やじうまミニレビュー
突発的な1泊旅行で大活躍した「かわるビジネスリュック」
2016年9月6日 07:00
誰かが欲しいのではなく、自分たちが欲しいと思うバッグを、とことんこだわって作り続けているバリューイノベーションに、あらたな製品が追加されました。その開発になんと3年も要したという「かわるビジネスリュック」です。
メーカー名 | バリューイノベーション |
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製品名 | かわるビジネスリュック |
実売価格 | 19,950円 |
発売前から少しずつブログでその開発工程が公開されていましたが、その様子を見てるだけで欲しくなりました。常にそのとき自分にあったバッグを探し続けている身としては、試さずにいられません。幸運にも発表と同時に手に入れることができましたので、その使用感をお伝えします。
ビジネスシーンでも、縦でも横でも柔軟に使えるように
リュックのチェックポイントといえば、背負い心地、重心バランス、キャパシティ、デザイン、ポケットの数などでしょうか。基本的には“縦”で使うことを前提にデザインされています。荷物は入れたものから底に沈み、地層のようになるのは必至なので、手を突っ込んでゴソゴソ探す必要があります。そのため、がま口のように口が大きく開いて中が見渡しやすくなっているものや、側面から中に直接アクセスできるよう、背面にジッパーを備えたものもあります。
また、どうしてもその形状からスポーティだったり、カジュアルに見えたりするので、通勤はいいけれど客先にそれでいくのはどうか……という見え方をすることがあるのもリュックサックの宿命。
そんなリュックの特徴を覆そうと作られたのが「かわるビジネスリュック」のようです。リュックでも必要なものがすぐ取り出せるよう工夫され、しかも荷物に応じて構造が変わり、ビジネスシーンでもきちんと見えてスーツにも合わせられ、縦でも横でも持てるようになっています。まさに「かわる」のです。使っていると、行動まで変わりそうになります。
使いやすさのための工夫
外観サイズは300×170×500mm(幅×奥行き×高さ)。重さは980g。まるで大人のランドセルとでもいいたくなる、スクエア型のデザイン自体がまずユニークです。アウトドアっぽくないので、背負ったときの印象がかなり変わります。全体的に撥水加工が施されており、多少の雨なら防いでくれます。
その形を見ると、1kgを切っていることが信じられないのですが、実際持ってみるととても軽い! バッグでもその形や持ち手の長さ、太さによっては980gが重たく感じることは多々あるのですが、「かわるビジネスリュック」は手に取ると空気を持ち上げているような感覚になってびっくりします。バッグにおける軽さは正義ですから、この時点で心の何割かはわしづかみされます。
収納(ポケット)は6つ用意されています。頻繁に使うもの、ペットボトル、カメラやレンズなどが収納できて、側面から直接出し入れでき、不要なときはなかったことにできる「コアポケット」、まるでスーツケースを開け閉めするような感覚でモノを出し入れできる背面開閉の「メインポケット」、Dカン付きでファスナーをカギで留められる「貴重品ポケット」、起毛素材が使われているのでパソコンをカバーなしで入れられる「PCポケット」、タブレットなどがスポッと入る「外ポケット」です。背面のメインポケットのフタになる部分の内側にも、A4サイズの書類が入れられるポケットもついていますしもちろんパソコンも入ります)。
これらのポケット配置がまた絶妙で、縦でも横でも抱えた状態でもいろんなポケットに手が入ります。コアポケットは上腕がすっぽり入ってしまうくらいのスペースがあり、中の素材の肌触りがいいので、無意味に入れたくなってしまいます。ちなみに、肩掛けする場合は右肩にかけたときに、開閉しやすいようになっています。
スムーズに荷物の出し入れができるよう、メインポケットのカバーと、コアポケットのファスナーはダブル。自分の好きな位置から開け閉めできるうえ、その動きはひっかかりがまったくありません。安いリュックでは、ファスナーがひっかっかってスムーズに動かないこともありますが、「かわるビジネスリュック」は気持ちいいくらいスムーズです。
加えて、ガバッと開くメインポケットのカバーにより、3カ所(辺)から出し入れできるところもミソ。倒した状態ではスーツケース風に、立てた状態では上からや、側面から手が入れられるのです。これは慣れてくると本当に便利。普段は横置きにして、メインポケットの側面を開ければ、大抵のものは放り込めてしまいますが、立てたとき重さでグッと中が圧縮され、今度は上からもう少し入れられたりするんです。上にはよく使うものを入れておくと、取り出しやすくなって便利というわけです。
「持つ」ための工夫も随所に
ショルダーストラップはしっかりとした太さと絶妙なカーブがあり、背負ったとき体に負担がかかりにくいようになっています。中身が空の状態で背負ったときは浮いたような感じがして、500gクラスの軽量なリュックよりも軽く感じるくらいです。チェストベルトもついており、位置も柔軟に変えられるので、重たくなっても荷物をしっかりホールドできます。
「かわるビジネスリュック」の大きな特徴はスーツでも使える点ですが、側面についている持ち手を取り出せば、さっと横持ちスタイルに。ホンモノのスーツケースにはない、ちょっと変わった雰囲気になるので、訪問先で会話のきっかけになってくれそうな気がします。
縦に持ち上げられる取っ手もありますし、背面にはキャリーケースに通せるベルトもあり、とにかく自由なスタイルで持てるギアが「かわるビジネスリュック」です。
フットワークを邪魔しない。パソコンで仕事もできた
ある日、横須賀に行く用事ができた私は、せっかくなので夏の思い出にと1泊旅行をすることに。「かわるビジネスリュック」の中に仕事用のカメラやパソコン、着換えなど1泊できる装備を詰め込んで自宅を飛び出しました。電車の中でスマホからホテルを予約し、一路横須賀へ。台風の上陸にも直面しましたが、結果、「かわるビジネスリュック」の機動力を活かし、現地の散策を楽しむことができました。
ふだん1~2泊の旅行では、キャスター付きのバッグをコロコロ転がしています。体への負担がないのはいいのですが、預ける場所がない観光地では、転がしながらだと歩きにくい場所には入れません。階段などもいちいち持ち上げて上ることになるので面倒です。その点荷物を全部背負える「かわるビジネスリュック」はどこでもOK。パソコンに充電関連機器、カメラ、着換えなどめいっぱい詰め込んでかなり重くなったのですが、自由に歩き回れました。
おっ! と感動したのは行き帰りの電車の中。見た目が相当大きいので、座席に座って抱えるように持つと大変なのですが、長辺が50cmなので倒すとギリギリ膝にのせられます。そこで、パソコンを取り出して乗せてみたら絶妙な高さに。そのまま仕事ができてしまいました。あの箱のような形が功を奏したようです。
女性用の小さめタイプがぜひ欲しい!
「かわるビジネスリュック」は、形が特徴ではありますが、荷物が少ないときもあの形のまま。一般的なリュックはしぼむので小さく見せられるのですが、それができないため、荷物が少量でも大荷物に見えてしまいます。男性なら違和感のないサイズなのですが、女性にはちょっと難しい。実際、「かわるビジネスリュック」を背負って取材にでかけたところ、「これ、何が入ってるんですか」といぶかしげに聞かれたことがありました(苦笑)。
ふだんは肩掛けだけにしてみる、外ポケットに物を入れず、さらに膨らんでみえないようにするなどいろいろ工夫してみたんですが、物理的に大きく感じるのは避けられない模様。あの容量が必要でない限り、旅行時やビジネスシーン以外で男性のように日常的に持ち歩くのはちょっと難しいかもしれません。
とはいえ、あのデザイン、軽さや機能性、パソコンを置いて使える点なんかを考えると、やっぱり使いたい。毎日使いたい。旅行以外でも使いたい。願わくば、女性用にもう一回り小ぶりのタイプを出して欲しいと願わずにはいられません。といいつつ、結局普段持ち歩いてるんですけどね。