家電トレンドチェッカー

夏休み! ダイキンのエアコン分解イベントに参加してきた

果たして空気博士になれるのか?

 東京の今年の夏は、当初の予報に比べると気温は上がらなかったものの、やはり暑い日も多かった。特に夏休み中は、小学5年生の息子も家にいる時間が長く、とにかくエアコンを付けっぱなしだった気がする。

 これだけエアコンにお世話になっていながら、意外と知らないのが、その仕組み。エアコンってどうして冷えるの? 室外機って何のためにあるの? などなど、涼しい部屋でゴロゴロしているぐうたら息子は、考えたことはあるのだろうか(笑)。

 そこで今年の夏は、ダイキンが開催した夏休み特別企画『”目指せ! 空気博士” 体験学習イベント』に参加し、エアコンの仕組みを勉強してきた。

エアコンは冷やすのではなく、熱を追い出していた!

 このイベントは、7月21日~8月26日の土日に、東京と大阪にあるダイキンのショールームで開催されたもの。今回は、東京・新宿にある「ダイキンソリューションプラザ『フーハ東京』」で行なわれたイベントに参加した。小学生以上の保護者を対象としたもので、室内機を分解しながらエアコンの冷える仕組みを学ぶことができる。

『フーハ東京』で行なわれたイベントに参加

 体験する部屋に入ると、各テーブルには1台ずつエアコンが置かれていた。ダイキンのロゴが入った白衣を羽織り、すっかり博士気分だ。

 まず、教えていただいたのが、エアコンから涼しい風が吹き出す仕組みだ。なんとなく、エアコン内にあるよく冷えた空気を送り込んでいるイメージがあるが、実はそうではない。部屋の中の空気から、「熱」だけを外の追い出しているという。

エアコンは空気を冷やしているのではなく、熱を追い出している!

 では熱だけをどのように運び出すのか。それには、熱が多いほうから少ないほうへ移動する性質を利用しているという。その説明を、電車と駅に例えてわかりやすく説明してくれた。

熱は室内機の「熱交換器」駅から「冷媒」という電車に乗り、パイプを通って、室外機の「熱交換器」駅で降りる

 冷媒は冷たいため、室内の熱が移動してくる。冷媒はこれを室外機まで運ぶわけだが、このままでは熱は出て行ってくれない。そこで室外機では、熱が冷媒から出て行ってくれるよう、温度を上げるというわけだ。

 では、室外機でどのように温度を上げるのか。その仕組みも、ペットボトルを使った実験で説明してくれた。

空のペットボトルに、空気入れでどんどん空気を入れて空気圧を高めると温度が上がる
空気を抜くと、温度が下がる
圧縮と膨張により、温度を変えている!

 つまり室外機にあるコンプレッサーと呼ばれる装置が、空気を圧縮して温度を上げ、冷媒から熱交換器へ熱を下ろしてくれる。熱がなくなり冷たくなった冷媒は、また室内機に戻り、次の熱を運び出すというわけだ。

冷媒が循環しながら、熱をどんどん運び出している

いよいよ室内機を分解! その構造は?

こちらのエアコンを解体!

 エアコンが冷える仕組みがわかったところで、いよいよ室内機を解体する。なかなかできない経験に、子どもだけでなく筆者もワクワクした。

外カバーを外すと、フィルターが出てきた。空気中のホコリが室内機内に入り込むのを防いでくれるものだ
これはエアコンの動作をコントロールする頭脳部分のようだ。ここに電源コードがついていた
エアコンの要となる熱交換器。カバーの下に、パイプのように張り巡らされている
クロスフローファン。これが勢いよく回転することで風を送り出す。風を効率的に送り出すために、計算された形だという
エアコン内には、これだけ入っていた!!

 最初にエアコンの仕組みを聞いていたため、それぞれの部品がどのような役割を果たしているか、とても分かりやすかった。これらの部品が力を合わせて、あの涼しい風を出しているのかと思うと、またエアコンの見方も変わってきそうだ。

 この後、フーハ東京にて、湿度と温度の関係を体験したり、最新エアコンの性能を学んだり。工作と理科の要素を兼ね備えた内容は、子供にとっても楽しかったようだ。特に、空気の性質に不思議さに興味を持ち、自分なりに調べを加えて、夏休みの自由研究としていた。

 今年のイベントは終わってしまったが、もし来年も開催されるようだったら、未来の理系男子、理系女子を目指すお子さんはぜひ参加することをおすすめしたい。

エアコンの仕組みを学ぶことで、自然界にある空気の性質まで学べました!

田中 真紀子