。メインの照明ほど明るさが要らず、低消費電力で長寿命といった性質がこの用途に好適というのがその理由のようだ。

 購入候補としては、パナソニックのHHFZ5365以外に、日立ライティングの「DRC10707LK」や、小泉成器の「BHN8118MC」などがあった。ある量販店でのそれらの実売価格は、順に約42,000円、20,000円、37,000円だった。一口にホームシアター向けと言っても割と値段差があるなと思ったが、こんな時、値段よりも機能を優先するのが筆者の常である。

日立ライティングの「DRC10707LK」小泉成器の「BHN8118MC」

 この中でまず候補から落としたのが、日立ライティングの製品だ。価格の安さは魅力的なのだが、メーカーの製品情報ページを見ても、ホームシアター向けの機能をあまり前面に打ち出しておらず、おまけ要素的な扱いだったからだ。ちなみに、ここには列挙していない他社製品も含め、LED(あるいはその周辺部)の色がいろいろと変化する機能があるものが少なくない。このあたりは個人的趣味の問題も大きいが、映画を観るのに、スポットライトが赤とか紫とかけばけばしい色で光るのは雰囲気を壊してしまうので不要だと思う。

HHFZ5365には壁面を照らす機能もある

 小泉成器の製品は、カタログでホームシアターでの利用イメージなどを多く紹介しており、イメージ的にかなり良さそうな商品だと感じた。パナソニックの製品もその点は同じだ。しかし、パナソニックのHHFZ5365には、他の製品にない機能があった。それは、スポットライトでTVのある壁面を照らす機能である。

 ホームシアター向けシーリングライトのほとんどは、スポットライトが手元、すなわち真下を照らすようになっている。これに対し、HHFZ5365は、3つあるスポットライトの内、1つは手元用だが、残りの2個はフロントスピーカーあたりを明るくするために用意されている。これにより、TVの周辺部が適度に明るくなり、視聴時の目の疲れを軽減してくれるのである。

 そういった用途のため、パナソニックの「HH3190E」などTVやフロントスピーカーの背面に設置する照明器具も存在するのだが、それらの価格は1万円近くすることが多い。HHFZ5365は、小泉成器の製品より5千円ほど高いが、壁面を照らす機能を考えると、むしろ割安と言えるのである。こういった理由で、HHFZ5365の購入を決めた。

 次回は、HHFZ5365の取り付けとファーストインプレッションについてレビューをお届けする。




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2009年7月6日 00:00